その他の工芸品
越中福岡の菅笠
えっちゅうふくおかのすげがさ
富山県高岡市福岡で生産される菅笠。菅を縫い上げて作る伝統的な被り物。
History
歴史
越中福岡の菅笠は富山県高岡市福岡町で生産される菅(すげ)を編んだ伝統的な笠で、その歴史は400年以上前の江戸時代初期にまで遡る。加賀藩の奨励により農家の冬場の副業として菅笠作りが広く定着し、北陸街道の宿場町として栄えた福岡町は全国有数の菅笠産地となった。菅笠は農作業や旅の必需品として各地で広く使われ、四国八十八か所巡りのお遍路さんの笠としても知られる。現在、国内の菅笠生産のほぼすべてを福岡町が担っており、2009年に伝統的工芸品に指定された。
Technique
技法
越中福岡の菅笠は、カサスゲと呼ばれるカヤツリグサ科の植物を主な素材とする。夏に刈り取った菅を天日で十分に乾燥させ、品質ごとに丁寧に選別して素材を準備する。笠骨には竹を細く割いたものを放射状に組んで骨格とし、その上に乾燥した菅を一枚ずつ丁寧に縫い付けていく。縫い糸には木綿糸を使用し、内側から外側へ螺旋状に縫い進めて仕上げる。形状には角笠・丸笠・三度笠・市女笠・富士笠などがあり、用途に応じて大きさや深さが異なる。軽くて通気性がよく、雨除けにも優れている。
Process
制作工程
全6工程
- 1
菅の刈取り
夏の時期にカサスゲを刈り取り、天日で十分に乾燥させて笠の素材となる丈夫な菅を準備する
- 2
菅の選別
乾燥した菅を長さや太さ、品質ごとに丁寧に選別し、笠の部位に適した素材を仕分ける
- 3
笠骨組み
竹を細く割いたものを放射状に組んで笠の骨格を作り、角笠や丸笠など形状に応じた骨組みを整える
- 4
菅の縫付け
骨組みの上に乾燥した菅を一枚ずつ重ねながら木綿糸で内側から外側へ螺旋状に丁寧に縫い付ける
- 5
縁の処理
笠の縁部分を菅で丁寧に巻いて補強し、雨水が入り込まないよう端を整えて固定する
- 6
仕上げ
全体の形を整え、紐を取り付けて使用できる状態にし、笠の通気性と防水性を確認して完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
宮崎 重雄
伝統工芸士
宮崎菅笠製作所
富山県高岡市福岡町に生まれ、農閑期の副業として菅笠作りを行ってきた地域の伝統を受け継ぐ。菅草の栽培から笠の編み上げまで一貫して手がけ、雨笠・日除笠・踊笠など多様な種類の笠を制作。おわら風の盆の踊り笠の製作でも知られる。
制作哲学
菅笠は越中の風土が生んだ知恵の結晶。自然の恵みを活かし、風雨から人を守る。その素朴な使命を大切にしています。
“菅の一本一本を丁寧に縫い上げる。その積み重ねが、雨を弾き風を通す笠になるのです。
高田 萌
若手作家
富山大学で地域文化を研究する中で、越中福岡の菅笠の文化的価値に気づく。卒業後、地元の菅笠職人に弟子入りし、技術の習得に励んでいる。菅笠の歴史や制作工程をSNSで発信し、若い世代への認知向上に貢献。インテリアとしての菅笠の提案も行っている。
制作哲学
菅笠は日本の農村文化の象徴。その技術と精神を絶やさないことが、地域に生きる者の責任です。
“おわら風の盆で揺れる菅笠を見た時、この技術を守り継ぎたいと心に決めました。
FAQ
よくある質問
越中福岡の菅笠とは何ですか?▼
富山県高岡市福岡で生産される菅笠。菅を縫い上げて作る伝統的な被り物。
越中福岡の菅笠の産地はどこですか?▼
越中福岡の菅笠は富山県で生産されているその他の工芸品です。
越中福岡の菅笠の技法・特徴は?▼
越中福岡の菅笠は、カサスゲと呼ばれるカヤツリグサ科の植物を主な素材とする。夏に刈り取った菅を天日で十分に乾燥させ、品質ごとに丁寧に選別して素材を準備する。笠骨には竹を細く割いたものを放射状に組んで骨格とし、その上に乾燥した菅を一枚ずつ丁寧に縫い付けていく。縫い糸には木綿糸を使用し、内側から外側へ螺旋状に縫い進めて仕上げる。形状には角笠・丸笠・三度笠・市女笠・富士笠などがあり、用途に応じて大きさや深さが異なる。軽くて通気性がよく、雨除けにも優れている。
越中福岡の菅笠はどこで購入・体験できますか?▼
富山県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。富山県の工芸品については富山県の伝統工芸品一覧もご覧ください。