その他の工芸品
東京琴
とうきょうごと
東京で生産される琴。桐材を用いた伝統的な和楽器で精緻な音色が特徴。
History
歴史
東京琴は東京で製作される箏(こと)で、箏の歴史は奈良時代に中国大陸から伝来した楽箏に遡る。江戸時代に八橋検校が箏曲を大成し、箏が武家や町人の間に広く普及すると、江戸でも箏の製造が盛んになった。明治以降は宮城道雄らの活躍により箏曲がさらに発展し、東京は演奏家と製作者が集まる一大拠点となった。東京琴は音色の繊細さと美しい蒔絵装飾が特徴で、プロの演奏家の要求に応える高品質な楽器として高い評価を受けている。
Technique
技法
東京琴の製造は、まず良質な桐の原木を製材し、数年間にわたり自然乾燥させることから始まる。十分に乾燥した桐材を甲(表板)の形に削り出し、内部を丁寧にくり抜いて共鳴胴を作る。甲の表面には焼き鏝で木目模様を浮かび上がらせる「焼き板」の技法が用いられる。裏板には音穴を開け、甲と接合する。龍角・龍尾などの装飾部品は紫檀や象牙で作られ、蒔絵が施されることもある。十三本の絹弦を張り、柱(じ)を立てて音程を調整し完成する。
Process
制作工程
全7工程
- 1
原木製材
良質な桐の原木を選び、琴の甲板に適した寸法に製材して数年間にわたり自然乾燥させる
- 2
甲の成形
十分に乾燥した桐材を琴の甲(表板)の形に削り出し、内部を丁寧にくり抜いて共鳴胴を作る
- 3
焼き板
甲の表面に焼き鏝を当てて木目模様を美しく浮かび上がらせ、桐材に深みのある風合いを与える
- 4
裏板加工
裏板に音穴を開けて甲と正確に接合し、音の共鳴に適した内部空間を完成させる
- 5
装飾取付
龍角・龍尾などの装飾部品を紫檀や象牙で製作し、蒔絵を施して琴本体に取り付ける
- 6
張弦
十三本の絹弦を琴柱に通して適切な張力で張り、音程と音色の基本を整える
- 7
調整仕上げ
柱(じ)を立てて音程を一本ずつ丁寧に調整し、全体の響きと音質を確認して完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
木村 正和
伝統工芸士
木村琴製作所
東京都江東区で琴職人の父のもとに生まれ、中学卒業と同時に家業に入る。桐材の選定から甲の削り出し、焼き仕上げまで、すべての工程を一人でこなす。東京琴ならではの華やかで明るい音色を追求し、プロの演奏家からの指名が絶えない。
制作哲学
琴は桐の命を新たな形で蘇らせること。木の声を聴き、最も美しく響く形に導くのが琴師の仕事です。
“良い桐は百年の時を経て最高の音を奏でる。琴作りは時間との共同作業です。
上田 麻衣
若手作家
箏曲演奏家として活動する中で、楽器の構造に興味を持ち琴製作を学び始める。演奏家の視点から使いやすさと音色を追求し、現代邦楽に適した新しい琴の開発にも取り組んでいる。演奏家と製作者の両方の視点を持つ稀有な存在として注目されている。
制作哲学
弾く人の指先に応える楽器を作りたい。演奏者と楽器が一体になれる琴が理想です。
“自分が弾いて感動できない琴は、誰にも感動を届けられません。
FAQ
よくある質問
東京琴とは何ですか?▼
東京で生産される琴。桐材を用いた伝統的な和楽器で精緻な音色が特徴。
東京琴の産地はどこですか?▼
東京琴は東京都で生産されているその他の工芸品です。
東京琴の技法・特徴は?▼
東京琴の製造は、まず良質な桐の原木を製材し、数年間にわたり自然乾燥させることから始まる。十分に乾燥した桐材を甲(表板)の形に削り出し、内部を丁寧にくり抜いて共鳴胴を作る。甲の表面には焼き鏝で木目模様を浮かび上がらせる「焼き板」の技法が用いられる。裏板には音穴を開け、甲と接合する。龍角・龍尾などの装飾部品は紫檀や象牙で作られ、蒔絵が施されることもある。十三本の絹弦を張り、柱(じ)を立てて音程を調整し完成する。
東京琴はどこで購入・体験できますか?▼
東京都の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。東京都の工芸品については東京都の伝統工芸品一覧もご覧ください。