彦根仏壇

仏壇・仏具

彦根仏壇

ひこねぶつだん

滋賀県

滋賀県彦根市で生産される仏壇。七つの職人技術を結集した豪華な金仏壇。

History

歴史

彦根仏壇は滋賀県彦根市を中心に生産される仏壇で、その起源は江戸時代中期の元文年間(1736〜1741年)にさかのぼる。彦根藩主井伊家の庇護のもと、武具製造の技術を持つ職人たちが仏壇製造に転じたことが始まりとされる。近江は浄土真宗の信仰が篤い地域であり、仏壇の需要が極めて高かった。明治以降も伝統技法が受け継がれ、1975年に伝統的工芸品の指定を受けた。彦根仏壇は「いのちある仏壇」と称され、精緻な造りで名高い。

Technique

技法

彦根仏壇は木地・宮殿・彫刻・漆塗り・蒔絵・金箔押し・錺金具の七つの工程をそれぞれの専門職人が分業で担当する。木地にはスギやヒノキを使用し、釘を使わない伝統的な組み手で堅牢に仕上げる。漆塗りは本漆による呂色塗りを基本とし、入念な研ぎ出しで深い光沢を得る。彦根仏壇の特徴は「七職」と呼ばれる高度な分業体制と、武具製作の伝統技術を活かした精緻な錺金具にある。金箔は最上質のものを使い、格調高い仏壇に仕上げる。

Process

制作工程

7工程

  1. 1

    木地制作

    スギやヒノキを釘を一本も使わない伝統的な組み手で堅牢に組み上げ、仏壇の本体構造を制作する

  2. 2

    宮殿制作

    仏壇内部の宮殿を各宗派の様式に基づいて精密に組み上げ、屋根や欄間の細部まで丁寧に仕立てる

  3. 3

    彫刻

    欄間や脇板に伝統的な文様を精緻に彫り上げ、彦根藩の武具製作に根ざした高い技術力を活かす

  4. 4

    漆塗り

    本漆による呂色塗りを基本とし、塗りと研ぎ出しを入念に繰り返して深い光沢と堅牢さを実現する

  5. 5

    蒔絵

    漆面に金粉・銀粉を蒔いて伝統的な図柄の蒔絵を施し、近江の美意識を反映した端正な装飾を描く

  6. 6

    金箔押し

    最上質の金箔を押し箔技法で一枚一枚丁寧に貼り付け、宮殿内部に荘厳な輝きを与える

  7. 7

    錺金具付

    武具製作の伝統技術を活かした精緻な錺金具を打ち出して取り付け、七職の技を結集して完成させる

Artisans

この工芸を紡ぐ人々

井上 善太郎

伝統工芸士

井上箔押所

滋賀県彦根市に生まれ、彦根仏壇の七職の一つである金箔押し師として四十五年以上従事。彦根仏壇特有の精緻な金箔技法と、琵琶湖を望む近江の風土が育んだ優美な意匠で高い評価を受けている。彦根仏壇事業協同組合の技術指導員を務める。

制作哲学

彦根仏壇は近江の信仰と七職の技が結集した総合芸術です。金箔の輝きで仏の慈悲を表し、手を合わせる人々に安らぎを届けたい。

金箔の一枚が仏壇に融ける瞬間、そこに仏の光が宿ります。

中川 凜

若手職人

滋賀県出身。京都伝統工芸大学校で木工芸を学んだ後、彦根仏壇の宮殿師として修業を始める。精密な木組みで仏壇内部の宮殿を制作する技術を磨きながら、彦根の伝統工芸の魅力を発信する活動にも積極的に取り組んでいる。

制作哲学

彦根仏壇の宮殿づくりは建築と工芸の融合です。その精緻な技を次の世代へ確実に伝えていきたいです。

ミリ単位の木組みの中に、浄土の荘厳な世界が広がります。

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FAQ

よくある質問

彦根仏壇とは何ですか?

滋賀県彦根市で生産される仏壇。七つの職人技術を結集した豪華な金仏壇。

彦根仏壇の産地はどこですか?

彦根仏壇滋賀県で生産されている仏壇・仏具です。

彦根仏壇の技法・特徴は?

彦根仏壇は木地・宮殿・彫刻・漆塗り・蒔絵・金箔押し・錺金具の七つの工程をそれぞれの専門職人が分業で担当する。木地にはスギやヒノキを使用し、釘を使わない伝統的な組み手で堅牢に仕上げる。漆塗りは本漆による呂色塗りを基本とし、入念な研ぎ出しで深い光沢を得る。彦根仏壇の特徴は「七職」と呼ばれる高度な分業体制と、武具製作の伝統技術を活かした精緻な錺金具にある。金箔は最上質のものを使い、格調高い仏壇に仕上げる。

彦根仏壇はどこで購入・体験できますか?

滋賀県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。滋賀県の工芸品については滋賀県の伝統工芸品一覧もご覧ください。