和紙
内山紙
うちやまがみ
長野県飯山市で生産される手漉き和紙。雪晒しの技法による白く丈夫な和紙。
History
歴史
内山紙は長野県飯山市および木島平村で生産される和紙で、その起源は江戸時代中期にさかのぼる。豪雪地帯である奥信濃の農家が冬季の副業として紙漉きを始めたことが起源とされ、原料のコウゾが豊富に自生していたことも産地形成の要因となった。特に雪晒しの技法により白く美しい紙が生産されることで知られ、障子紙として高い評価を得た。1976年に伝統的工芸品に指定された。現在も雪国ならではの手漉き和紙の伝統が受け継がれている。
Technique
技法
内山紙の製造は、まずコウゾの皮を剥ぎ、灰汁で煮て柔らかくし、塵や傷を丁寧に取り除く作業から始まる。処理した繊維を叩いてほぐし、水とトロロアオイの粘液(ネリ)を加えて竹簀と桁で流し漉きする。内山紙の最大の特徴は「雪晒し」の工程にあり、漉いた紙を雪の上に広げて天日にさらすことで、紫外線と雪の反射光による漂白効果で自然な白さを得る。繊維が長く強靭なため破れにくく、通気性に優れた障子紙として高い実用性を誇る。
Process
制作工程
全7工程
- 1
原料処理
コウゾの樹皮を丁寧に剥ぎ取り、灰汁で長時間煮て繊維を柔らかくし、不純物を十分に除去する
- 2
塵取り
煮熟して柔らかくなった繊維から塵や樹皮の傷んだ部分を一本一本手作業で丁寧に取り除く
- 3
叩解
塵取りを終えた繊維を木槌や叩解機で丹念に叩いてほぐし、水中に均一に分散しやすい状態にする
- 4
流し漉き
水とトロロアオイの粘液であるネリを加えた原料液を竹簀と桁で前後左右に揺すりながら漉く
- 5
圧搾脱水
漉き上がった湿紙を一枚一枚重ねた後に圧搾機にかけ、余分な水分をゆっくりと搾り出す
- 6
雪晒し
漉いた紙を真っ白な雪の上に広げて天日にさらし、紫外線と雪の反射光の作用で自然な白さに漂白する
- 7
乾燥仕上
雪晒しを終えた紙を板に貼り付けて天日でじっくり乾燥させ、強靭で通気性に優れた和紙に仕上げる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
町田 善蔵
伝統工芸士
町田紙漉き工房
長野県木島平村に生まれ、内山紙の紙漉き職人として五十年以上のキャリアを持つ。楮を原料とした伝統的な雪晒しの技法を守り続け、障子紙や書道用紙の制作で全国的に高い評価を受けている。長野県の無形文化財保持者に認定されている。
制作哲学
内山紙は北信濃の清らかな水と豪雪が育む紙です。雪晒しによって白く美しくなる紙の姿に、自然と人間の共生の美を感じています。
“雪の上に広げた紙が白く輝く朝、この仕事を続けてきた喜びを実感します。
宮沢 真帆
若手作家
真帆紙工房
長野県出身。武蔵野美術大学で工芸デザインを学んだ後、内山紙の伝統に惹かれ紙漉きの道へ。伝統的な障子紙や書道用紙の制作技術を学びながら、内山紙を素材としたアート作品やインテリア製品の開発にも取り組んでいる。
制作哲学
千年の歴史を持つ和紙の魅力を現代に伝え、新しい使い方の提案を通じて内山紙の未来を拓きたいです。
“一枚の紙に、北信濃の水と風と雪のすべてが宿っています。
FAQ
よくある質問
内山紙とは何ですか?▼
長野県飯山市で生産される手漉き和紙。雪晒しの技法による白く丈夫な和紙。
内山紙の産地はどこですか?▼
内山紙は長野県で生産されている和紙です。
内山紙の技法・特徴は?▼
内山紙の製造は、まずコウゾの皮を剥ぎ、灰汁で煮て柔らかくし、塵や傷を丁寧に取り除く作業から始まる。処理した繊維を叩いてほぐし、水とトロロアオイの粘液(ネリ)を加えて竹簀と桁で流し漉きする。内山紙の最大の特徴は「雪晒し」の工程にあり、漉いた紙を雪の上に広げて天日にさらすことで、紫外線と雪の反射光による漂白効果で自然な白さを得る。繊維が長く強靭なため破れにくく、通気性に優れた障子紙として高い実用性を誇る。
内山紙はどこで購入・体験できますか?▼
長野県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。長野県の工芸品については長野県の伝統工芸品一覧もご覧ください。