工芸材料・工芸用具
金沢箔
かなざわはく
石川県金沢市で生産される金箔。国内金箔生産のほぼ全量を占める伝統的工芸材料。
History
歴史
金沢箔は石川県金沢市で生産される金箔・銀箔で、日本の金箔生産の99%以上を占める。その歴史は安土桃山時代にさかのぼり、加賀藩祖前田利家が文禄の役の際に箔の製造を奨励したことに始まる。江戸時代には幕府の金箔製造統制にもかかわらず、加賀藩は密かに箔打ちを続けた。明治以降は統制が解かれ、金沢は日本一の金箔産地として確固たる地位を築いた。1977年に伝統的工芸品に指定された。金沢の湿潤な気候が箔打ちに最適である。
Technique
技法
金沢箔の製造は「澄打ち」と呼ばれる工程が核心である。まず金の合金(金に微量の銀と銅を加えたもの)を溶かして薄い板にし、圧延機で薄く延ばす。これを「澄屋」で約6cm角に切り分け、「箔打ち紙」と呼ばれる特殊な和紙に挟んで、機械と手打ちで1万分の1ミリ(約0.1マイクロメートル)の薄さまで打ち延ばす。箔打ち紙は箔の品質を左右する重要な道具で、雁皮紙を柿渋と卵で加工して作る。仕上がった箔は竹製の箔箸で一枚ずつ丁寧に扱う。
Process
制作工程
全6工程
- 1
合金調合
金に微量の銀と銅を加えた合金を溶かし、目的の色味に応じた配合比率で金の合金を作る
- 2
延金
合金を圧延機で繰り返し薄く延ばし、約6センチメートル角の薄い金板に仕上げる
- 3
箔打ち紙
雁皮紙を柿渋と卵白で加工して箔打ち専用の和紙を作り、箔の品質を左右する重要な道具を準備する
- 4
澄打ち
金板を箔打ち紙に挟み、機械と手打ちで1万分の1ミリの薄さまで丹念に打ち延ばす
- 5
箔移し
打ち上がった極薄の金箔を竹製の箔箸で一枚ずつ慎重に取り出し、所定の大きさに切り揃える
- 6
検品包装
仕上がった金箔の厚さや色味を検品し、合紙に挟んで一枚ずつ丁寧に包装して製品化する
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
高田 善次郎
伝統工芸士
高田箔工房
石川県金沢市に生まれ、金箔打ちの世界に入って五十五年。一万分の一ミリという極薄の金箔を打ち延ばす「箔打ち」の技を極め、国内の金箔生産の九割以上を占める金沢箔の品質維持に貢献してきた。国の選定保存技術保持者にも認定されている。
制作哲学
金箔は目に見えないほどの薄さの中に、職人の技と魂のすべてが凝縮される。一打一打に心を込め、光を打つ。
“金箔の輝きは太陽の光を写し取ったもの。その神々しさを損なわぬよう、謙虚に打ち続けるのみです。
宮本 梨花
若手作家
箔彩工房 梨花
金沢美術工芸大学で工芸デザインを専攻し、在学中に金沢箔の奥深さに目覚める。卒業後、老舗の箔メーカーで技術を習得した後、金箔を用いたアクセサリーや現代アート作品の制作を開始。金沢21世紀美術館のワークショップ講師としても活動している。
制作哲学
金箔の持つ荘厳な美しさを、日常の中で気軽に楽しめる形に変えていきたい。
“金箔を貼る瞬間、息を止めて向き合う緊張感の中にこそ、この仕事の醍醐味があります。
FAQ
よくある質問
金沢箔とは何ですか?▼
石川県金沢市で生産される金箔。国内金箔生産のほぼ全量を占める伝統的工芸材料。
金沢箔の産地はどこですか?▼
金沢箔は石川県で生産されている工芸材料・工芸用具です。
金沢箔の技法・特徴は?▼
金沢箔の製造は「澄打ち」と呼ばれる工程が核心である。まず金の合金(金に微量の銀と銅を加えたもの)を溶かして薄い板にし、圧延機で薄く延ばす。これを「澄屋」で約6cm角に切り分け、「箔打ち紙」と呼ばれる特殊な和紙に挟んで、機械と手打ちで1万分の1ミリ(約0.1マイクロメートル)の薄さまで打ち延ばす。箔打ち紙は箔の品質を左右する重要な道具で、雁皮紙を柿渋と卵で加工して作る。仕上がった箔は竹製の箔箸で一枚ずつ丁寧に扱う。
金沢箔はどこで購入・体験できますか?▼
石川県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。石川県の工芸品については石川県の伝統工芸品一覧もご覧ください。