染色品
有松絞・鳴海絞
ありまつしぼり・なるみしぼり
愛知県名古屋市有松・鳴海地区で生産される絞り染め。百種以上の絞り技法を持つ。
History
歴史
有松絞・鳴海絞は、名古屋市緑区有松・鳴海地区で生産される絞り染めの総称である。慶長13年(1608年)、尾張藩が東海道の有松に新しい集落を開いた際、竹田庄九郎が豊後の絞り技術を参考に手ぬぐいの絞り染めを始めたのが起源とされる。東海道を往来する旅人の土産物として人気を博し、尾張藩の保護政策により有松の独占産業として発展した。最盛期には百種以上の絞り技法が考案され、昭和50年に伝統的工芸品に指定された。
Technique
技法
有松絞・鳴海絞は、百種類以上の多彩な絞り技法を誇る。代表的な技法に、生地を針で縫い締める「縫い絞り」、糸で括る「括り絞り」、板で挟んで防染する「板締め絞り」、生地を折りたたんで圧着する「折り絞り」などがある。特に「蜘蛛絞り」「三浦絞り」「嵐絞り」は有松独自の技法として知られる。職人が指先の感覚を頼りに一粒ずつ絞り上げ、藍や草木染料で染色した後に糸を解くと、絞りの技法に応じた多様な白抜き模様と独特のしぼ(凹凸)が現れる。
Process
制作工程
全6工程
- 1
図案設計
百種以上の絞り技法から最適な組み合わせを選び、模様の配置と技法の割り当てを設計する
- 2
下絵写し
白生地に図案の下絵を写し取り、括りや縫いを施す位置を正確に指示する印を付ける
- 3
絞り加工
蜘蛛絞り・三浦絞り・嵐絞りなどの技法で生地を針で縫い締めたり糸で括ったりして防染する
- 4
染色
絞り加工を施した生地を藍や草木染料の染液に浸し、所定の色に染め上げる
- 5
糸解き
染め上がった生地から括った糸や縫い糸を一つずつ丁寧に解き、白抜き模様を現す
- 6
湯のし仕上
糸を解いた生地に蒸気を当てて幅を整え、絞りの凹凸と模様が映える仕上げを行う
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
竹田 絞雲
伝統工芸士
竹田絞り店
1943年愛知県名古屋市緑区有松生まれ。本名・竹田清一。有松絞りの括り職人として65年以上のキャリアを持ち、百種類以上ある有松絞りの技法のうち50種以上を自在に操る。三浦絞り、杉綾絞り、嵐絞りなど高度な技法に熟達し、有松絞りの技術保存会の重鎮として後進の育成に尽力している。
制作哲学
絞りは布と糸と人の手だけで生まれる染色芸術。機械では決して再現できない手仕事の温もりと美しさを守り続ける。
“一粒の絞りには、四百年の有松の歴史が詰まっているのです。
近藤 ひなた
若手作家
HINATA SHIBORI DESIGN
1995年愛知県名古屋市天白区生まれ。文化服装学院でファッションデザインを学んだ後、有松絞りの可能性に魅せられて地元に戻る。伝統的な浴衣地の絞り染めを学びながら、絞りの立体的なテクスチャーを活かしたドレスやインテリアファブリックのデザインにも挑戦。パリの展示会にも出展し、国際的な評価を得ている。
制作哲学
有松絞りの「しぼ」が生む立体感は、唯一無二のテキスタイルデザイン。この魅力を世界に発信したい。
“絞りを解いた瞬間のドラマは、何度経験しても心が躍ります。
FAQ
よくある質問
有松絞・鳴海絞とは何ですか?▼
愛知県名古屋市有松・鳴海地区で生産される絞り染め。百種以上の絞り技法を持つ。
有松絞・鳴海絞の産地はどこですか?▼
有松絞・鳴海絞は愛知県で生産されている染色品です。
有松絞・鳴海絞の技法・特徴は?▼
有松絞・鳴海絞は、百種類以上の多彩な絞り技法を誇る。代表的な技法に、生地を針で縫い締める「縫い絞り」、糸で括る「括り絞り」、板で挟んで防染する「板締め絞り」、生地を折りたたんで圧着する「折り絞り」などがある。特に「蜘蛛絞り」「三浦絞り」「嵐絞り」は有松独自の技法として知られる。職人が指先の感覚を頼りに一粒ずつ絞り上げ、藍や草木染料で染色した後に糸を解くと、絞りの技法に応じた多様な白抜き模様と独特のしぼ(凹凸)が現れる。
有松絞・鳴海絞はどこで購入・体験できますか?▼
愛知県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。愛知県の工芸品については愛知県の伝統工芸品一覧もご覧ください。