その他繊維製品
京繍
きょうぬい
京都で生産される刺繍。絹糸や金銀糸による華やかで繊細な表現が特徴。
History
歴史
京繍は京都府で生産される日本刺繍の伝統工芸品で、その歴史は平安時代の宮廷文化にさかのぼる。仏教の伝来とともに大陸から刺繍の技法が伝わり、繍仏(しゅうぶつ)の制作を通じて高度な技術が発展した。平安時代には貴族の衣装や調度品の装飾として広く用いられ、室町時代以降は能装束や小袖の刺繍として花開いた。江戸時代には町人文化の中で着物の刺繍装飾が隆盛し、職人の技術がさらに磨かれた。1976年に伝統的工芸品に指定された。
Technique
技法
京繍は絹の生地に絹糸や金糸・銀糸を用いて手刺繍を施す技法である。刺繍台に生地を張り、下絵に従って一針一針手作業で刺していく。技法は「まつい縫い」「さがら縫い」「刺し縫い」「こま縫い」「菅縫い」など数十種類にのぼり、これらを組み合わせて立体的で華やかな表現を生み出す。絹糸は撚りの強弱を変えて使い分け、金駒縫いでは金糸を別の糸で留め付けて豪華な文様を描く。京繍の繊細で格調高い仕上がりは、和装の最高級装飾として珍重される。
Process
制作工程
全6工程
- 1
下絵描き
絹の生地に刺繍する図案の下絵を青花で丁寧に描き入れ、文様の配置と構成を決定する
- 2
生地張り
下絵を描いた絹の生地を刺繍台にしっかりと張り、針を通しやすい適度な張力に調整する
- 3
糸準備
絹糸や金糸・銀糸を選び、撚りの強弱を使い分けて刺繍に適した状態に整える
- 4
刺繍
まつい縫い・さがら縫い・刺し縫い・こま縫いなど数十種類の技法を駆使して一針一針手作業で刺す
- 5
金駒縫い
金糸を図案に沿って配置し、別の細い糸で留め付けていく金駒縫いの技法で豪華な文様を描く
- 6
仕上げ
刺繍が完成した生地を台から外し、裏面の糸始末を整え、蒸気を当てて形を美しく仕上げる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
河村 芳子
伝統工芸士
河村繍房
京都市で京繍の名家に生まれ、幼少期から針を握って育つ。絹糸・金銀糸を用いた刺繍技法を極め、着物・帯・袱紗・几帳など様々な作品を手がけてきた。平繍・まつい繍・相良繍など百種以上の技法を自在に操り、その精緻な刺繍は人間国宝級と評される。
制作哲学
一針一針に心を込める。京繍は絹糸で描く絵画であり、布の上に花を咲かせる芸術です。
“糸が布の上に置かれた時、そこに新しい命が生まれる。五十年経っても、その感動は色褪せません。
丸山 瑠衣
若手作家
繍工房 瑠衣
京都の美術工芸大学で染織を学んだ後、京繍の繊細さと表現力に惹かれ刺繍の世界へ。伝統的な技法の習得に励みながら、現代ファッションやアート作品への京繍の応用を模索している。着物だけにとどまらない刺繍の可能性を追求し、展覧会やファッションショーでの発表も行っている。
制作哲学
千年の都が育んだ刺繍の技を、新しい世紀の表現に昇華させたい。針と糸は最も自由な画材です。
“一本の絹糸から生まれる表現の幅広さに、日々驚かされています。
FAQ
よくある質問
京繍とは何ですか?▼
京都で生産される刺繍。絹糸や金銀糸による華やかで繊細な表現が特徴。
京繍の産地はどこですか?▼
京繍は京都府で生産されているその他繊維製品です。
京繍の技法・特徴は?▼
京繍は絹の生地に絹糸や金糸・銀糸を用いて手刺繍を施す技法である。刺繍台に生地を張り、下絵に従って一針一針手作業で刺していく。技法は「まつい縫い」「さがら縫い」「刺し縫い」「こま縫い」「菅縫い」など数十種類にのぼり、これらを組み合わせて立体的で華やかな表現を生み出す。絹糸は撚りの強弱を変えて使い分け、金駒縫いでは金糸を別の糸で留め付けて豪華な文様を描く。京繍の繊細で格調高い仕上がりは、和装の最高級装飾として珍重される。
京繍はどこで購入・体験できますか?▼
京都府の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。京都府の工芸品については京都府の伝統工芸品一覧もご覧ください。