その他の工芸品
江戸切子
えどきりこ
東京で生産されるカットガラス。精緻な切子模様が美しい硝子工芸品。
History
歴史
江戸切子は東京で製作されるカットガラスで、天保5年(1834年)に江戸大伝馬町のビードロ屋・加賀屋久兵衛がガラスの表面に彫刻を施したのが始まりとされる。明治時代にはイギリス人技師エマヌエル・ホープトマンを招聘して西洋のカット技法が本格的に導入され、技術が飛躍的に向上した。以後、伝統的な和柄と西洋のカット技術が融合した独自の文様が発展し、2002年に伝統的工芸品に指定された。現在も東京下町の工房で職人たちが技を磨き続けている。
Technique
技法
江戸切子の製造は、透明ガラスまたは色被せガラスの素材に回転する砥石やダイヤモンドホイールで文様を削り出す技法である。主な工程は、割り出し(文様の位置決め)、粗摺り、三番掛け、石掛け、磨きの順に進む。菊つなぎ、魚子(ななこ)、矢来、麻の葉、六角籠目など伝統的な和の文様を、正確にカットしていく。色被せガラスでは、表面の色層を削ることで透明部分と色のコントラストが鮮やかに生まれ、光の屈折が美しい輝きを放つ。すべて職人の手の感覚で彫られる。
Process
制作工程
全7工程
- 1
素材選定
透明ガラスまたは色被せガラスの器を選び、カットする文様に適した形状と厚みの素材を準備する
- 2
割り出し
ガラスの表面にマーカーで文様の位置を正確に割り出し、カットの基準線を下書きする
- 3
粗摺り
回転するダイヤモンドホイールにガラスを押し当て、文様の大まかな輪郭を深く削り出す
- 4
三番掛け
粗摺りよりも細かい砥石で文様の細部を削り込み、菊つなぎや麻の葉などの精密なカットを施す
- 5
石掛け
天然の砥石や人工砥石でカット面を滑らかに研磨し、削り跡の粗さを取り除いて整える
- 6
磨き
木盤やフェルトの回転盤でカット面を丹念に磨き上げ、光の屈折が美しい透明な輝きを引き出す
- 7
検品
完成した切子を光にかざして文様の正確さや磨きの均一性を検品し、品質を最終確認する
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
堀口 義一
伝統工芸士
堀口硝子
東京都江東区の切子工房に生まれ、16歳で父のもとで修業を開始。菊つなぎ・矢来・魚子など伝統的なカット文様を極め、被せガラスへの精密なカッティング技術は業界の最高峰と称される。55年以上にわたり一筋に切子を彫り続けてきた。
制作哲学
切子は光を操る芸術。ガラスに刻む一本一本のカットが、光の道筋を決め、輝きの表情を生み出します。
“回転する砥石にガラスを当てる角度と力加減、それは体が覚えた感覚でしか到達できない領域です。
安藤 琉花
若手作家
琉花切子工房
ガラス工芸を専門に学び、江戸切子の幾何学模様の美しさに惹かれて切子の道へ。伝統的な文様を尊重しつつ、色被せガラスの色彩の組み合わせに独自のセンスを発揮。若い世代にも手に取りやすい日常使いの切子グラスを数多く制作している。
制作哲学
切子のカットから生まれる光のプリズムは、日常のテーブルを特別な空間に変える力がある。
“伝統の文様を一つ覚えるたびに、先人の叡智の深さに驚かされます。
FAQ
よくある質問
江戸切子とは何ですか?▼
東京で生産されるカットガラス。精緻な切子模様が美しい硝子工芸品。
江戸切子の産地はどこですか?▼
江戸切子は東京都で生産されているその他の工芸品です。
江戸切子の技法・特徴は?▼
江戸切子の製造は、透明ガラスまたは色被せガラスの素材に回転する砥石やダイヤモンドホイールで文様を削り出す技法である。主な工程は、割り出し(文様の位置決め)、粗摺り、三番掛け、石掛け、磨きの順に進む。菊つなぎ、魚子(ななこ)、矢来、麻の葉、六角籠目など伝統的な和の文様を、正確にカットしていく。色被せガラスでは、表面の色層を削ることで透明部分と色のコントラストが鮮やかに生まれ、光の屈折が美しい輝きを放つ。すべて職人の手の感覚で彫られる。
江戸切子はどこで購入・体験できますか?▼
東京都の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。東京都の工芸品については東京都の伝統工芸品一覧もご覧ください。