その他の工芸品
岐阜提灯
ぎふちょうちん
岐阜県で生産される提灯。薄い美濃和紙と精巧な竹骨による美しい盆提灯が代表的。
History
歴史
岐阜提灯は岐阜県岐阜市で生産される提灯で、江戸時代中期の18世紀頃に始まったとされる。美濃和紙と良質な竹の産地であった岐阜では、薄い和紙を用いた繊細で優美な提灯が発展した。特に御所提灯と呼ばれる卵形の優美な提灯は、朝廷にも献上されて高い評価を得た。明治以降は盆提灯として全国的に広く普及し、岐阜市は福岡県八女市と並ぶ提灯の二大産地となった。1995年に伝統的工芸品に指定され、現在も伝統技法が守り継がれている。
Technique
技法
岐阜提灯の製造は、まず竹ひごを木型に螺旋状に巻き付けて火袋の骨組みを作ることから始まる。骨組みには細く均一に割った竹ひごを使用し、美しい曲線を描く。火袋には美濃和紙や絹を丁寧に貼り、その表面に熟練の職人が手描きで草花や風景を繊細に描く。岐阜提灯の特徴は、極薄の美濃和紙を通した柔らかな光と、繊細で優美な絵付けにある。御殿丸型や大内行灯型など多様な形状があり、木製の枠や台座と組み合わせて盆飾りとしても広く用いられる。
Process
制作工程
全7工程
- 1
竹ひご作り
竹を細く均一な太さに割いて竹ひごを作り、美しい曲線を描ける柔軟性のある素材に仕上げる
- 2
骨巻き
木型に竹ひごを螺旋状に巻き付けて火袋の骨組みを成形し、提灯の基本構造を作り上げる
- 3
紙貼り
骨組みに極薄の美濃和紙や絹を糊で丁寧に貼り付け、柔らかな光を通す火袋を仕上げる
- 4
絵付け
熟練の職人が美濃和紙の表面に草花や風景を手描きで繊細に描き、優美な絵柄を施す
- 5
型抜き
火袋が乾燥した後に木型を丁寧に抜き取り、提灯が自在に伸縮できる状態にする
- 6
枠組立
御殿丸型や大内行灯型など形状に応じて木製の枠や台座を取り付け、提灯全体を組み上げる
- 7
仕上げ
金具や房飾りなどの装飾部品を取り付け、全体のバランスと仕上がりを確認して完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
河合 庄次郎
伝統工芸士
河合提灯本舗
岐阜県岐阜市の提灯問屋に生まれ、幼少期から提灯作りに親しむ。薄手の美濃和紙を用いた岐阜提灯の繊細な火袋の製作技術を極め、特に秋草や花鳥を描く絵付けの技術は業界随一と評される。宮内庁御用達の提灯も手がけてきた。
制作哲学
岐阜提灯の美しさは、美濃和紙の薄さと絵付けの妙が生み出す光の芸術。和紙を通して柔らかく滲む絵こそが命です。
“提灯に描く花は、灯を入れた時にこそ本当に咲くのです。
大野 結衣
若手作家
結灯舎
岐阜市出身。グラフィックデザイナーとして活動した後、地元の伝統工芸に回帰。岐阜提灯の絵付け職人に師事し、伝統的な技法を習得。デザインの知識を活かし、モダンなインテリア照明としての岐阜提灯を提案し、国内外のデザインアワードで注目を集めている。
制作哲学
提灯は日本が世界に誇れる照明器具。伝統の骨格に現代のデザインを纏わせたい。
“和紙を通した光の温かさは、どんなLEDにも再現できない日本固有の美です。
FAQ
よくある質問
岐阜提灯とは何ですか?▼
岐阜県で生産される提灯。薄い美濃和紙と精巧な竹骨による美しい盆提灯が代表的。
岐阜提灯の産地はどこですか?▼
岐阜提灯は岐阜県で生産されているその他の工芸品です。
岐阜提灯の技法・特徴は?▼
岐阜提灯の製造は、まず竹ひごを木型に螺旋状に巻き付けて火袋の骨組みを作ることから始まる。骨組みには細く均一に割った竹ひごを使用し、美しい曲線を描く。火袋には美濃和紙や絹を丁寧に貼り、その表面に熟練の職人が手描きで草花や風景を繊細に描く。岐阜提灯の特徴は、極薄の美濃和紙を通した柔らかな光と、繊細で優美な絵付けにある。御殿丸型や大内行灯型など多様な形状があり、木製の枠や台座と組み合わせて盆飾りとしても広く用いられる。
岐阜提灯はどこで購入・体験できますか?▼
岐阜県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。岐阜県の工芸品については岐阜県の伝統工芸品一覧もご覧ください。