染色品
京鹿の子絞
きょうかのこしぼり
京都で生産される絞り染め。鹿の子模様を中心とした精緻な絞り技法が特徴。
History
歴史
京鹿の子絞は、奈良時代に中国大陸から伝来した纐纈(こうけち)を起源とし、平安時代には宮廷衣装の染色に用いられた。室町時代から桃山時代にかけて辻が花染として発展し、江戸時代には京都を中心に「疋田(ひった)絞り」や「一目(ひとめ)絞り」など多彩な絞り技法が確立された。精緻な鹿の子模様は贅沢品として幕府の奢侈禁止令の対象となるほど珍重された。昭和51年に伝統的工芸品の指定を受け、日本の絞り染めの最高峰として評価されている。
Technique
技法
京鹿の子絞は、生地を指先で一粒ずつ摘み、絹糸で固く括ることで防染し、染色後に糸を解いて模様を表す技法である。括りの技法には疋田絞り・一目絞り・傘巻き絞り・帽子絞りなど六十種以上がある。一反の総絞りには約十二万粒もの括り作業が必要で、熟練職人でも一年以上を要する。括った生地を染液に浸し、蒸して色を定着させた後、一粒ずつ糸を解くと、括られた部分が白く残り独特の凹凸と鹿の子模様が現れる。
Process
制作工程
全6工程
- 1
下絵写し
白生地に図案の下絵を写し取り、括りを施す位置と模様の配置を正確に決定する
- 2
括り作業
生地を指先で一粒ずつ摘み上げ、絹糸で固く括って防染する。一反に約十二万粒を要する
- 3
染色
括り終えた生地を染液に浸して所定の色に染め上げ、括った部分に染料が入らないようにする
- 4
蒸し定着
染色した生地を蒸し箱で蒸して染料を繊維に定着させ、色落ちしない堅牢な染めにする
- 5
糸解き
染め上がった生地から括った絹糸を一粒ずつ丁寧に解き、白く残った鹿の子模様を現す
- 6
湯のし仕上
糸を解いた生地に蒸気を当てて幅を整え、独特の凹凸と鹿の子模様が映える仕上げを行う
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
高倉 幸太郎
伝統工芸士
高倉絞染工房
1945年京都府京都市東山区生まれ。京鹿の子絞の括り職人として60年以上の経験を持つ。疋田絞、一目絞、帽子絞など多様な技法を極め、一反の絹布に数万粒もの絞りを施す精緻な仕事を手がける。京都府伝統産業優秀技術者に選ばれ、海外での実演や講演にも多数参加。
制作哲学
一粒一粒の絞りに魂を込める。括った糸を解いて白く浮かび上がる模様こそが、鹿の子絞の生命だ。
“何万粒と括っても、一粒たりとも手を抜くことはできない。それが絞りの道です。
村田 凛
若手作家
凛 shibori
1995年京都府京都市左京区生まれ。京都女子大学で被服学を学んだ後、京鹿の子絞の括り技術に感銘を受けて職人の道へ。伝統的な着物の絞り染めに加え、スカーフやストール、テーブルウェアなど現代的なアイテムへの絞り技法の応用に取り組んでいる。
制作哲学
指先で一粒ずつ括る手仕事の温もりと美しさを、日常に寄り添う形で伝えたい。
“括りを解いた瞬間に現れる模様は、毎回新鮮な驚きと喜びをくれます。
FAQ
よくある質問
京鹿の子絞とは何ですか?▼
京都で生産される絞り染め。鹿の子模様を中心とした精緻な絞り技法が特徴。
京鹿の子絞の産地はどこですか?▼
京鹿の子絞は京都府で生産されている染色品です。
京鹿の子絞の技法・特徴は?▼
京鹿の子絞は、生地を指先で一粒ずつ摘み、絹糸で固く括ることで防染し、染色後に糸を解いて模様を表す技法である。括りの技法には疋田絞り・一目絞り・傘巻き絞り・帽子絞りなど六十種以上がある。一反の総絞りには約十二万粒もの括り作業が必要で、熟練職人でも一年以上を要する。括った生地を染液に浸し、蒸して色を定着させた後、一粒ずつ糸を解くと、括られた部分が白く残り独特の凹凸と鹿の子模様が現れる。
京鹿の子絞はどこで購入・体験できますか?▼
京都府の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。京都府の工芸品については京都府の伝統工芸品一覧もご覧ください。