その他の工芸品
播州毛鉤
ばんしゅうけばり
兵庫県西脇市で生産される毛鉤。鮎釣り用の精巧な伝統的な釣り道具。
History
歴史
播州毛鉤は兵庫県西脇市を中心に生産される釣り用の毛鉤(毛針)で、江戸時代の享保年間(1716〜1736年)に始まったとされる。加古川や杉原川など清流に恵まれた播州地方では、アユやハエ、オイカワなどの川魚釣りが盛んであり、毛鉤の需要が高かった。江戸時代後期には専業の毛鉤師が現れて産業として確立され、全国に販路を広げた。日本古来のテンカラ釣りに用いられる精巧な毛鉤は、釣具としての機能美を備えた工芸品として評価されている。
Technique
技法
播州毛鉤は、極小の釣り針に鳥の羽毛や獣毛、絹糸などを巻き付けて水生昆虫に似せた精巧な疑似餌である。製作には鶏のハックルやキジの羽根、クジャクの羽根、金糸、漆糸などの天然素材を使用する。まず針に絹糸を堅く巻いて下地を作り、その上に羽毛を一本ずつ精密に巻き付けていく。金箔を施したものや漆を塗ったものなど種類は多種多様で、対象魚や季節、水の状態に応じて数百種類の毛鉤が作り分けられる。指先の繊細な作業により数ミリの針上に精巧な虫を再現する。
Process
制作工程
全6工程
- 1
素材準備
鶏のハックルやキジ・クジャクの羽根、絹糸、金糸、漆糸などの天然素材を選別して準備する
- 2
針の選定
対象魚や釣り方に応じた極小の釣り針を選び、毛鉤の種類に合った適切なサイズを決定する
- 3
下巻き
針の軸に絹糸を堅く均一に巻き付けて下地を作り、その後の羽毛を固定するための土台を整える
- 4
羽毛巻き
下地の上に鳥の羽毛を一本ずつ精密に巻き付け、水生昆虫の体や羽に似せた形状を再現する
- 5
装飾巻き
金糸や漆糸、金箔などを巻き付けて装飾を施し、水中での光の反射や動きを演出する
- 6
仕上げ留め
巻き付けた素材の端を糸でしっかり固定し、水中でほどけないよう堅牢に留めて完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
小野 正一
伝統工芸士
小野毛鉤製作所
兵庫県西脇市に生まれ、播州毛鉤の職人だった父のもとで幼少期から技術を学ぶ。鳥の羽毛や獣毛を極細の絹糸で巻きつけるテンカラ用毛鉤の制作を50年以上続けてきた。水生昆虫の生態に精通し、魚を惑わせる精巧な毛鉤は渓流釣り愛好家から絶大な信頼を得ている。
制作哲学
毛鉤は自然を欺くのではなく、自然に溶け込む芸術品。虫一匹の動きを再現するために、生涯をかけて技を磨きます。
“川面に落ちた毛鉤が本物の虫と見分けがつかない瞬間、職人冥利に尽きます。
藤田 翔太
若手作家
渓流釣りが趣味だったことから播州毛鉤の世界に入る。自ら川に立ち、魚の視点から毛鉤を研究する実践派。伝統的なテンカラ毛鉤に加え、フライフィッシング用の毛鉤も手がけ、日本の毛鉤文化を海外にも発信している。
制作哲学
渓流に立ち、水中を観察し、魚と対話する。その体験すべてが毛鉤作りの糧になる。
“一本の毛鉤に込める手間は、魚への敬意そのものです。
FAQ
よくある質問
播州毛鉤とは何ですか?▼
兵庫県西脇市で生産される毛鉤。鮎釣り用の精巧な伝統的な釣り道具。
播州毛鉤の産地はどこですか?▼
播州毛鉤は兵庫県で生産されているその他の工芸品です。
播州毛鉤の技法・特徴は?▼
播州毛鉤は、極小の釣り針に鳥の羽毛や獣毛、絹糸などを巻き付けて水生昆虫に似せた精巧な疑似餌である。製作には鶏のハックルやキジの羽根、クジャクの羽根、金糸、漆糸などの天然素材を使用する。まず針に絹糸を堅く巻いて下地を作り、その上に羽毛を一本ずつ精密に巻き付けていく。金箔を施したものや漆を塗ったものなど種類は多種多様で、対象魚や季節、水の状態に応じて数百種類の毛鉤が作り分けられる。指先の繊細な作業により数ミリの針上に精巧な虫を再現する。
播州毛鉤はどこで購入・体験できますか?▼
兵庫県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。兵庫県の工芸品については兵庫県の伝統工芸品一覧もご覧ください。