本塩沢

織物

本塩沢

ほんしおざわ

新潟県

新潟県南魚沼市で生産される絹織物。シボのある風合いと精緻な絣模様が特徴。

History

歴史

本塩沢は新潟県南魚沼市の塩沢地区で生産される絹織物で、越後上布の伝統を絹に応用した「塩沢お召」として江戸時代から知られてきた。江戸時代中期、越後縮の強撚技法を絹糸に転用して誕生し、しぼのある独特の風合いと精緻な絣模様を併せ持つ唯一無二の織物として発展した。江戸時代から粋人に好まれ、特に春から初夏、秋口の着物として重宝された。1976年に国の伝統的工芸品に指定されている。亀甲絣や十字絣、蚊絣などの細かい幾何学模様と、さらりとした清涼な肌触りが特徴の洗練された織物であり、越後の雪国文化が生んだ織物技術の精華のひとつである。

Technique

技法

本塩沢は経糸に生糸、緯糸に強撚の御召緯(おめしぬき)を用いた先染めの絹縮織物である。緯糸に一メートルあたり約2000〜3000回もの強い撚りをかけ、右撚りと左撚りを一本おきに交互に織り込むことが基本技法である。織り上がった後に温湯に浸してしぼ寄せを行うと、強撚糸の復元力によって布面全体に細かく均一なしぼが生まれる。絣模様は手括りまたは板締めの技法で作り、亀甲絣や蚊絣、十字絣などの精緻な柄を表現する。高機を使い一本一本手織りで仕上げる。しぼの凹凸が生む独特のシャリ感と清涼感が特徴で、肌に張り付かない爽やかな着心地を生む。

Process

制作工程

7工程

  1. 1

    強撚糸作り

    緯糸用の絹糸に一メートルあたり約二千から三千回もの強い撚りをかけ、右撚りと左撚りの御召緯を作る

  2. 2

    絣加工

    手括りまたは板締めの技法で絹糸に亀甲絣・蚊絣・十字絣などの精緻な模様を先染めで施す

  3. 3

    染色

    絣加工した糸を所定の色に染め上げ、括りや板で防染された部分を白く残して繊細な絣模様を生み出す

  4. 4

    整経

    経糸に生糸を所定の本数と長さに整え、高機に仕掛けるための経巻きと綜絖通しの準備を行う

  5. 5

    手織り

    高機で右撚りと左撚りの御召緯を一本おきに交互に織り込み、絣模様を正確に合わせながら丹念に手織りする

  6. 6

    しぼ寄せ

    織り上がった反物を温湯に浸してしぼ寄せを行い、強撚糸の復元力で布面全体に細かく均一なしぼを生み出す

  7. 7

    仕上げ

    しぼの状態を整えて幅出しと乾燥を行い、シャリ感のある清涼な風合いに仕上げて検反し製品とする

Artisans

この工芸を紡ぐ人々

中野 久雄

伝統工芸士

中野機業場

新潟県南魚沼市に生まれ、本塩沢(塩沢お召)の制作に四十五年以上従事。強撚糸によるシボと精緻な絣模様の両立という高度な技法を極め、越後の伝統的なお召織物の第一人者として知られる。

制作哲学

シボの深さと絣の細やかさ、その二つを同時に実現するのが本塩沢の難しさであり、醍醐味でもある。

「撚りの回数、湯揉みの加減、すべてが長年の勘。数値にできない感覚の世界です。」

岩崎 紗英

若手作家

紗織工房

新潟県南魚沼市出身。地元の織物産地で育ち、高校卒業後に本塩沢の修行を開始。シボの表情を活かした反物の制作に加え、本塩沢の端切れを活かした小物作りにも取り組み、若い世代への認知拡大を図っている。

制作哲学

本塩沢の独特の肌触りは、一度体験すれば忘れられない。まずは触れてもらうことから始めたい。

「シボのある布は肌に張り付かず、さらりとした着心地。この快適さをもっと伝えたいのです。」

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FAQ

よくある質問

本塩沢とは何ですか?

新潟県南魚沼市で生産される絹織物。シボのある風合いと精緻な絣模様が特徴。

本塩沢の産地はどこですか?

本塩沢新潟県で生産されている織物です。

本塩沢の技法・特徴は?

本塩沢は経糸に生糸、緯糸に強撚の御召緯(おめしぬき)を用いた先染めの絹縮織物である。緯糸に一メートルあたり約2000〜3000回もの強い撚りをかけ、右撚りと左撚りを一本おきに交互に織り込むことが基本技法である。織り上がった後に温湯に浸してしぼ寄せを行うと、強撚糸の復元力によって布面全体に細かく均一なしぼが生まれる。絣模様は手括りまたは板締めの技法で作り、亀甲絣や蚊絣、十字絣などの精緻な柄を表現する。高機を使い一本一本手織りで仕上げる。しぼの凹凸が生む独特のシャリ感と清涼感が特徴で、肌に張り付かない爽やかな着心地を生む。

本塩沢はどこで購入・体験できますか?

新潟県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。新潟県の工芸品については新潟県の伝統工芸品一覧もご覧ください。