金工品
東京銀器
とうきょうぎんき
東京で生産される銀製品。鍛金や彫金の技法による食器や装身具が特徴。
History
歴史
東京銀器は、江戸時代から続く銀製品の伝統工芸品である。徳川家康の江戸開府に伴い、全国から金銀細工師が江戸に集まったことが起源とされる。江戸時代には簪(かんざし)や帯留めなどの装身具、煙管、銀瓶などが製作され、町人文化の発展とともに需要が拡大した。明治以降は西洋の技法も取り入れ、洋食器やティーセットなど新たな製品も手がけるようになった。1979年に伝統的工芸品に指定され、現在も台東区や荒川区を中心に職人が一点一点手作りで銀器を製作している。
Technique
技法
東京銀器の製造技法は大きく「鍛金」「彫金」「鋳金」に分類される。鍛金では、銀の板材を金鎚と当て金を使い、打ち出しによって立体的な器の形を成形する。一枚の銀板から継ぎ目なく器を作り上げる「一枚打ち」は高度な技術を要する。銀は加工硬化するため、途中で「焼き鈍し」を繰り返しながら成形する。彫金では鏨(たがね)を用いて表面に精緻な模様を彫り込む。仕上げには「いぶし銀」の技法で硫化処理を施し、深みのある色合いを出すこともある。
Process
制作工程
全6工程
- 1
銀材準備
純銀や銀合金の板材を必要な大きさに切り出し、鍛金・彫金・鋳金の技法に合わせて素材を準備する
- 2
鍛金成形
銀板を当て金の上に置き、金鎚で繰り返し打ち出して一枚の板から継ぎ目なく立体的な器の形に成形する
- 3
焼き鈍し
加工硬化した銀を適温で加熱して柔らかさを回復させ、再び鎚打ちが可能な状態に戻す作業を繰り返す
- 4
成形仕上げ
鎚打ちと焼き鈍しを繰り返して最終的な器の形状を完成させ、口縁や底部の形を精密に整える
- 5
彫金装飾
鏨を用いて器の表面に花鳥風月などの精緻な模様を彫り込み、銀器としての芸術性を高める
- 6
表面仕上げ
研磨して銀の輝きを引き出すか、いぶし銀の硫化処理で深みのある色合いに仕上げて完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
上田 銀蔵
伝統工芸士
上田銀器製作所
東京都台東区に生まれ、江戸時代から続く銀器製作の伝統を受け継ぐ鍛金師。一枚の銀板を槌で打ち出して器を形づくる鍛金技法の名手として知られ、50年以上のキャリアを持つ。銀の急須や花器は国内外のコレクターから高い評価を受けている。
制作哲学
銀は叩くほどに締まり、美しく輝く。槌目の一つひとつに職人の心が映る、それが東京銀器の真髄です。
“銀板に向き合い、数千回の槌を振るう。その果てに、銀が器として生まれ変わる瞬間が訪れます。
小野 紗季
若手作家
Atelier Ono
東京都出身。美術大学で金属工芸を専攻し、東京銀器の鍛金技法に感銘を受けて職人の道へ。伝統的な銀器の制作を学びながら、現代のテーブルウェアやアクセサリーに銀の美しさを取り入れた作品を発表。若手工芸家の展示会で注目を集めている。
制作哲学
銀の持つ清らかな輝きを、日々の暮らしの中に取り入れてほしい。特別な日だけでなく、日常で使える銀器を目指しています。
“銀を打つ音は、江戸の職人たちと同じリズム。その響きに背中を押されています。
FAQ
よくある質問
東京銀器とは何ですか?▼
東京で生産される銀製品。鍛金や彫金の技法による食器や装身具が特徴。
東京銀器の産地はどこですか?▼
東京銀器は東京都で生産されている金工品です。
東京銀器の技法・特徴は?▼
東京銀器の製造技法は大きく「鍛金」「彫金」「鋳金」に分類される。鍛金では、銀の板材を金鎚と当て金を使い、打ち出しによって立体的な器の形を成形する。一枚の銀板から継ぎ目なく器を作り上げる「一枚打ち」は高度な技術を要する。銀は加工硬化するため、途中で「焼き鈍し」を繰り返しながら成形する。彫金では鏨(たがね)を用いて表面に精緻な模様を彫り込む。仕上げには「いぶし銀」の技法で硫化処理を施し、深みのある色合いを出すこともある。
東京銀器はどこで購入・体験できますか?▼
東京都の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。東京都の工芸品については東京都の伝統工芸品一覧もご覧ください。