人形・こけし
駿河雛具
するがひなぐ
静岡県で生産される雛人形の道具類。精緻なミニチュアの家具や調度品が特徴。
History
歴史
駿河雛具は静岡県静岡市で生産される雛人形に添える調度品や各種小道具類の総称で、その歴史は江戸時代にさかのぼる。徳川家康の駿府入城以来、静岡には多くの職人が集まり、漆器・木工・金属加工などの工芸技術が高度に発展した。これらの技術が雛飾りの道具製作に応用され、精巧な雛具が作られるようになった。箪笥・長持・鏡台・茶道具など、実物を精密に縮小した雛具は高い技術力の結晶であり、伝統的工芸品に指定されている。
Technique
技法
駿河雛具は実物の調度品を精密に縮小した木製品で、木工・漆塗り・蒔絵・金具付けなどの技法を駆使して制作される。箪笥や長持は薄い板を正確に加工し、引き出しや蓋がきちんと開閉するように組み立てる。表面には本漆を塗り、蒔絵や金箔で装飾を施す。鏡台・火鉢・重箱なども実物同様の構造で仕上げ、金具も銅板を型抜きして取り付ける。数センチの小さな道具に実用品と同じ工程を凝縮する技術は、静岡の工芸文化の精華といえる。
Process
制作工程
全7工程
- 1
木材選別
良質なスギやヒノキなどの木材を厳選し、雛具に適した薄い板材に精密に加工して十分に乾燥させる
- 2
木地加工
薄い板を寸分の狂いなく裁断・加工し、箪笥や長持など実物の調度品を忠実に縮小した部材を作る
- 3
組立て
引き出しや蓋がきちんと開閉するよう部材を精密に組み立て、実用品と同等の構造を極小サイズで再現する
- 4
漆塗り
組み上がった木地に本漆を下地から中塗り・上塗りまで丁寧に塗り重ね、深みのある美しい光沢を出す
- 5
蒔絵装飾
漆面に金粉や銀粉を用いて花鳥風月などの伝統的な蒔絵を数センチの小さな面に精緻に描き上げる
- 6
金具付け
銅板を型抜きして制作した極小の引手金具や飾り金具を、実物同様の位置に正確に取り付ける
- 7
仕上げ
金箔装飾を施した後に各道具の細部を丹念に点検し、実物と見紛う精巧な仕上がりに完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
石川 喜一郎
伝統工芸士
石川雛具製作所
静岡県静岡市で三代続く雛具職人の家系に生まれる。雛壇に飾る箪笥・鏡台・茶道具などのミニチュア調度品を四十五年以上にわたり制作。極めて精緻な木工技術と蒔絵の技法で、駿河雛具の最高峰と評される。
制作哲学
手のひらに乗る小さな道具にこそ、職人の全ての技が凝縮されます。小さいからこそ一切の妥協は許されません。
“指先ほどの箪笥の引き出しが滑らかに開く、その精度に職人の魂が宿ります。
村松 瑞希
若手職人
静岡県出身。木工を学ぶ専門学校を卒業後、駿河雛具の工房に弟子入りして七年。ミニチュア木工と蒔絵の技術を磨きながら、伝統的な雛道具に現代的な意匠を加えた作品で注目を集めている若手職人。
制作哲学
小さな雛道具の中に広がる精緻な世界を、次の世代にも届けたいと思っています。
“ミリ単位の仕事の中に、無限の可能性が詰まっています。
FAQ
よくある質問
駿河雛具とは何ですか?▼
静岡県で生産される雛人形の道具類。精緻なミニチュアの家具や調度品が特徴。
駿河雛具の産地はどこですか?▼
駿河雛具は静岡県で生産されている人形・こけしです。
駿河雛具の技法・特徴は?▼
駿河雛具は実物の調度品を精密に縮小した木製品で、木工・漆塗り・蒔絵・金具付けなどの技法を駆使して制作される。箪笥や長持は薄い板を正確に加工し、引き出しや蓋がきちんと開閉するように組み立てる。表面には本漆を塗り、蒔絵や金箔で装飾を施す。鏡台・火鉢・重箱なども実物同様の構造で仕上げ、金具も銅板を型抜きして取り付ける。数センチの小さな道具に実用品と同じ工程を凝縮する技術は、静岡の工芸文化の精華といえる。
駿河雛具はどこで購入・体験できますか?▼
静岡県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。静岡県の工芸品については静岡県の伝統工芸品一覧もご覧ください。