織物
読谷山ミンサー
よみたんざんみんさー
沖縄県読谷村で織られる木綿の帯地。素朴な風合いと幾何学模様が特徴。
History
歴史
読谷山ミンサーは沖縄県中頭郡読谷村に伝わる木綿の細帯で、約600年の歴史を持つとされる。琉球王国が東南アジア諸国と活発な海上交易を展開していた15世紀頃、南方の織物技術が読谷の地に伝わり独自に発展した。女性が愛する男性に想いを込めて贈る愛の証の帯として織られ、その模様には祈りと願いが込められていた。太平洋戦争で読谷村は激戦地となり、織物の伝統も壊滅的な打撃を受けた。しかし戦後、地域の工芸家たちが古い資料や記憶をもとに粘り強い調査と復元活動を行い、伝統を甦らせた。2006年に国の伝統的工芸品に指定され、八重山ミンサーとは異なる読谷独自の模様と技法が今も受け継がれている。
Technique
技法
読谷山ミンサーは木綿糸を素材とし、経畝織(たてうねおり)の技法で織る細帯である。経糸を多数密に配置し、太めの緯糸をしっかり打ち込むことで、経糸の色による模様が布面に鮮明に浮かび上がる構造となっている。グージ(花模様)と呼ばれる菱形や十字形の幾何学的な紋様が特徴で、八重山ミンサーの五つ四つ模様とは異なる独自の意匠体系を持つ。琉球藍やフクギ、車輪梅などの沖縄の天然染料で染めた色鮮やかな糸を用い、高機で手織りする。帯幅は約10センチ前後の細帯で、多数の綜絖を操作して複雑な模様を織り出す。
Process
制作工程
全6工程
- 1
素材準備
木綿糸を経糸と緯糸に必要な量だけ準備し、織幅約10センチの細帯に適した糸の太さを選別する
- 2
天然染色
琉球藍やフクギ、車輪梅など沖縄産の天然染料を煮出し、木綿糸を繰り返し浸して鮮やかな色に染め上げる
- 3
経糸整経
染め上がった経糸を多数密に配置し、グージ模様の配色計画に従って整経台で正確に並べ揃える
- 4
綜絖準備
菱形や十字形のグージ模様を織り出すため、多数の綜絖に経糸を一本ずつ通して模様の仕組みを作る
- 5
製織
高機を用い、太めの緯糸をしっかりと打ち込みながら経畝織の技法で経糸の色模様を鮮明に浮き出させる
- 6
仕上げ
織り上がった細帯の端処理を行い、模様や織り目の検品をして帯としての仕上げを完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
知花 トミ
伝統工芸士
知花織物工房
沖縄県読谷村に生まれ、母から受け継いだ織りの技を60年以上にわたり守り続けている。五つと四つの絣模様に込められた「いつの世までも」の想いを大切に、一本一本心を込めて織り上げる。県指定無形文化財の技術保持者として認定されている。
制作哲学
ミンサーの模様には、人と人を結ぶ祈りが込められている。その祈りを途絶えさせないことが、織り手としての責任です。
“五つ四つの模様を織るたびに、先人たちの想いが指先を通じて伝わってくるのを感じます。
比嘉 美月
若手作家
読谷村出身。県外の大学でプロダクトデザインを学んだ後、故郷のミンサー織に新たな価値を見出し帰郷。伝統的な絣模様を活かしながら、アクセサリーやインテリア小物など現代のライフスタイルに合う製品を手がけている。
制作哲学
沖縄の風土と先人の知恵が詰まったミンサーを、日常の中で身近に感じてもらえる形にしたい。
“ミンサーの模様には愛の物語がある。その物語を現代に届けるのが私の役割です。
FAQ
よくある質問
読谷山ミンサーとは何ですか?▼
沖縄県読谷村で織られる木綿の帯地。素朴な風合いと幾何学模様が特徴。
読谷山ミンサーの産地はどこですか?▼
読谷山ミンサーは沖縄県で生産されている織物です。
読谷山ミンサーの技法・特徴は?▼
読谷山ミンサーは木綿糸を素材とし、経畝織(たてうねおり)の技法で織る細帯である。経糸を多数密に配置し、太めの緯糸をしっかり打ち込むことで、経糸の色による模様が布面に鮮明に浮かび上がる構造となっている。グージ(花模様)と呼ばれる菱形や十字形の幾何学的な紋様が特徴で、八重山ミンサーの五つ四つ模様とは異なる独自の意匠体系を持つ。琉球藍やフクギ、車輪梅などの沖縄の天然染料で染めた色鮮やかな糸を用い、高機で手織りする。帯幅は約10センチ前後の細帯で、多数の綜絖を操作して複雑な模様を織り出す。
読谷山ミンサーはどこで購入・体験できますか?▼
沖縄県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。沖縄県の工芸品については沖縄県の伝統工芸品一覧もご覧ください。