その他繊維製品
加賀繍
かがぬい
石川県金沢市で生産される刺繍。絹糸や金銀糸を用いた華麗な技法が特徴。
History
歴史
加賀繍は石川県金沢市で生産される日本刺繍で、その歴史は室町時代にさかのぼる。加賀地方は浄土真宗の信仰が篤く、寺院の打敷や僧侶の袈裟に施す仏繍として発展した。江戸時代には加賀藩前田家の文化奨励策のもと、着物や帯の装飾刺繍として町人にも広まった。加賀友禅との相乗効果で独自の美意識が育まれ、繊細で落ち着いた色彩が特徴となった。1991年に伝統的工芸品に指定された。仏繍を起源とする気品ある刺繍として知られている。
Technique
技法
加賀繍は絹地に絹糸・金糸・銀糸を用いて手刺繍を施す技法で、刺繍台に生地を張り、下絵に沿って一針ずつ丁寧に刺していく。主な技法に「まつい縫い」「さがら縫い」「相良縫い」「肉入れ縫い」などがあり、これらを組み合わせて立体感のある表現を生み出す。加賀繍の特徴は「肉入れ」と呼ばれる技法で、綿を入れて立体的に浮き上がらせる刺繍が独特である。加賀五彩(藍・臙脂・草・黄土・古代紫)を基調とした落ち着いた配色が加賀繍の品格を生み出す。
Process
制作工程
全7工程
- 1
下絵描き
加賀五彩の配色を基調に文様の下絵を絹地に青花で丁寧に描き、刺繍の構成を計画する
- 2
生地張り
絹地を刺繍台にしっかりと張り、針の通りがよく均一な張力になるよう慎重に調整する
- 3
糸準備
藍・臙脂・草・黄土・古代紫などの色の絹糸と金糸・銀糸を選び、刺繍に適した状態に整える
- 4
肉入れ
立体的に浮き上がらせたい部分に綿を入れて盛り上げ、加賀繍独特の肉入れ技法で立体感を作る
- 5
刺繍
まつい縫い・さがら縫い・肉入れ縫いなどの技法を組み合わせ、一針ずつ丁寧に刺して文様を表現する
- 6
金銀糸入れ
金糸や銀糸を用いて文様に華やかなアクセントを加え、加賀繍の品格ある装飾を完成させる
- 7
仕上げ
刺繍が完了した絹地を台から外し、裏面の糸始末と全体の形を整えて最終的な品質を確認する
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
中川 富子
伝統工芸士
中川加賀繍工房
石川県金沢市に生まれ、加賀友禅と並ぶ金沢の伝統工芸である加賀繍の道に入り45年。仏教美術の修復から着物の刺繍まで幅広く手がけ、金銀糸を駆使した荘厳な表現を得意とする。加賀繍の特徴である立体的で華やかな刺繍技法の継承に生涯を捧げている。
制作哲学
加賀繍は祈りの芸術。仏前を飾る打敷に始まり、人々の想いを糸に託してきた。その精神を忘れてはなりません。
“金糸を繍い上げた瞬間、布の上に光が宿る。あの輝きこそが加賀繍の真髄です。
北村 彩華
若手作家
金沢市出身。美術大学で工芸を学んだ後、地元の加賀繍に魅了されて弟子入り。伝統的な技法を基盤としながら、現代のインテリアやファッションに取り入れられる加賀繍作品の制作に挑戦。金沢の四季をモチーフにした繊細な作品は、若い世代からも支持を得ている。
制作哲学
糸と針で描く加賀の美。伝統の技法に現代の感性を重ねることで、新しい加賀繍の世界を拓きたい。
“一針ごとに糸の表情が変わる。その微妙な変化をコントロールできた時、作品が生き始めるのです。
FAQ
よくある質問
加賀繍とは何ですか?▼
石川県金沢市で生産される刺繍。絹糸や金銀糸を用いた華麗な技法が特徴。
加賀繍の産地はどこですか?▼
加賀繍は石川県で生産されているその他繊維製品です。
加賀繍の技法・特徴は?▼
加賀繍は絹地に絹糸・金糸・銀糸を用いて手刺繍を施す技法で、刺繍台に生地を張り、下絵に沿って一針ずつ丁寧に刺していく。主な技法に「まつい縫い」「さがら縫い」「相良縫い」「肉入れ縫い」などがあり、これらを組み合わせて立体感のある表現を生み出す。加賀繍の特徴は「肉入れ」と呼ばれる技法で、綿を入れて立体的に浮き上がらせる刺繍が独特である。加賀五彩(藍・臙脂・草・黄土・古代紫)を基調とした落ち着いた配色が加賀繍の品格を生み出す。
加賀繍はどこで購入・体験できますか?▼
石川県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。石川県の工芸品については石川県の伝統工芸品一覧もご覧ください。