織物
琉球絣
りゅうきゅうがすり
沖縄県で生産される絣織物。約600種の図柄を持ち琉球王朝時代からの伝統がある。
History
歴史
琉球絣は沖縄県島尻郡南風原町を中心に生産される織物で、その起源は14〜15世紀の琉球王国時代に遡る。琉球王国が南方諸国との活発な海上交易を行っていた時代に、インドや東南アジアの絣(イカット)の技法が琉球に伝わり、沖縄独自の風土の中で独自の発展を遂げた。琉球の絣技法は後に薩摩を経由して日本本土に渡り、久留米絣や薩摩絣など各地の絣の源流となったとされる。王府時代には「御絵図帳」という公式の模様見本帳が作成され、600種以上の図柄が体系的に分類・記録された。1983年に国の伝統的工芸品に指定されている。
Technique
技法
琉球絣は絹糸または綿糸を用い、手括り技法で防染して絣模様を作り出す織物である。図案は琉球王府時代に編纂された「御絵図帳」に基づく伝統的な幾何学模様が基本で、トゥイグワー(鳥)、ミミチキトーニー(耳付き豆腐)、バンジョー(番匠金)、ヒキサギー(引き下げ)など、自然界や日常生活の道具に由来する約600種もの名付けられた図柄がある。絣糸は図案どおりに手括りで防染し、琉球藍や化学染料で染色する。高機を用い、投杼で手織りする。経緯の絣を正確に合わせる高度な技術と、南国の色彩感覚が融合した織物である。
Process
制作工程
全6工程
- 1
図案設計
御絵図帳に基づくトゥイグワーやミミチキトーニーなど約六百種の伝統図柄から模様を選び、絣の配置図を作成する
- 2
絣括り
図案どおりに絹糸または綿糸の所定位置を手括りで固く縛り、経緯の絣模様を防染するための処理を施す
- 3
染色
琉球藍や化学染料を用いて括った糸を繰り返し浸染し、括り部分を白く残しながら所定の色に染め上げる
- 4
整経
染め上がった経糸を所定の本数と配列に整え、高機に仕掛けるための経巻きと綜絖通しを行う
- 5
手織り
高機を用い投杼で緯糸を通しながら経緯の絣を正確に合わせ、南国の色彩感覚を活かした模様を織り出す
- 6
仕上げ
織り上がった反物を湯通しして糊を落とし、幅出しと検反を行って伝統的な幾何学模様の仕上がりを確認する
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
城間 盛昌
伝統工芸士
城間織物工房
沖縄県南風原町に生まれ、琉球絣の制作に五十年以上携わる。六百種類以上あるとされる琉球絣の図柄(御絵図帳)を熟知し、括り・染め・織りの全工程を高い水準で行う。沖縄県伝統工芸士として後進の指導にもあたっている。
制作哲学
琉球絣の模様一つ一つに意味がある。トゥイグワー(鳥)やミディ(水)の模様に込められた祈りを、正しく伝え続けたい。
“「御絵図帳に描かれた何百もの模様は、琉球の人々の暮らしと祈りの記録なのです。」
比嘉 美優
若手作家
絣工房 美風
沖縄県那覇市出身。沖縄県立芸術大学で染織を専攻し、南風原町の織元で修行を積む。伝統的な琉球絣の図柄を忠実に守りながらも、明るい色調のカジュアルな反物を提案し、若い世代の着物ファンから支持を得ている。
制作哲学
琉球絣の模様には沖縄の自然が映し出されている。その美しさを、もっと気軽に楽しめる形で届けたい。
“「沖縄の青い空と海を思い浮かべながら色を選ぶ。それが私の琉球絣です。」
FAQ
よくある質問
琉球絣とは何ですか?▼
沖縄県で生産される絣織物。約600種の図柄を持ち琉球王朝時代からの伝統がある。
琉球絣の産地はどこですか?▼
琉球絣は沖縄県で生産されている織物です。
琉球絣の技法・特徴は?▼
琉球絣は絹糸または綿糸を用い、手括り技法で防染して絣模様を作り出す織物である。図案は琉球王府時代に編纂された「御絵図帳」に基づく伝統的な幾何学模様が基本で、トゥイグワー(鳥)、ミミチキトーニー(耳付き豆腐)、バンジョー(番匠金)、ヒキサギー(引き下げ)など、自然界や日常生活の道具に由来する約600種もの名付けられた図柄がある。絣糸は図案どおりに手括りで防染し、琉球藍や化学染料で染色する。高機を用い、投杼で手織りする。経緯の絣を正確に合わせる高度な技術と、南国の色彩感覚が融合した織物である。
琉球絣はどこで購入・体験できますか?▼
沖縄県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。沖縄県の工芸品については沖縄県の伝統工芸品一覧もご覧ください。