その他の工芸品
京扇子
きょうせんす
京都で生産される扇子。雅な絵柄と精緻な骨組みが特徴の伝統的な扇。
History
歴史
京扇子は京都で製造される扇子で、平安時代初期の9世紀頃に木簡を綴じた檜扇が起源とされる。日本で発明された折り畳み式の扇は、やがて紙を貼った紙扇へと発展し、中国やヨーロッパにも輸出されて世界に広まった。京都は扇子製造の中心地として栄え、能楽や茶道、日本舞踊、落語などの伝統芸能に不可欠な道具となった。現在も国内生産の約9割を京都が占めており、実用品から装飾品、儀式用まで多様な扇子が伝統的な技法で作られている。
Technique
技法
京扇子の製造は高度な分業体制で行われ、約88もの工程を経て完成する。骨師が竹を薄く削って扇骨を作り、地紙師が和紙を折り畳んで扇面を準備する。絵付師が日本画の技法で扇面に美しい絵を描き、折り師が均等な折り目を正確につける。骨と紙を組み合わせる「つけ」の工程では、紙の間に骨を一本ずつ差し込んで糊付けする。最後に要(かなめ)で骨を留め、仕上げの整形を行う。各工程の専門職人の熟練した技が結集した総合工芸品である。
Process
制作工程
全7工程
- 1
扇骨製作
骨師が竹を薄く均一に削り出して扇骨を作り、一本一本の厚みと幅を精密に揃えて仕上げる
- 2
地紙準備
地紙師が和紙を二枚合わせにして扇面の地紙を作り、骨を差し込むための袋状の構造に仕立てる
- 3
折り
折り師が地紙に均等な幅の折り目を正確につけ、扇子の開閉がスムーズになるよう丁寧に折り上げる
- 4
絵付け
絵付師が日本画の技法で扇面に季節の花鳥風月や吉祥文様を色鮮やかに描き入れる
- 5
つけ
折り畳んだ地紙の間に扇骨を一本ずつ正確に差し込み、糊で接着して紙と骨を一体化させる
- 6
要留め
扇骨の根元を要(かなめ)で留めて固定し、扇子が滑らかに開閉できるよう締め具合を調整する
- 7
仕上げ整形
全体の形を整え、余分な部分を裁断し、開いた際の姿が美しくなるよう最終調整を行い完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
堀川 義信
四代目
堀川扇子店
京都の扇子職人の家系に生まれ、四代目として家業を継承。扇骨師・地紙師・仕上師の分業制が特徴の京扇子において、すべての工程に精通する稀有な存在。茶道用扇子や舞扇など、用途に応じた最高級品を手がけている。
制作哲学
扇子は開いた瞬間に物語が始まる。その一瞬のために、何十もの工程を積み重ねるのです。
“扇を開く所作の美しさまで想像して作る、それが京扇子の職人の矜持です。
渡辺 凛
若手作家
凛風舎
染色を学んだ後、京扇子の地紙の美しさに魅せられ扇子職人の道へ。伝統的な京友禅の染色技法を活かした扇面の制作を得意とする。若い女性をターゲットにした新しいブランドを立ち上げ、扇子文化の裾野を広げている。
制作哲学
日本人が忘れかけている扇子のある暮らしを、もう一度現代に取り戻したい。
“扇子は最も身近な和の芸術品。バッグに一本忍ばせるだけで、心が凛とします。
FAQ
よくある質問
京扇子とは何ですか?▼
京都で生産される扇子。雅な絵柄と精緻な骨組みが特徴の伝統的な扇。
京扇子の産地はどこですか?▼
京扇子は京都府で生産されているその他の工芸品です。
京扇子の技法・特徴は?▼
京扇子の製造は高度な分業体制で行われ、約88もの工程を経て完成する。骨師が竹を薄く削って扇骨を作り、地紙師が和紙を折り畳んで扇面を準備する。絵付師が日本画の技法で扇面に美しい絵を描き、折り師が均等な折り目を正確につける。骨と紙を組み合わせる「つけ」の工程では、紙の間に骨を一本ずつ差し込んで糊付けする。最後に要(かなめ)で骨を留め、仕上げの整形を行う。各工程の専門職人の熟練した技が結集した総合工芸品である。
京扇子はどこで購入・体験できますか?▼
京都府の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。京都府の工芸品については京都府の伝統工芸品一覧もご覧ください。