織物
桐生織
きりゅうおり
群馬県桐生市で生産される絹織物の総称。お召織や風通織など七つの技法を持つ。
History
歴史
桐生織は群馬県桐生市を中心に生産される絹織物で、1300年以上の歴史を持つとされる。伝承では奈良時代に始まり、南北朝時代の1333年、新田義貞が鎌倉幕府打倒の旗揚げをした際に桐生の白絹で軍旗を作ったという故事がある。この言い伝えが桐生織物の名声を高めた。江戸時代には「西の西陣、東の桐生」と並び称される日本有数の織物産地として大いに繁栄し、特にジャカード機(紋織機)の導入においては日本の織物産地の先駆けとなった。1977年に国の伝統的工芸品に指定され、お召織、緯錦織、経錦織、風通織、浮経織、経絣紋織、綟り織の七つの技法を含む総合的な織物産地として知られる。
Technique
技法
桐生織は七つの技法から構成される総合的な絹織物群である。お召織は強撚糸を用いたしぼ立ての先染め織物で上品な光沢を持つ。緯錦織は多彩な色の緯糸を使って豪華な錦模様を織り出す。経錦織は経糸の組織で模様を表現する高度な技法。風通織は二重組織で表裏の色が反転する。浮経織は経糸を浮かせて華やかな文様を出す。経絣紋織は経糸の絣と紋織りを組み合わせる。綟り織(もじりおり)は隣り合う経糸を互いに捩って透かし模様を生む夏向きの技法。いずれも先染めの絹糸を用い、手機やジャカード織機で精緻な文様を織り上げる。
Process
制作工程
全6工程
- 1
意匠設計
お召織・緯錦織・経錦織・風通織・浮経織・経絣紋織・綟り織の七技法から選択し、文様と組織を設計する
- 2
糸染め
絹糸を先染めの技法で所定の色に染め上げ、強撚糸や各種色糸など技法に応じた糸種を準備する
- 3
整経
染め上がった経糸を設計図に基づき所定の配列と本数に整え、各技法に応じた構成で織機に仕掛ける
- 4
紋意匠
ジャカード織機用の紋紙を作成し、複雑な文様を正確に織り出すための組織設計をプログラムする
- 5
織成
手機やジャカード織機で各技法の特性を活かして精緻な文様を織り上げ、錦や透かしなどの多様な表現を実現する
- 6
仕上げ
織り上がった反物を湯通しや蒸し、幅出しなどの仕上げ処理を行い、各技法に応じた風合いに整えて検反する
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
須藤 幸三郎
伝統工芸士
須藤織物
群馬県桐生市の機屋の家に生まれ、お召織り・風通織り・浮経織りなど桐生織の多彩な技法を五十年以上にわたり習得・実践。特にジャカード織機を用いた精緻な紋織りに秀で、帯地や着物地の制作で数多くの賞を受賞している。
制作哲学
桐生は千三百年の織物の歴史を持つ町。その長い伝統の一端を担える誇りを胸に、一反一反を織り上げる。
“「桐生織の多様さは、この町の職人たちが挑戦し続けてきた証。その精神を受け継ぎたいのです。」
飯塚 理沙
若手作家
織工房 RISA
群馬県前橋市出身。桐生織物の多様な技法に魅せられ、桐生の織物参考館での研修を経て独立。風通織りの二重組織を活かしたリバーシブルのストールや、インテリアファブリックの制作に取り組んでいる。
制作哲学
桐生織の七つの技法は、それぞれが一つの世界。すべてを学び、自由に組み合わせることで、新しい表現が生まれる。
“「一つの産地でこれだけ多くの技法がある場所は、世界でも珍しいと思います。」
FAQ
よくある質問
桐生織とは何ですか?▼
群馬県桐生市で生産される絹織物の総称。お召織や風通織など七つの技法を持つ。
桐生織の産地はどこですか?▼
桐生織は群馬県で生産されている織物です。
桐生織の技法・特徴は?▼
桐生織は七つの技法から構成される総合的な絹織物群である。お召織は強撚糸を用いたしぼ立ての先染め織物で上品な光沢を持つ。緯錦織は多彩な色の緯糸を使って豪華な錦模様を織り出す。経錦織は経糸の組織で模様を表現する高度な技法。風通織は二重組織で表裏の色が反転する。浮経織は経糸を浮かせて華やかな文様を出す。経絣紋織は経糸の絣と紋織りを組み合わせる。綟り織(もじりおり)は隣り合う経糸を互いに捩って透かし模様を生む夏向きの技法。いずれも先染めの絹糸を用い、手機やジャカード織機で精緻な文様を織り上げる。
桐生織はどこで購入・体験できますか?▼
群馬県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。群馬県の工芸品については群馬県の伝統工芸品一覧もご覧ください。