久米島紬

織物

久米島紬

くめじまつむぎ

沖縄県

沖縄県久米島で生産される紬織物。天然染料と手織りによる素朴な風合いが特徴。

History

歴史

久米島紬は沖縄県久米島で織られる紬織物で、その歴史は15世紀に遡る。1429年頃、堂の比屋という人物が中国に渡り養蚕と織物の技術を持ち帰ったのが始まりとされる。琉球王府時代には御用布として貢納され、薩摩藩支配下でも上納布として重用された。江戸時代には薩摩を通じて本土に渡り「琉球紬」として珍重され、紬織物の技術が各地に伝播する源流のひとつともなった。久米島の豊かな自然から得られる染料と島の女性たちの高い技術により、独自の風合いを持つ紬が織り続けられてきた。2004年に国の重要無形文化財に指定され、全工程を島内で行う一貫生産体制が高く評価されている。

Technique

技法

久米島紬は島の天然素材のみで染織する点が最大の特徴である。真綿から手紡ぎした紬糸を、島に自生するサルトリイバラ(グール)、車輪梅(テカチ)、フクギ、ユウナなどの植物染料や泥染めで染色する。泥染めは車輪梅で繰り返し煮染めした糸を田んぼの泥に浸し、植物タンニンと泥中の鉄分が化学結合して深い黒褐色を生み出す技法である。染め上がった糸を高機にかけ、手投杼で一反ずつ丁寧に織り上げる。絣模様は手括りで防染し、素朴で温かみのある風合いを生む。栽培から織りまで島内完結の工程が特色である。

Process

制作工程

7工程

  1. 1

    糸紡ぎ

    真綿を指先で丁寧に引き出しながら撚りをかけて手紡ぎし、紬糸を作る。一反分の糸を紡ぐには長い時間を要する

  2. 2

    絣括り

    図案に基づき紬糸の所定の位置を手括りで固く縛り、染色時に染料が入らないよう防染処理を施して絣模様を準備する

  3. 3

    植物染色

    島に自生するサルトリイバラ、車輪梅、フクギ、ユウナなどの植物を煮出した染液に糸を繰り返し浸して染色する

  4. 4

    泥染め

    車輪梅で煮染めした糸を田んぼの泥に浸し、植物タンニンと泥中の鉄分の化学結合により深い黒褐色を発色させる

  5. 5

    整経

    染め上がった経糸を所定の本数と長さに整え、高機にかけるための経巻きと綜絖通しの準備作業を行う

  6. 6

    手織り

    高機に経糸を張り、手投杼で緯糸を一段ずつ通しながら絣模様を正確に合わせて丹念に織り上げていく

  7. 7

    仕上げ

    織り上がった反物を湯通しして糊を落とし、天日で乾燥させた後に検反を行い、風合いと模様の仕上がりを確認する

Artisans

この工芸を紡ぐ人々

仲里 清子

伝統工芸士

仲里織物工房

沖縄県久米島町に生まれ、母と祖母から紬織りの手ほどきを受ける。島に自生する植物染料のみを用い、泥染めや車輪梅染めなど古来の技法を守り続けて四十年以上。県の無形文化財保持者に認定されている。

制作哲学

久米島の土、風、水が布に宿る。島の自然そのものを纏う——それが久米島紬の本質である。

「この島の泥で染めた糸には、何百年もの土地の記憶が染み込んでいるのです。」

上原 拓也

若手作家

那覇市出身。大学卒業後、IT企業に勤務していたが、久米島紬の美しさに魅せられて転身。久米島紬事業協同組合の研修を経て独立し、男性用の紬製品の開発にも取り組んでいる。

制作哲学

島の自然と対話しながら糸を染め、織ることで、都会では得られない豊かさを布に込めたい。

「久米島紬は、島の暮らしそのもの。織ることは、この島で生きることと同じです。」

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FAQ

よくある質問

久米島紬とは何ですか?

沖縄県久米島で生産される紬織物。天然染料と手織りによる素朴な風合いが特徴。

久米島紬の産地はどこですか?

久米島紬沖縄県で生産されている織物です。

久米島紬の技法・特徴は?

久米島紬は島の天然素材のみで染織する点が最大の特徴である。真綿から手紡ぎした紬糸を、島に自生するサルトリイバラ(グール)、車輪梅(テカチ)、フクギ、ユウナなどの植物染料や泥染めで染色する。泥染めは車輪梅で繰り返し煮染めした糸を田んぼの泥に浸し、植物タンニンと泥中の鉄分が化学結合して深い黒褐色を生み出す技法である。染め上がった糸を高機にかけ、手投杼で一反ずつ丁寧に織り上げる。絣模様は手括りで防染し、素朴で温かみのある風合いを生む。栽培から織りまで島内完結の工程が特色である。

久米島紬はどこで購入・体験できますか?

沖縄県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。沖縄県の工芸品については沖縄県の伝統工芸品一覧もご覧ください。