石工品
京石工芸品
きょういしこうげいひん
京都で生産される石工品。庭園の石燈ろうや手水鉢など風雅な石造品が特徴。
History
歴史
京石工芸品は京都府で生産される石工芸品で、その歴史は平安時代の京都遷都にさかのぼる。都の造営に伴い、寺社の石造物や庭園の石燈籠・手水鉢・庭石などの需要が生まれ、石工の技術が発展した。室町時代には茶の湯文化の隆盛とともに、茶庭の蹲踞や石燈籠の需要が高まった。桃山時代から江戸時代にかけては名庭園の造営に多くの石工芸品が用いられた。1982年に伝統的工芸品に指定された。日本庭園文化を支える重要な工芸品である。
Technique
技法
京石工芸品は白川石や鞍馬石など京都近郊で産出される石材を主に使用する。製作はまず原石の選定から始まり、石の目や色合いを見極めて用途に適した石を選ぶ。のみと槌を使い、荒彫り・中彫り・仕上げ彫りの順に形を整えていく。石燈籠は笠・火袋・中台・竿・基礎の各部を別々に彫り上げて組み上げる。手水鉢は石の自然な形状を活かしながら水溜まりを彫る。京石工芸品の特徴は茶道の侘び寂びの美意識を反映した控えめで品のある造形にある。
Process
制作工程
全6工程
- 1
原石選定
白川石や鞍馬石など京都近郊産の石材から、石の目や色合いを見極めて用途に最適な原石を選び出す
- 2
石取り
選定した原石を所定の大きさに切り出し、石燈籠の各部品や手水鉢に必要な寸法の石材に整える
- 3
荒彫り
のみと槌を用いて原石から大まかな形を彫り出し、石燈籠の笠・火袋・中台・竿・基礎の輪郭を作る
- 4
中彫り
荒彫りで出した形をさらに正確に整え、火袋の窓や手水鉢の水溜まりなど細部の形状を彫り進める
- 5
仕上げ彫り
細いのみで装飾文様や細部を精緻に仕上げ、茶道の侘び寂びを反映した控えめで品のある造形に整える
- 6
組み上げ
別々に彫り上げた各部品の接合面を調整し、安定した構造になるよう石燈籠を丁寧に組み上げて完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
吉田 石峰
伝統工芸士
吉田石材工芸
1948年京都市左京区生まれ。京石工芸品の石工として55年以上のキャリアを誇り、社寺の石造物から茶庭の蹲踞まで幅広い作品を手がけてきた。京都の白川石や鞍馬石を素材に、侘び寂びの精神を表現した石造物で高い評価を得ている。
制作哲学
石は何万年もの時を経て生まれた素材である。その時間の重みを感じながら、石に新たな命を吹き込むのが石工の仕事だ。
“石を叩く音が京の庭に響くとき、千年の都の静寂と対話している気分になります。
奥村 蓮
若手作家
1993年京都府宇治市生まれ。京都造形芸術大学で彫刻を学んだ後、京石工芸品の職人に弟子入りした。伝統的な石灯籠や手水鉢の制作技術を修業しながら、現代建築や庭園デザインに調和する石工芸品を提案している。
制作哲学
石という素材が持つ静謐な美しさを、現代の空間にも届けたい。
“一鑿ごとに石の表情が変わっていく。その変化を読み取りながら彫り進めるのが楽しいのです。
FAQ
よくある質問
京石工芸品とは何ですか?▼
京都で生産される石工品。庭園の石燈ろうや手水鉢など風雅な石造品が特徴。
京石工芸品の産地はどこですか?▼
京石工芸品は京都府で生産されている石工品です。
京石工芸品の技法・特徴は?▼
京石工芸品は白川石や鞍馬石など京都近郊で産出される石材を主に使用する。製作はまず原石の選定から始まり、石の目や色合いを見極めて用途に適した石を選ぶ。のみと槌を使い、荒彫り・中彫り・仕上げ彫りの順に形を整えていく。石燈籠は笠・火袋・中台・竿・基礎の各部を別々に彫り上げて組み上げる。手水鉢は石の自然な形状を活かしながら水溜まりを彫る。京石工芸品の特徴は茶道の侘び寂びの美意識を反映した控えめで品のある造形にある。
京石工芸品はどこで購入・体験できますか?▼
京都府の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。京都府の工芸品については京都府の伝統工芸品一覧もご覧ください。