織物
小千谷縮
おぢやちぢみ
新潟県小千谷市で生産される麻織物。独特のシボがあり夏の着物地として名高い。
History
歴史
小千谷縮は新潟県小千谷市で生産される麻の縮織物で、江戸時代初期の1670年頃、播州明石出身の堀次郎将俊が越後の良質な麻布に改良を加え、緯糸に強撚をかけて布面にしぼを出す縮の技法を考案したのが始まりとされる。以後、その技法は越後全域に広がり、最盛期には年間20万反以上が生産される一大産業となった。雪の上に布を広げて晒す「雪晒し」は、越後の冬の風物詩として広く知られている。江戸時代から夏の最高級衣料として武士や豪商に愛用され、1955年に国の重要無形文化財に指定された。越後の雪と水が育んだ日本を代表する麻織物である。
Technique
技法
小千谷縮は苧麻の手績み糸を使用し、緯糸に強い撚りをかけて織る麻の縮織物である。苧麻の繊維を一本一本手績みして糸を作り、緯糸には右撚りと左撚りの強撚糸を交互に配して地機(いざり機)で織り上げる。織り上がった布を温湯に浸し、手で丹念に揉むと、緯糸の撚りが戻ろうとする力で布面に独特の細かいしぼ(縮み)が均一に生まれる。仕上げとして春先に雪上に反物を広げて晒す「雪晒し」を行う。雪が溶ける際に発生するオゾンの漂白作用で布が白く清められる伝統的工程である。しぼにより肌離れが良く、夏に涼しい着心地となる。
Process
制作工程
全6工程
- 1
苧績み
苧麻の繊維を一本一本手績みして糸を作る。爪で細く裂いた繊維を結んで繋ぎ、長い糸に仕上げていく
- 2
撚糸
緯糸に右撚りと左撚りの強い撚りをかけて二種類の強撚糸を作り、しぼの原動力となる復元力を持たせる
- 3
染色
手績みした苧麻糸を所定の色に染め上げ、縞や格子、絣などの意匠に応じた色の糸を準備する
- 4
地機織り
地機(いざり機)に経糸を張り、右撚りと左撚りの強撚緯糸を交互に配して一段ずつ丹念に織り上げる
- 5
しぼ寄せ
織り上がった布を温湯に浸し手で丹念に揉んで、緯糸の撚りが戻る力で布面に独特の細かいしぼを均一に生み出す
- 6
雪晒し
春先に雪上に反物を広げて晒す伝統的工程を行い、雪が溶ける際に発生するオゾンの漂白作用で布を白く清める
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
丸山 庄一
伝統工芸士
丸山麻織物工房
新潟県小千谷市の麻織物の家に生まれ、苧麻を用いた小千谷縮の制作に五十年以上従事。雪晒しによる漂白と、強撚糸が生み出す独特のシボを極めた名匠として知られ、重要無形文化財の技術保持者に認定されている。
制作哲学
越後の雪の上に布を広げ、太陽と雪の力で白くする。自然の力を借りた仕上げこそ、小千谷縮の精髄である。
“「雪晒しの日、真っ白な雪原に広げた布が輝く光景は、何度見ても胸が震えます。」
小林 瑞穂
若手作家
麻の葉工房
東京都出身。夏の着物としての小千谷縮の涼やかさに惹かれ、小千谷に移住して修行を開始。麻素材の特性を活かした夏のワンピースやシャツなど、洋装にも展開する試みで注目を集めている。
制作哲学
天然の涼感を持つ小千谷縮は、エアコンに頼る時代だからこそ価値がある。自然素材の力を見直したい。
“「麻のシャリ感と縮のシボが肌に触れる感覚は、一度知ったらやめられません。」
FAQ
よくある質問
小千谷縮とは何ですか?▼
新潟県小千谷市で生産される麻織物。独特のシボがあり夏の着物地として名高い。
小千谷縮の産地はどこですか?▼
小千谷縮は新潟県で生産されている織物です。
小千谷縮の技法・特徴は?▼
小千谷縮は苧麻の手績み糸を使用し、緯糸に強い撚りをかけて織る麻の縮織物である。苧麻の繊維を一本一本手績みして糸を作り、緯糸には右撚りと左撚りの強撚糸を交互に配して地機(いざり機)で織り上げる。織り上がった布を温湯に浸し、手で丹念に揉むと、緯糸の撚りが戻ろうとする力で布面に独特の細かいしぼ(縮み)が均一に生まれる。仕上げとして春先に雪上に反物を広げて晒す「雪晒し」を行う。雪が溶ける際に発生するオゾンの漂白作用で布が白く清められる伝統的工程である。しぼにより肌離れが良く、夏に涼しい着心地となる。
小千谷縮はどこで購入・体験できますか?▼
新潟県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。新潟県の工芸品については新潟県の伝統工芸品一覧もご覧ください。