金沢漆器

漆器

金沢漆器

かなざわしっき

石川県

石川県金沢市で生産される漆器。加賀蒔絵による豪華な装飾が特徴。

History

歴史

金沢漆器は江戸時代初期、加賀百万石を誇る前田家の文化奨励策により発展した漆器である。三代藩主・前田利常が京都から蒔絵の名匠・五十嵐道甫を招聘し、加賀蒔絵の基礎を築いた。藩の手厚い保護と豊富な財力のもとで高度な蒔絵技術が磨かれ、加賀百万石の格式にふさわしい豪華絢爛な漆器が数多く生み出された。武家文化を色濃く反映した格調高い意匠が特徴で、1991年に伝統的工芸品に指定された。石川県の三大漆器産地の一つとして知られる。

Technique

技法

金沢漆器は高蒔絵を中心とした豪華な蒔絵加飾技法が最大の特徴である。木地にはケヤキやヒノキなどの良質な木材を用い、堅牢な本堅地を丁寧に施す。加飾では平蒔絵・研出蒔絵・高蒔絵の三技法を巧みに駆使し、特に高蒔絵は漆や炭粉で文様を立体的に盛り上げた上に金粉を蒔く技法で、奥行きのある豪華な表現を得意とする。金銀粉のほか、金沢特産の金箔も惜しみなく使用される。多彩な粒度の金粉を使い分けることで繊細な陰影を表現し、気品と華やかさを兼ね備えた漆器に仕上げる。

Process

制作工程

7工程

  1. 1

    木地作り

    ケヤキやヒノキなどの良質な木材をろくろ挽きや指物の技法で器の形に精密に成形する

  2. 2

    本堅下地

    生漆と地の粉を混合した下地材を丁寧に塗り重ね、各層の乾燥と研磨を入念に繰り返して堅牢な下地を築く

  3. 3

    中塗り

    精製漆を均一に塗り、乾燥後に砥石で丁寧に研磨して加飾のための平滑で美しい表面を整える

  4. 4

    上塗り

    良質な精製漆を刷毛で均一に塗り上げ、蒔絵加飾の土台となる深みのある漆の塗膜を形成する

  5. 5

    高蒔絵

    漆や炭粉で文様を立体的に盛り上げた上に金粉を蒔き、奥行きのある豪華な蒔絵表現を施す

  6. 6

    金箔加飾

    金沢特産の金箔を惜しみなく使用し、多彩な粒度の金粉と組み合わせて繊細な陰影と輝きを表現する

  7. 7

    仕上げ

    平蒔絵・研出蒔絵・高蒔絵を組み合わせた加飾全体を漆で固定し、磨き上げて気品ある漆器に完成させる

Artisans

この工芸を紡ぐ人々

大樋 宗玄

伝統工芸士

宗玄蒔絵工房

1947年石川県金沢市東山生まれ。加賀藩の御用蒔絵師の流れを汲む家系に生まれ、高蒔絵・平蒔絵・研出蒔絵の全技法に通じる。加賀百万石の華やかな文化を背景に、金箔や金粉を惜しみなく使った絢爛豪華な蒔絵漆器を制作している。

制作哲学

加賀の美意識は華やかさの中に品格がある。金沢漆器の蒔絵はその美意識の極致であり、一筆一筆に魂を注いでいる。

蒔絵の金粉を蒔く瞬間、加賀百万石の誇りが指先に宿ります。

北村 千尋

若手作家

1994年石川県金沢市生まれ。金沢美術工芸大学で蒔絵を専攻し、卒業後は金沢漆器の老舗で修業。伝統的な加賀蒔絵の技法を基盤にしながら、現代アートの感覚を取り入れた蒔絵パネルなど新しい表現にも挑戦している。

制作哲学

蒔絵は絵画とも彫刻とも違う、漆ならではの表現世界。その可能性をもっと広げていきたい。

金沢の文化の豊かさが、私の蒔絵に深みを与えてくれていると感じます。

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FAQ

よくある質問

金沢漆器とは何ですか?

石川県金沢市で生産される漆器。加賀蒔絵による豪華な装飾が特徴。

金沢漆器の産地はどこですか?

金沢漆器石川県で生産されている漆器です。

金沢漆器の技法・特徴は?

金沢漆器は高蒔絵を中心とした豪華な蒔絵加飾技法が最大の特徴である。木地にはケヤキやヒノキなどの良質な木材を用い、堅牢な本堅地を丁寧に施す。加飾では平蒔絵・研出蒔絵・高蒔絵の三技法を巧みに駆使し、特に高蒔絵は漆や炭粉で文様を立体的に盛り上げた上に金粉を蒔く技法で、奥行きのある豪華な表現を得意とする。金銀粉のほか、金沢特産の金箔も惜しみなく使用される。多彩な粒度の金粉を使い分けることで繊細な陰影を表現し、気品と華やかさを兼ね備えた漆器に仕上げる。

金沢漆器はどこで購入・体験できますか?

石川県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。石川県の工芸品については石川県の伝統工芸品一覧もご覧ください。