金工品
山形鋳物
やまがたいもの
山形県山形市で生産される鋳物。薄肉で繊細な鋳造技術が特徴の鉄器や銅器。
History
歴史
山形鋳物は900年以上の歴史を有する伝統工芸品である。平安時代後期の1086年、源頼義が前九年の役の帰途に山形に鋳物師を連れてきたことが起源とされる。室町時代には山形城下の銅町に鋳物師が集住し、鍋釜などの日用品を生産した。江戸時代には最上義光の保護のもと、茶釜や梵鐘などの製造で発展を遂げた。明治以降は近代的な鋳造技術も取り入れながら、伝統的な「薄肉鋳造」の技術を守り続けている。1975年に伝統的工芸品に指定され、茶釜や鉄瓶、花器など多彩な製品を生み出している。
Technique
技法
山形鋳物の特徴は「薄肉鋳造」と呼ばれる精緻な技術にある。鋳型には生砂型と焼型の二種類があり、茶釜などの高級品には焼型を用いる。焼型法では、砂と粘土で作った鋳型を高温で焼き固め、精密な紋様を再現する。溶湯は銑鉄を約1400度で溶解して鋳型に注ぐ。山形鋳物は肉厚が薄く均一であることが特徴で、これにより軽量で熱伝導に優れた製品となる。仕上げには「金気止め」の焼成処理や漆塗り、着色などを施し、独特の風格ある表面に仕上げる。
Process
制作工程
全6工程
- 1
鋳型製作
生砂型または焼型の技法で砂と粘土を用いて鋳型を作り、茶釜など高級品には焼型法を採用する
- 2
紋様施工
鋳型の内面に伝統的な紋様を精密に彫り込み、鋳造後の製品表面に美しい意匠が現れるよう準備する
- 3
鋳型焼成
焼型の場合は鋳型を高温で焼き固め、精密な紋様を再現できる強度と耐熱性を持たせる
- 4
鋳込み
銑鉄を約1400度で溶解して鋳型に注ぎ込み、薄肉で均一な肉厚となるよう慎重に鋳造する
- 5
型出し仕上げ
冷却後に鋳型から製品を取り出し、バリ取りや表面の研磨を丁寧に行って形を整える
- 6
金気止め
焼成処理で金気を止めた後、漆塗りや着色を施して独特の風格ある表面に仕上げる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
長谷川 清一
伝統工芸士
長谷川鋳金工房
山形県山形市銅町に生まれ、900年以上の歴史を持つ山形鋳物の技を受け継ぐ鋳物師。薄肉の鉄瓶や茶の湯釜を得意とし、繊細な鋳肌の美しさで知られる。伝統工芸士として45年以上のキャリアを持ち、山形鋳物の技術保存に尽力している。
制作哲学
山形鋳物の薄さと軽さは、鋳物師の技の証。砂型に魂を込め、鉄に命を吹き込む仕事です。
“溶けた鉄が型に流れ込む瞬間、千年の技が生きているのを感じます。
鈴木 大地
若手作家
山形県山形市出身。東北芸術工科大学で工芸を学び、山形鋳物の鋳造技術に魅了され職人の道へ。伝統的な鉄瓶の制作技術を学びながら、現代的なデザインの鋳物インテリア製品や照明器具の開発に取り組んでいる。
制作哲学
山形鋳物の精密な鋳造技術を活かせば、鉄の可能性はもっと広がる。新しい用途を開拓したい。
“鋳物は引き算の美学。型に込めた想いが、そのまま鉄の形になります。
FAQ
よくある質問
山形鋳物とは何ですか?▼
山形県山形市で生産される鋳物。薄肉で繊細な鋳造技術が特徴の鉄器や銅器。
山形鋳物の産地はどこですか?▼
山形鋳物は山形県で生産されている金工品です。
山形鋳物の技法・特徴は?▼
山形鋳物の特徴は「薄肉鋳造」と呼ばれる精緻な技術にある。鋳型には生砂型と焼型の二種類があり、茶釜などの高級品には焼型を用いる。焼型法では、砂と粘土で作った鋳型を高温で焼き固め、精密な紋様を再現する。溶湯は銑鉄を約1400度で溶解して鋳型に注ぐ。山形鋳物は肉厚が薄く均一であることが特徴で、これにより軽量で熱伝導に優れた製品となる。仕上げには「金気止め」の焼成処理や漆塗り、着色などを施し、独特の風格ある表面に仕上げる。
山形鋳物はどこで購入・体験できますか?▼
山形県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。山形県の工芸品については山形県の伝統工芸品一覧もご覧ください。