因州和紙

和紙

因州和紙

いんしゅうわし

鳥取県

鳥取県で生産される手漉き和紙。画仙紙や書道用紙として高い評価を持つ。

History

歴史

因州和紙は鳥取県鳥取市で生産される和紙で、その歴史は奈良時代にまでさかのぼる。正倉院文書の中に因幡国から朝廷に紙が献上された記録が残されており、千年以上の長い歴史を持つ。江戸時代には鳥取藩の保護のもと紙漉きが盛んに行われ、画仙紙の産地として全国に名を馳せた。明治以降も書道用紙を中心に生産が続き、1975年に伝統的工芸品に指定された。現在は画仙紙の生産量で日本一を誇り、書道家から高い信頼を得ている。

Technique

技法

因州和紙の製造は、コウゾやミツマタを原料とする。原料の皮を剥ぎ、アルカリ水溶液で煮熟し、塵取りを行った後、叩いて繊維をほぐす。水とトロロアオイのネリを加え、簀桁を用いた流し漉きで紙を漉く。因州和紙の特徴は書道用画仙紙の品質の高さにあり、墨の滲みや筆の運びを最適にするため、繊維の配合や漉き方に熟練の技が必要となる。天日乾燥で仕上げた紙は、適度な滲みと墨色の発色の良さを兼ね備え、書道家に愛用されている。

Process

制作工程

7工程

  1. 1

    原料処理

    コウゾやミツマタの樹皮を丁寧に剥ぎ取り、アルカリ水溶液で煮熟して繊維を柔らかくする

  2. 2

    塵取り

    煮熟した繊維から塵や不純物を清水の中で一本一本手作業で丁寧に選り分けて取り除く

  3. 3

    叩解

    塵取りを終えた繊維を丹念に叩いて細かくほぐし、水中で均一に分散しやすい状態に仕上げる

  4. 4

    原料調整

    書道用画仙紙として最適な墨の滲みと筆の運びを実現するため、繊維の配合割合を熟練の技で調整する

  5. 5

    流し漉き

    水とトロロアオイのネリを加えた原料液を簀桁を用いて前後左右に揺すりながら均一に漉き上げる

  6. 6

    圧搾脱水

    漉き上がった湿紙を重ねて圧搾機にかけ、繊維の結合を促進しながら余分な水分を搾り出す

  7. 7

    天日乾燥

    湿紙を一枚ずつ板に貼り付けて天日でじっくり乾燥させ、墨色の発色に優れた和紙に仕上げる

Artisans

この工芸を紡ぐ人々

谷本 寛一

伝統工芸士

谷本製紙所

鳥取県鳥取市青谷町に生まれ、因州和紙の紙漉き職人として四十五年以上の経験を持つ。画仙紙や書道用紙の漉きにおいて類まれな技術を発揮し、全国の書道家から絶大な信頼を得ている。鳥取県の伝統的工芸品産業功労者として表彰された名匠。

制作哲学

因州和紙は千年の歴史を持つ紙の里が育んだ至宝です。墨の乗り、筆の走り、にじみの美しさ。書く人の感性を最大限に引き出す紙を漉くことが職人の使命です。

良い紙は書く人と対話する。その対話を生む紙を漉きたい。

浜田 沙耶

若手作家

紙灯工房

鳥取県出身。多摩美術大学でテキスタイルデザインを学んだ後、因州和紙の世界に入る。伝統的な紙漉き技術を習得しながら、和紙を素材としたランプシェードやアクセサリーなど現代的なプロダクトの開発で注目を集めている。

制作哲学

因州和紙の温かな手触りと光を透かす美しさを、現代の暮らしに届けたいと思っています。

和紙を通して見る光は、どんな照明よりも優しく心を照らします。

因州和紙をもっと楽しむ

外部サイトに遷移します

共有

FAQ

よくある質問

因州和紙とは何ですか?

鳥取県で生産される手漉き和紙。画仙紙や書道用紙として高い評価を持つ。

因州和紙の産地はどこですか?

因州和紙鳥取県で生産されている和紙です。

因州和紙の技法・特徴は?

因州和紙の製造は、コウゾやミツマタを原料とする。原料の皮を剥ぎ、アルカリ水溶液で煮熟し、塵取りを行った後、叩いて繊維をほぐす。水とトロロアオイのネリを加え、簀桁を用いた流し漉きで紙を漉く。因州和紙の特徴は書道用画仙紙の品質の高さにあり、墨の滲みや筆の運びを最適にするため、繊維の配合や漉き方に熟練の技が必要となる。天日乾燥で仕上げた紙は、適度な滲みと墨色の発色の良さを兼ね備え、書道家に愛用されている。

因州和紙はどこで購入・体験できますか?

鳥取県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。鳥取県の工芸品については鳥取県の伝統工芸品一覧もご覧ください。