仏壇・仏具
飯山仏壇
いいやまぶつだん
長野県飯山市で生産される仏壇。豪雪地帯の風土が育んだ堅実な作りが特徴。
History
歴史
飯山仏壇は長野県飯山市を中心に生産される仏壇で、その起源は江戸時代初期にさかのぼる。飯山は古くから浄土真宗の信仰が篤い地域で、本願寺の末寺が数多く存在したことから「寺の町」とも呼ばれていた。豊富な雪解け水と良質な木材に恵まれ、冬場の農閑期に仏壇製造を手がける職人が増えたことで産地が形成された。1975年に伝統的工芸品に指定された。雪国ならではの堅牢な造りと、素朴ながらも荘厳な美しさが飯山仏壇の魅力である。
Technique
技法
飯山仏壇は木地・宮殿・彫刻・漆塗り・蒔絵・金箔押し・金具の七工程を専門職人が分業で製作する。木地にはスギやホオノキを使用し、豪雪地帯の寒暖差に耐える堅牢なほぞ組みで仕上げる。漆塗りは本漆を用い、寒冷な気候の中でゆっくり乾燥させることで強靭な塗膜を得る。飯山仏壇の特徴は宮殿部分の精緻な造りと、欄間に施される繊細な透かし彫りにある。金箔には上質なものを使用し、蒔絵には伝統的な花鳥風月の図柄を描いて荘厳に仕上げる。
Process
制作工程
全7工程
- 1
木地制作
スギやホオノキを豪雪地帯の激しい寒暖差に耐える堅牢なほぞ組みで仕上げ、丈夫な本体を制作する
- 2
宮殿制作
仏壇内部の宮殿を各宗派の様式に基づいて精密に組み上げ、精緻で繊細な造りを実現する
- 3
彫刻
欄間には飯山仏壇の特徴である繊細な透かし彫りを施し、花鳥風月の伝統的な文様を精緻に彫り上げる
- 4
漆塗り
本漆を丹念に塗り重ねた後、信州の寒冷な気候の中でゆっくり乾燥させ強靭で堅牢な塗膜を形成する
- 5
蒔絵
漆面に金粉を蒔いて花鳥風月の伝統的な図柄を精緻に描き、格調高い蒔絵の装飾を施す
- 6
金箔押し
上質な金箔を押し箔技法で一枚一枚丁寧に貼り付け、宮殿内部に荘厳な輝きを表現する
- 7
金具組立
錺金具を取り付けてすべての部品を組み立て、豪雪にも耐える堅牢な仏壇として完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
小林 勘太郎
伝統工芸士
小林宮殿工房
長野県飯山市に生まれ、飯山仏壇の宮殿師として四十五年以上の経験を持つ。日本有数の豪雪地帯・飯山で育まれた精緻な木工技術を継承し、仏壇内部の宮殿装飾において卓越した技を発揮する。長野県の伝統的工芸品産業功労者として表彰されている。
制作哲学
飯山仏壇は雪国の職人が冬の間に技を磨き上げてきた結晶です。雪に閉ざされた静寂の中でこそ、最も精緻な仕事が生まれます。
“豪雪が職人を鍛え、忍耐が技を磨く。飯山仏壇は雪の恵みです。
山岸 奏太
若手職人
長野県飯山市出身。信州大学で林学を学んだ後、地元の飯山仏壇の工房に弟子入り。木材の特性に関する知識を活かし、伝統的な木地づくりの技術を習得中。飯山の豊かな森林資源を活かした持続可能な仏壇づくりを目指している。
制作哲学
飯山の森と職人の技を未来に繋ぎ、この土地ならではの仏壇を作り続けたいです。
“雪の下で眠る木は、春に最も美しい木目を見せてくれます。
FAQ
よくある質問
飯山仏壇とは何ですか?▼
長野県飯山市で生産される仏壇。豪雪地帯の風土が育んだ堅実な作りが特徴。
飯山仏壇の産地はどこですか?▼
飯山仏壇は長野県で生産されている仏壇・仏具です。
飯山仏壇の技法・特徴は?▼
飯山仏壇は木地・宮殿・彫刻・漆塗り・蒔絵・金箔押し・金具の七工程を専門職人が分業で製作する。木地にはスギやホオノキを使用し、豪雪地帯の寒暖差に耐える堅牢なほぞ組みで仕上げる。漆塗りは本漆を用い、寒冷な気候の中でゆっくり乾燥させることで強靭な塗膜を得る。飯山仏壇の特徴は宮殿部分の精緻な造りと、欄間に施される繊細な透かし彫りにある。金箔には上質なものを使用し、蒔絵には伝統的な花鳥風月の図柄を描いて荘厳に仕上げる。
飯山仏壇はどこで購入・体験できますか?▼
長野県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。長野県の工芸品については長野県の伝統工芸品一覧もご覧ください。