読谷山花織

織物

読谷山花織

よみたんざんはなおり

沖縄県

沖縄県読谷村で織られる花織。南方系の浮き織技法による華やかな模様が特徴。

History

歴史

読谷山花織は沖縄県中頭郡読谷村に伝わる織物で、約600年の歴史を持つ。15世紀頃、琉球王国が東南アジアと盛んに交易を行っていた大交易時代に、南方からもたらされた浮織技法が読谷の地に根づき独自の発展を遂げた。王府時代には貴族の礼装として珍重される格調高い織物であったが、明治以降の社会変動の中で技術が途絶えてしまった。1964年、地元の与那嶺貞氏らが古い裂地や文献の調査をもとに、約100年ぶりに復元に成功するという劇的な復活を遂げた。1976年に国の伝統的工芸品に指定され、与那嶺貞氏は後に人間国宝に認定されている。復活の物語は工芸史上に残る快挙として語り継がれている。

Technique

技法

読谷山花織は経糸を浮かせて立体的な花模様を織り出す浮織技法が最大の特徴である。花織の伝統的な模様には「銭花(ジンバナ)」「風車花(カジマヤーバナ)」「扇花(オージバナ)」などがあり、いずれも吉祥や幸福を祈る意味が込められている。絹や木綿の糸を素材とし、琉球藍の藍色、フクギの黄色、車輪梅の茶褐色などの天然染料で染色する。高機に花綜絖と呼ばれる模様専用の綜絖を加え、さらに紋棒を使って必要な糸を一本一本拾いながら、一段一段手作業で浮き模様を精確に織り込んでいく。高度な技術と根気を要する精緻な織物技法である。

Process

制作工程

6工程

  1. 1

    素材選定

    絹糸や木綿糸の中から花織に適した品質の糸を選び、経糸・緯糸・浮き糸それぞれに必要な量を準備する

  2. 2

    天然染色

    琉球藍で藍色、フクギで黄色、車輪梅で茶褐色に染め分け、花模様に用いる多彩な色糸を作り上げる

  3. 3

    整経

    染色した糸を設計図通りの配列で整経台に掛け、経糸を正確な本数と順序で織機用に準備する

  4. 4

    花綜絖準備

    高機に通常の綜絖に加えて花綜絖を取り付け、銭花や風車花などの浮き模様を織り出す仕組みを構成する

  5. 5

    糸拾い製織

    紋棒を使って経糸を一本一本手で拾い上げながら、一段ずつ浮き糸を正確な位置に織り込んでいく

  6. 6

    仕上げ検品

    織り上がった布の花模様の精度や色の発色を検品し、端処理や湯通しを行って最終的に仕上げる

Artisans

この工芸を紡ぐ人々

松田 清子

伝統工芸士

松田花織工房

沖縄県読谷村で生まれ育ち、戦後途絶えかけた読谷山花織の復興に尽力した先達のもとで修業。幾何学的な花模様を浮き織りで表現する高度な技法を40年以上にわたり磨き続けてきた。現在は読谷山花織事業協同組合の理事として後進の指導にあたっている。

制作哲学

一度途絶えかけた技を取り戻した先人たちの情熱を忘れず、花織の美しさを次の世代へ確実に手渡したい。

花織の一つひとつの浮き糸は、復興に懸けた先輩方の魂そのものです。

新垣 千尋

若手作家

那覇市出身。沖縄県立芸術大学で染織を専攻し、読谷山花織の精緻な美しさに惹かれて読谷村へ移住。伝統的な花模様を基本としつつ、南国の植物をモチーフにした新しい紋様の開発に挑戦している。

制作哲学

花織の「花」は、沖縄の自然そのもの。島の色彩を織物の中に咲かせたいと思っています。

経糸と緯糸の間から花が浮かび上がる瞬間、この技法の奥深さを実感します。

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FAQ

よくある質問

読谷山花織とは何ですか?

沖縄県読谷村で織られる花織。南方系の浮き織技法による華やかな模様が特徴。

読谷山花織の産地はどこですか?

読谷山花織沖縄県で生産されている織物です。

読谷山花織の技法・特徴は?

読谷山花織は経糸を浮かせて立体的な花模様を織り出す浮織技法が最大の特徴である。花織の伝統的な模様には「銭花(ジンバナ)」「風車花(カジマヤーバナ)」「扇花(オージバナ)」などがあり、いずれも吉祥や幸福を祈る意味が込められている。絹や木綿の糸を素材とし、琉球藍の藍色、フクギの黄色、車輪梅の茶褐色などの天然染料で染色する。高機に花綜絖と呼ばれる模様専用の綜絖を加え、さらに紋棒を使って必要な糸を一本一本拾いながら、一段一段手作業で浮き模様を精確に織り込んでいく。高度な技術と根気を要する精緻な織物技法である。

読谷山花織はどこで購入・体験できますか?

沖縄県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。沖縄県の工芸品については沖縄県の伝統工芸品一覧もご覧ください。