江戸からかみ

その他の工芸品

江戸からかみ

えどからかみ

東京都

東京で生産される唐紙。木版摺りによる襖紙や壁紙の伝統的な室内装飾品。

History

歴史

江戸からかみは東京で製作される唐紙で、平安時代に中国から伝わった装飾紙がその起源である。唐紙は和歌の料紙や襖紙として京都で発展し、「京からかみ」として確立された。江戸時代に幕府のお膝元である江戸の町が大きく発展すると、武家屋敷や商家の襖紙として大量の唐紙が必要となり、江戸独自のからかみ文化が花開いた。江戸からかみは京からかみに比べ、粋で大胆な文様が特徴とされ、2002年に伝統的工芸品に指定された。

Technique

技法

江戸からかみの製造は、木版摺りと雲母(きら)刷りの技法を基本とする。まず和紙に刷毛を用いて胡粉や顔料で地色を引き、十分に乾燥させる。次に桜材などで作られた版木に雲母や顔料を均一に塗り、紙に押し付けて文様を転写する。版木には江戸時代から受け継がれた貴重な古い版木も現役で使われている。文様には青海波、七宝、菊菱、亀甲など伝統的な和柄が多い。具引き(地塗り)と木版摺りを組み合わせ、上品な光沢と奥行きのある装飾紙を作り出す。

Process

制作工程

7工程

  1. 1

    紙の準備

    和紙を適切な大きさに裁断し、表面の状態を確認して版摺りに適した下地となるよう準備する

  2. 2

    具引き

    和紙に刷毛を用いて胡粉や顔料で地色を均一に引き、十分に乾燥させて下地塗りを完成させる

  3. 3

    版木準備

    桜材などで作られた江戸時代から伝わる版木を選び、文様に適した版木の表面を整えて使用準備する

  4. 4

    雲母塗り

    版木の凸面に雲母(きら)や顔料を刷毛で均一に塗り付け、転写に適した適切な量を調整する

  5. 5

    摺り

    版木を和紙に正確に押し付けて文様を転写し、青海波・七宝・菊菱などの伝統的な和柄を施す

  6. 6

    乾燥

    摺り上がった紙を平らな場所に広げて自然乾燥させ、雲母や顔料が定着するまで十分に時間をかける

  7. 7

    検品仕上げ

    文様の鮮明さや色ムラの有無を入念に検品し、品質を満たしたものを選別して完成品とする

Artisans

この工芸を紡ぐ人々

須藤 紋次郎

伝統工芸士

須藤からかみ工房

東京都文京区の江戸からかみ工房に生まれ、四代目として家業を継承。版木による型押しと雲母摺りの技法を極め、数百種に及ぶ伝統文様を自在に摺り分ける。茶室や料亭、寺社の襖紙を数多く手がけ、空間演出の名手として知られる。

制作哲学

からかみは光の角度で表情を変える生きた壁紙。文様の陰影が日本建築の空間に奥行きと品格をもたらします。

版木に絵具を含ませ、和紙に押す。その繰り返しの中に、無限の表現がある。

三浦 沙織

若手作家

紋摺工房

インテリアデザインを学んだ後、日本の伝統的な壁装材に興味を持ち江戸からかみの世界に入る。古典文様の研究と並行して、現代建築にマッチする新しいからかみデザインの開発に取り組んでいる。建築家やインテリアデザイナーとのコラボレーションも積極的に行っている。

制作哲学

からかみの文様は日本人の美意識の集大成。その遺産を現代の空間に活かすことが私の役割です。

襖一枚で部屋の空気が変わる。からかみには空間を支配する力があります。

江戸からかみをもっと楽しむ

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FAQ

よくある質問

江戸からかみとは何ですか?

東京で生産される唐紙。木版摺りによる襖紙や壁紙の伝統的な室内装飾品。

江戸からかみの産地はどこですか?

江戸からかみ東京都で生産されているその他の工芸品です。

江戸からかみの技法・特徴は?

江戸からかみの製造は、木版摺りと雲母(きら)刷りの技法を基本とする。まず和紙に刷毛を用いて胡粉や顔料で地色を引き、十分に乾燥させる。次に桜材などで作られた版木に雲母や顔料を均一に塗り、紙に押し付けて文様を転写する。版木には江戸時代から受け継がれた貴重な古い版木も現役で使われている。文様には青海波、七宝、菊菱、亀甲など伝統的な和柄が多い。具引き(地塗り)と木版摺りを組み合わせ、上品な光沢と奥行きのある装飾紙を作り出す。

江戸からかみはどこで購入・体験できますか?

東京都の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。東京都の工芸品については東京都の伝統工芸品一覧もご覧ください。