人形・こけし
岩槻人形
いわつきにんぎょう
埼玉県さいたま市岩槻区で生産される人形。雛人形の一大産地として知られる。
History
歴史
岩槻人形は埼玉県さいたま市岩槻区で生産される人形で、その歴史は江戸時代中期にさかのぼる。日光東照宮の造営に携わった工匠たちが岩槻に定住し、人形製造を始めたという伝承がある。岩槻は桐の産地に近く、人形の頭部に使う桐塑の原料入手が容易であった。江戸時代後期には人形の一大産地として発展し、「人形のまち岩槻」の名が全国に知られるようになった。2007年に伝統的工芸品に指定され、雛人形・五月人形の主要産地として生産が続く。
Technique
技法
岩槻人形は主に頭・胴体・手足・衣装の各工程に分かれて製作される。頭部は桐塑(桐の粉と生麩糊を練り合わせたもの)を型に詰めて成形し、十分に乾燥させた後に胡粉を十数回塗り重ねて滑らかで美しい白い肌に仕上げる。面相は細い筆で目・眉・口を描き入れ、髪にはスガ糸を植毛する。胴体は藁や木を芯にして作り、衣装は正絹の裂地を裁断して手作業で着付ける。岩槻人形の特徴は胡粉仕上げの美しい肌合いと丁寧な衣装の着付けにある。
Process
制作工程
全7工程
- 1
頭部成形
桐の粉と生麩糊を練り合わせた桐塑を型に詰めて頭部を成形し、十分な時間をかけて乾燥させる
- 2
胡粉塗り
乾燥した頭部に胡粉を十数回にわたり塗り重ね、一回ごとに丁寧に研磨して滑らかで美しい白肌に仕上げる
- 3
面相描き
極細の面相筆を使い目・眉・口を繊細かつ丹念に描き入れ、穏やかで品格のある表情を作り上げる
- 4
髪付け
スガ糸と呼ばれる絹糸を頭部に一束ずつ植毛し、伝統的な結髪技法で美しい髪型に整えて糊で固定する
- 5
胴体制作
藁や木を芯にして胴体を組み上げ、衣装を着せるための土台となる適切な形と大きさに整える
- 6
衣装着付
正絹の裂地を裁断して一枚一枚手作業で丁寧に着付け、襟元や袖口の重なりを美しく整える
- 7
仕上げ
頭部・胴体・手足を組み合わせて檜扇などの小道具を持たせ、全体のバランスを最終的に調整する
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
小林 勝美
伝統工芸士
小林頭工房
埼玉県さいたま市岩槻区に生まれ、十七歳から岩槻人形の制作に従事。桐塑頭の技法を極め、雛人形の頭師として五十年以上のキャリアを持つ。岩槻人形協同組合の重鎮として、産地の発展と技術伝承に尽力している。
制作哲学
人形の命は顔にあります。一筆一筆に心を込め、見る人が思わず微笑むような表情を追い求めています。
“千体作っても同じ顔は二つとない。それが手仕事の尊さです。
鈴木 彩花
若手作家
埼玉県出身。女子美術大学で工芸を学んだ後、岩槻の人形工房で修業。伝統的な桐塑頭の技法を基本としながら、現代的な感性を取り入れた雛人形の制作で注目を集めている。若手工芸作家展で新人賞を受賞した。
制作哲学
岩槻人形の繊細な美しさを現代に活かし、家族の絆を見守る人形を作り続けたいです。
“人形づくりは対話です。素材と、伝統と、そして未来の持ち主との。
FAQ
よくある質問
岩槻人形とは何ですか?▼
埼玉県さいたま市岩槻区で生産される人形。雛人形の一大産地として知られる。
岩槻人形の産地はどこですか?▼
岩槻人形は埼玉県で生産されている人形・こけしです。
岩槻人形の技法・特徴は?▼
岩槻人形は主に頭・胴体・手足・衣装の各工程に分かれて製作される。頭部は桐塑(桐の粉と生麩糊を練り合わせたもの)を型に詰めて成形し、十分に乾燥させた後に胡粉を十数回塗り重ねて滑らかで美しい白い肌に仕上げる。面相は細い筆で目・眉・口を描き入れ、髪にはスガ糸を植毛する。胴体は藁や木を芯にして作り、衣装は正絹の裂地を裁断して手作業で着付ける。岩槻人形の特徴は胡粉仕上げの美しい肌合いと丁寧な衣装の着付けにある。
岩槻人形はどこで購入・体験できますか?▼
埼玉県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。埼玉県の工芸品については埼玉県の伝統工芸品一覧もご覧ください。