琉球びんがた

染色品

琉球びんがた

りゅうきゅうびんがた

沖縄県

沖縄県で生産される型染め。鮮やかな色彩と大胆な模様が特徴の染色技法。

History

歴史

琉球びんがたは、沖縄で生まれた伝統的な型染めの技法で、その起源は14〜15世紀の琉球王国時代に遡る。中国・東南アジア・日本本土との交易を通じて多様な染色技術を吸収し、琉球独自の華やかな染色芸術として発展した。王府の保護のもと首里を中心に制作され、王族や士族の礼装として用いられた。明治の琉球処分や沖縄戦で壊滅的な打撃を受けたが、城間栄喜・知念績弘ら先人の努力で復興を果たした。昭和59年に伝統的工芸品に指定されている。

Technique

技法

琉球びんがたは、型紙を用いる「型びんがた」と筆で直接描く「筒描きびんがた」の二つの技法がある。型びんがたでは、柿渋紙に文様を彫った型紙を生地に置き、大豆の搾り汁と石灰を混ぜた防染糊をヘラで塗布する。次に顔料を豆汁で溶いた色料を筆で差し、隈取りと呼ばれるぼかしの技法で立体感を出す。色差し後に糊を伏せて地染めを行い、水洗いで糊を除去する。南国の強い日差しを反映した鮮やかな黄色・赤・青を基調とし、熱帯の花鳥や波・雲などの自然文様が特徴である。

Process

制作工程

7工程

  1. 1

    型紙彫り

    柿渋で強化した和紙に文様のデザインを描き、小刀を用いて精密に彫り抜いて型紙を作成する

  2. 2

    型置き

    型紙を生地の上に置き、大豆の搾り汁と石灰を混ぜた防染糊をヘラで塗布して文様部分を防染する

  3. 3

    色差し

    顔料を豆汁で溶いた色料を筆で文様の各部分に丁寧に差し、南国らしい鮮やかな黄・赤・青の色彩を表現する

  4. 4

    隈取り

    色差しした文様の縁に濃い色をぼかし入れ、立体感と奥行きのある陰影をつけて花鳥や自然文様を生き生きと表現する

  5. 5

    糊伏せ

    色差しと隈取りを終えた文様の上に防染糊を伏せ塗りし、地染め工程で文様部分に地色が染まらないよう保護する

  6. 6

    地染め

    文様以外の地の部分に染料を刷毛で均一に塗り、作品全体の背景色を染め上げて文様との対比を際立たせる

  7. 7

    水洗い

    染め上がった生地を水中で丁寧に洗い、防染糊を完全に除去して鮮やかな文様と地色を美しく仕上げる

Artisans

この工芸を紡ぐ人々

城間 栄松

伝統工芸士

城間びんがた工房

1950年沖縄県那覇市生まれ。琉球王朝時代から続くびんがたの名門に生まれ、父の指導のもと幼少期から紅型の世界に親しんだ。型彫りから色差しまで全工程を一人でこなし、国の重要無形文化財保持者の技を間近に学んだ経験を持つ。

制作哲学

琉球の太陽と海が育んだ鮮やかな色彩は、沖縄の人々の魂そのものである。型紙に刻む一刀一刀に、先人たちの祈りを込めている。

びんがたの色は、沖縄の光の中でこそ本当の輝きを見せるのです。

新垣 美咲

若手作家

紅型工房 美ら彩

1994年沖縄県浦添市生まれ。沖縄県立芸術大学で染織を専攻し、在学中から琉球びんがたの制作に没頭した。卒業後は首里の工房で修業を積み、2022年に独立。沖縄の植物や海洋生物をモチーフにした新しいびんがた作品で注目を集めている。

制作哲学

先人から受け継いだ技法を大切にしながら、今の沖縄の風景や想いを紅型で表現したい。

型紙を彫るとき、私は沖縄の自然と対話しているような気持ちになります。

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FAQ

よくある質問

琉球びんがたとは何ですか?

沖縄県で生産される型染め。鮮やかな色彩と大胆な模様が特徴の染色技法。

琉球びんがたの産地はどこですか?

琉球びんがた沖縄県で生産されている染色品です。

琉球びんがたの技法・特徴は?

琉球びんがたは、型紙を用いる「型びんがた」と筆で直接描く「筒描きびんがた」の二つの技法がある。型びんがたでは、柿渋紙に文様を彫った型紙を生地に置き、大豆の搾り汁と石灰を混ぜた防染糊をヘラで塗布する。次に顔料を豆汁で溶いた色料を筆で差し、隈取りと呼ばれるぼかしの技法で立体感を出す。色差し後に糊を伏せて地染めを行い、水洗いで糊を除去する。南国の強い日差しを反映した鮮やかな黄色・赤・青を基調とし、熱帯の花鳥や波・雲などの自然文様が特徴である。

琉球びんがたはどこで購入・体験できますか?

沖縄県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。沖縄県の工芸品については沖縄県の伝統工芸品一覧もご覧ください。