染色品
京友禅
きょうゆうぜん
京都で生産される友禅染め。華やかな色彩と優美な模様表現が特徴の染色技法。
History
歴史
京友禅は、江戸時代元禄年間(1688〜1704年)に扇絵師・宮崎友禅斎が考案した染色技法に由来する。友禅斎が描く扇絵の意匠が着物の染色に応用され、華やかな模様染めとして公家や富裕な町人の間で爆発的に流行した。京都の豊富な地下水と染色職人の高い技術力が発展を支え、明治以降は化学染料の導入や写し友禅の技法開発により量産化が進んだ。昭和51年に経済産業大臣指定の伝統的工芸品に認定され、日本を代表する染色工芸として国内外で高い評価を受けている。
Technique
技法
京友禅の制作工程は、構想・下絵・糸目糊置き・挿し友禅・蒸し・水元など二十以上の工程に分かれ、各工程を専門の職人が分業で担う。まず白生地に青花液で下絵を描き、模様の輪郭に沿って糸目糊を置くことで染料の滲みを防ぐ。次に筆や刷毛で各色の染料を挿し、蒸して染料を定着させた後、鴨川などの清流で糊や余分な染料を洗い流す「友禅流し」を行う。金彩や刺繍などの加飾を施して完成となる。
Process
制作工程
全7工程
- 1
下絵描き
白生地に青花液で図案の下絵を描き、花鳥風月などの模様の配置と構図を決定する
- 2
糸目糊置
下絵の模様の輪郭に沿って先金の筒から糸目糊を細く絞り出し、染料の滲みを防ぐ防染線を引く
- 3
挿し友禅
糊で囲まれた模様の内側に筆や刷毛で各色の染料を丁寧に挿し、繊細な色彩を表現する
- 4
蒸し
染料を挿した生地を蒸し箱に入れて高温の蒸気で蒸し上げ、染料を繊維に定着させる
- 5
水元
蒸し上がった生地を清流に浸して糸目糊や余分な染料を洗い流す友禅流しを行う
- 6
金彩加工
染め上がった生地に金箔や金粉を用いた加飾を施し、華やかさと格調を高める
- 7
刺繍仕上
必要に応じて刺繍や絞りなどの加飾を施し、湯のしで生地を整えて作品を完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
西陣 雅彦
伝統工芸士
雅彦染色工房
1943年京都府京都市中京区生まれ。京友禅の手描き染めの名匠として知られ、15歳で染色工房に弟子入りして以来、60年以上にわたり筆一本で絹布に花鳥風月を描き続けている。糸目糊置き、色挿し、蒸し、水洗いまでの全工程に精通し、京都府無形文化財保持者に認定。振袖、訪問着、帯など数々の名品を世に送り出してきた。
制作哲学
京友禅は絹の上に四季の移ろいを描く芸術である。自然の美を筆先に込め、着る人の人生を彩る着物を作る。
“一枚の白生地に筆を下ろす瞬間、千年の京都の美意識と対話しています。
上田 紗良
若手作家
紗良友禅工房
1994年京都府宇治市生まれ。京都市立芸術大学で日本画を専攻した後、手描き友禅の世界に転向。伝統的な古典柄の修業を積みながら、日本画で培った感性を活かした独自の友禅表現を模索。現代の若い女性が着たいと思える友禅の着物やストールの制作に力を入れている。
制作哲学
京友禅の繊細な色彩と絵画性を、現代のファッションとして楽しめる形にしたい。
“友禅染は色を重ねるたびに命が吹き込まれていく。その瞬間がたまらなく好きです。
FAQ
よくある質問
京友禅とは何ですか?▼
京都で生産される友禅染め。華やかな色彩と優美な模様表現が特徴の染色技法。
京友禅の産地はどこですか?▼
京友禅は京都府で生産されている染色品です。
京友禅の技法・特徴は?▼
京友禅の制作工程は、構想・下絵・糸目糊置き・挿し友禅・蒸し・水元など二十以上の工程に分かれ、各工程を専門の職人が分業で担う。まず白生地に青花液で下絵を描き、模様の輪郭に沿って糸目糊を置くことで染料の滲みを防ぐ。次に筆や刷毛で各色の染料を挿し、蒸して染料を定着させた後、鴨川などの清流で糊や余分な染料を洗い流す「友禅流し」を行う。金彩や刺繍などの加飾を施して完成となる。
京友禅はどこで購入・体験できますか?▼
京都府の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。京都府の工芸品については京都府の伝統工芸品一覧もご覧ください。