漆器
大内塗
おおうちぬり
山口県山口市で生産される漆器。朱色の地に大内菱の文様が特徴。
History
歴史
大内塗は室町時代、西国の雄・大内氏の庇護のもとで山口を中心に発展した漆器である。大内義弘の時代に明との勘合貿易で漆器が重要な交易品となり、生産が大いに奨励された。大内氏滅亡後も山口の漆工技術は地域の職人たちに受け継がれ、江戸時代には毛利藩の保護を受けて発展を続けた。大内人形に代表される鮮やかな朱漆に大内菱の文様を施した漆器は大内文化の象徴として広く知られる。現在も山口県の代表的な伝統工芸として製作されている。
Technique
技法
大内塗は木地にケヤキやヒノキなどの良質な木材を使用し、ろくろ挽きや刳物技法で丁寧に成形する。下地には生漆と地の粉を混合した堅下地を数回塗り重ね、乾燥と研磨を入念に繰り返す。中塗り・上塗りには朱漆を基調とし、鮮やかで深みのある朱色が大内塗の象徴的な色彩である。加飾には大内菱と呼ばれる菱形の連続文様を金箔や蒔絵で施す。秋草文様や雲文様を組み合わせた格調高い意匠が特徴的で、大内人形や盆、椀など多様な製品が手作業で丁寧に仕上げられる。
Process
制作工程
全6工程
- 1
木地作り
ケヤキやヒノキなどの良質な木材をろくろ挽きや刳物の技法で丁寧に成形し、所定の器形に仕上げる
- 2
堅下地
生漆と地の粉を混合した下地材を数回塗り重ね、各層の乾燥と研磨を入念に繰り返して堅牢な下地を作る
- 3
中塗り
下地の上に精製漆を塗り、乾燥後に砥石で丁寧に研磨して上塗りのための平滑で均質な表面を整える
- 4
朱漆上塗
大内塗の象徴である鮮やかな朱漆を刷毛で均一に塗り上げ、深みのある朱色の美しい塗膜を形成する
- 5
大内菱加飾
大内家の家紋に由来する菱形の連続文様を金箔や蒔絵の技法で漆面に施し、格調高い意匠を表現する
- 6
仕上げ
秋草文様や雲文様などの加飾を組み合わせて全体の意匠を完成させ、磨き上げて艶やかに仕上げる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
山本 秀峰
伝統工芸士
秀峰漆芸
1951年山口県山口市生まれ。大内塗の特徴である大内人形の制作で知られる工房に弟子入りし、50年以上にわたり技を磨いてきた。秋草模様や大内菱の伝統紋様を忠実に再現する技術は、同業者からも一目置かれている。
制作哲学
大内文化の雅を漆器に宿すこと、それが大内塗の職人としての誇りである。朱と漆黒の調和の中に、室町の美意識を今に伝えたい。
“大内塗の朱色には、大内氏が夢見た京の都への憧れが込められているのです。
田中 あゆみ
若手作家
1996年山口県防府市生まれ。山口県立大学でデザインを学んだ後、大内塗の職人に師事。大内人形の愛らしさに魅了され、伝統的な技法を守りながらも現代的なアレンジを加えた小物類を制作している。
制作哲学
大内塗の温かみのある朱色を、日常に寄り添う形で届けたいと考えています。
“大内人形の優しい表情を見ると、何百年も前の職人と心が通じた気がするのです。
FAQ
よくある質問
大内塗とは何ですか?▼
山口県山口市で生産される漆器。朱色の地に大内菱の文様が特徴。
大内塗の産地はどこですか?▼
大内塗は山口県で生産されている漆器です。
大内塗の技法・特徴は?▼
大内塗は木地にケヤキやヒノキなどの良質な木材を使用し、ろくろ挽きや刳物技法で丁寧に成形する。下地には生漆と地の粉を混合した堅下地を数回塗り重ね、乾燥と研磨を入念に繰り返す。中塗り・上塗りには朱漆を基調とし、鮮やかで深みのある朱色が大内塗の象徴的な色彩である。加飾には大内菱と呼ばれる菱形の連続文様を金箔や蒔絵で施す。秋草文様や雲文様を組み合わせた格調高い意匠が特徴的で、大内人形や盆、椀など多様な製品が手作業で丁寧に仕上げられる。
大内塗はどこで購入・体験できますか?▼
山口県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。山口県の工芸品については山口県の伝統工芸品一覧もご覧ください。