その他の工芸品
江戸硝子
えどがらす
東京で生産される手作りのガラス製品。宙吹きや型吹きによる素朴な風合いが特徴。
History
歴史
江戸硝子は東京で製作される手作りガラス製品で、江戸時代中期の18世紀に日本橋や浅草周辺でガラス製造が始まったのが起源とされる。当初はかんざしや風鈴、ぽっぺん(ビードロ)などの小物が中心であったが、明治以降は食器や花瓶、照明器具なども製造されるようになり、産業として発展した。東京のガラス産業は関東大震災や戦災という大きな困難を乗り越えて技術を継承し続け、2014年に伝統的工芸品に指定された。宙吹きや型吹きによる温かみのある製品が特徴である。
Technique
技法
江戸硝子は、約1400度の高温炉で溶かしたガラスを「宙吹き」「型吹き」「押し型」などの技法で成形する手作りのガラス工芸である。宙吹きは、吹き竿の先に巻き取った溶融ガラスに息を吹き込みながら、回転させつつ自由に形を作る技法で、職人の技量と感性が直接作品に表れる。型吹きは金型にガラスを入れて息を吹き込み均一に成形する。成形後は徐冷炉で数時間かけてゆっくり冷却し、ガラス内部の応力を除去して割れや歪みを防ぐ。一つとして同じものがない味わいがある。
Process
制作工程
全7工程
- 1
原料溶融
珪砂やソーダ灰などのガラス原料を約1400度の高温炉で溶融し、均質な溶融ガラスを準備する
- 2
玉取り
吹き竿の先端を炉に入れ、溶融ガラスを適量巻き取って回転させながら形を整える
- 3
下吹き
巻き取ったガラスに軽く息を吹き込んで内部に空洞を作り、成形の基礎となる形を膨らませる
- 4
本成形
宙吹きでは自由に回転・吹きを繰り返し、型吹きでは金型に入れて息を吹き込み最終形状に成形する
- 5
口作り
成形した器の口部分をハサミやコテで整え、使用しやすい形の口縁に仕上げる
- 6
徐冷
成形した製品を徐冷炉に入れ、数時間かけてゆっくり冷却し内部の応力を除去して割れを防ぐ
- 7
検品仕上げ
冷却後に製品の歪みや気泡、傷の有無を確認し、口縁の研磨など最終的な仕上げを施す
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
田中 慶太郎
伝統工芸士
田中硝子工房
東京都墨田区のガラス工場で働く父の姿を見て育ち、自然と硝子職人の道へ。宙吹き・型吹き・押し型など多彩な技法を操り、江戸硝子の素朴で温かみのある風合いを守り続けている。1400度の坩堝から溶けたガラスを自在に操る姿は、まさに炎の芸術家と呼ぶにふさわしい。
制作哲学
江戸硝子は庶民の暮らしに寄り添うガラス。華美ではなく、使い心地の良さと温もりを大切にしています。
“溶けたガラスは待ってくれない。一瞬の判断と何十年の経験が、形を決めるのです。
森 咲良
若手作家
咲良硝子
ガラス工芸を専攻し、吹きガラスの技法に没頭する中で江戸硝子の歴史と技術に出会う。伝統的な技法を基盤に、日常の食卓に馴染むテーブルウェアを中心に制作。手仕事ならではの微妙な揺らぎや気泡を個性として活かすスタイルが評価されている。
制作哲学
完璧な均一さではなく、手仕事の揺らぎにこそ美しさがある。その不完全さが人の心を和ませるのです。
“毎日使うグラスだからこそ、手に取るたびに小さな幸せを感じてほしい。
FAQ
よくある質問
江戸硝子とは何ですか?▼
東京で生産される手作りのガラス製品。宙吹きや型吹きによる素朴な風合いが特徴。
江戸硝子の産地はどこですか?▼
江戸硝子は東京都で生産されているその他の工芸品です。
江戸硝子の技法・特徴は?▼
江戸硝子は、約1400度の高温炉で溶かしたガラスを「宙吹き」「型吹き」「押し型」などの技法で成形する手作りのガラス工芸である。宙吹きは、吹き竿の先に巻き取った溶融ガラスに息を吹き込みながら、回転させつつ自由に形を作る技法で、職人の技量と感性が直接作品に表れる。型吹きは金型にガラスを入れて息を吹き込み均一に成形する。成形後は徐冷炉で数時間かけてゆっくり冷却し、ガラス内部の応力を除去して割れや歪みを防ぐ。一つとして同じものがない味わいがある。
江戸硝子はどこで購入・体験できますか?▼
東京都の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。東京都の工芸品については東京都の伝統工芸品一覧もご覧ください。