和紙
土佐和紙
とさわし
高知県で生産される手漉き和紙。楮や三椏を原料とした多品種の和紙産地。
History
歴史
土佐和紙は高知県で生産される和紙で、その歴史は平安時代以前にさかのぼる。延喜式(927年)に土佐国からの紙の貢納が記録されており、千年以上の歴史を有する。温暖な気候と清らかな水に恵まれた仁淀川流域を中心に紙漉きが盛んに行われた。江戸時代には土佐藩の重要な産業として保護され、薄くて強い「典具帖紙」は世界一薄い和紙として知られるようになった。1976年に伝統的工芸品に指定された。多品種生産が特徴の和紙産地である。
Technique
技法
土佐和紙はコウゾ・ミツマタ・ガンピなど多様な原料を使い分け、400種類以上の紙を生産する。原料を煮熟・塵取りした後、叩いてほぐし、水とトロロアオイのネリを加えて簀桁で流し漉きする。土佐和紙の最大の特徴は極薄の「典具帖紙」で、わずか0.03mmの薄さでありながら強靭な繊維のつながりを持つ。この薄漉きには、繊維を均一に分散させる高度な技術が必要である。温暖で湿潤な気候が紙漉きに適しており、多彩な和紙を生み出す産地である。
Process
制作工程
全7工程
- 1
原料選別
コウゾ・ミツマタ・ガンピなど多様な植物原料を紙の用途に応じて厳選し、樹皮を丁寧に剥いで準備する
- 2
煮熟処理
剥いだ原料をアルカリ水溶液で十分に煮熟して繊維を柔らかくし、不純物を除去して清水で洗う
- 3
塵取り
煮熟した繊維から塵や傷のある部分を清水の中で一本一本丁寧に手作業で取り除く
- 4
叩解
繊維を丹念に叩いて細かくほぐし、典具帖紙など極薄の紙を漉くため水中に均一に分散させる
- 5
流し漉き
水とトロロアオイのネリを加えた原料液を簀桁で揺すり、繊維を均一に分散させる高度な技術で薄く漉く
- 6
圧搾脱水
漉き上がった湿紙を重ねて圧搾機でゆっくり脱水し、極薄の紙を傷めないよう細心の注意を払う
- 7
乾燥仕上
温暖で湿潤な土佐の気候を活かして板干しでじっくり自然乾燥させ、強靭な繊維の和紙に仕上げる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
浜口 久志
伝統工芸士
浜口製紙
高知県いの町に生まれ、土佐和紙の紙漉き職人として五十年以上従事。極薄の典具帖紙の漉きにおいて日本屈指の技術を持ち、文化財修復用紙の制作でも国内外から高い評価を受けている。高知県の無形文化財保持者として認定されている。
制作哲学
土佐和紙は清流仁淀川の恵みと職人の技が一体となって生まれる紙です。世界一薄い紙を漉くという挑戦を、生涯続けていきたい。
“紙は薄ければ薄いほど難しい。その極限に挑むのが土佐の職人です。
山崎 千紗
若手作家
高知県出身。京都造形芸術大学で和紙工芸を学んだ後、いの町に戻り土佐和紙の修業を開始。伝統的な楮紙の技法を学びながら、土佐和紙を用いた版画用紙や美術用紙の可能性を探求している。海外の美術関係者との交流にも積極的な新世代の紙漉き職人。
制作哲学
土佐和紙の無限の可能性を世界に発信し、紙の文化を未来に繋げたいです。
“仁淀川の清流で晒した楮が、世界一美しい紙に生まれ変わる瞬間が好きです。
FAQ
よくある質問
土佐和紙とは何ですか?▼
高知県で生産される手漉き和紙。楮や三椏を原料とした多品種の和紙産地。
土佐和紙の産地はどこですか?▼
土佐和紙は高知県で生産されている和紙です。
土佐和紙の技法・特徴は?▼
土佐和紙はコウゾ・ミツマタ・ガンピなど多様な原料を使い分け、400種類以上の紙を生産する。原料を煮熟・塵取りした後、叩いてほぐし、水とトロロアオイのネリを加えて簀桁で流し漉きする。土佐和紙の最大の特徴は極薄の「典具帖紙」で、わずか0.03mmの薄さでありながら強靭な繊維のつながりを持つ。この薄漉きには、繊維を均一に分散させる高度な技術が必要である。温暖で湿潤な気候が紙漉きに適しており、多彩な和紙を生み出す産地である。
土佐和紙はどこで購入・体験できますか?▼
高知県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。高知県の工芸品については高知県の伝統工芸品一覧もご覧ください。