和紙
美濃和紙
みのわし
岐阜県美濃市で生産される手漉き和紙。薄くて丈夫な品質で知られユネスコ無形文化遺産に登録。
History
歴史
美濃和紙は岐阜県美濃市を中心に生産される和紙で、その歴史は奈良時代にさかのぼる。正倉院に美濃国の戸籍用紙が保存されており、1300年以上の歴史を有する。江戸時代には障子紙として全国一の生産量を誇り、「美濃判」は和紙の規格の代名詞となった。薄くて丈夫で光を美しく通す特性が評価され、2014年にはユネスコ無形文化遺産「和紙:日本の手漉和紙技術」の構成要素として登録された。1985年に伝統的工芸品に指定されている。
Technique
技法
美濃和紙はコウゾを主な原料とし、長良川水系の清らかな水を使って伝統的な流し漉きで製造される。原料のコウゾを煮熟し、手作業で丁寧に塵を除去した後、叩いてほぐす。竹簀と桁を使い、トロロアオイのネリを加えた原料液で「流し漉き」を行う。前後左右に簀桁を揺り動かして繊維を均一に絡ませる技が美濃和紙の品質を支えている。漉き上がった紙は板に貼って天日乾燥させる。薄くても強靭で、光を柔らかく通す美しさが特徴である。
Process
制作工程
全6工程
- 1
原料処理
主原料のコウゾを蒸して表皮を剥ぎ、白皮を取り出した後に灰汁で煮熟して繊維を柔らかくする
- 2
塵取り
煮熟した繊維を長良川水系の清らかな水に晒しながら、手作業で塵や不純物を一つずつ丁寧に取り除く
- 3
叩解
清浄にした繊維を木槌で丁寧に叩いてほぐし、流し漉きに適した均一で柔軟な状態に整える
- 4
流し漉き
トロロアオイのネリを加えた原料液を竹簀と桁で前後左右に揺り動かし繊維を均一に絡ませて漉く
- 5
圧搾脱水
漉き上がった湿紙を一枚ずつ重ねて一晩置いた後、翌日に圧搾機で余分な水分を慎重に絞り出す
- 6
天日乾燥
脱水した紙を一枚ずつ干し板に貼り付けて天日で乾燥させ、薄くも強靭で光を柔らかく通す和紙に仕上げる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
澤村 清治
五代目
澤村製紙所
岐阜県美濃市の和紙問屋の家系に生まれ、二十歳で家業の紙漉きに入る。本美濃紙の伝統技法である流し漉きの技術を極め、50年以上にわたり最高品質の和紙を作り続けてきた。文化庁の選定保存技術保持者として、後進の指導にも力を注いでいる。
制作哲学
清流長良川の恵みと、千三百年の歴史が育んだ技を次の世代へ正しく伝えることが、職人としての最大の責務である。
“美濃和紙の薄さと強さは、何百回もの試行錯誤の末に生まれた先人たちの叡智の結晶です。
山口 瑞希
若手作家
瑞光庵
多摩美術大学でテキスタイルデザインを学んだ後、美濃和紙の産地である岐阜県美濃市に移り住む。地元の職人に師事しながら、和紙と現代デザインを融合させた照明器具やインテリア製品を制作している。美濃和紙あかりアート展で入賞歴がある。
制作哲学
和紙を通して光を見つめ直すことで、暮らしに静かな豊かさを届けたい。
“美濃和紙に灯りをともすと、紙の繊維が星のように輝いて、まるで小さな宇宙が生まれるんです。
FAQ
よくある質問
美濃和紙とは何ですか?▼
岐阜県美濃市で生産される手漉き和紙。薄くて丈夫な品質で知られユネスコ無形文化遺産に登録。
美濃和紙の産地はどこですか?▼
美濃和紙は岐阜県で生産されている和紙です。
美濃和紙の技法・特徴は?▼
美濃和紙はコウゾを主な原料とし、長良川水系の清らかな水を使って伝統的な流し漉きで製造される。原料のコウゾを煮熟し、手作業で丁寧に塵を除去した後、叩いてほぐす。竹簀と桁を使い、トロロアオイのネリを加えた原料液で「流し漉き」を行う。前後左右に簀桁を揺り動かして繊維を均一に絡ませる技が美濃和紙の品質を支えている。漉き上がった紙は板に貼って天日乾燥させる。薄くても強靭で、光を柔らかく通す美しさが特徴である。
美濃和紙はどこで購入・体験できますか?▼
岐阜県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。岐阜県の工芸品については岐阜県の伝統工芸品一覧もご覧ください。