その他の工芸品
山鹿灯籠
やまがとうろう
熊本県山鹿市で生産される和紙製の灯籠。木や金具を使わず和紙のみで精巧に作られる。
History
歴史
山鹿灯籠は熊本県山鹿市に伝わる工芸品で、その起源は室町時代の永享年間(1429〜1441年)にまで遡るとされる。和紙と少量の糊だけで作られる精巧な灯籠で、金灯籠が最も代表的な形式である。毎年8月に行われる「山鹿灯籠まつり」では、女性たちが頭に金灯籠を載せて優雅に踊る「千人灯籠踊り」が全国的に有名である。江戸時代以降、神社仏閣や城郭を模した精巧な灯籠が作られるようになり、建築模型としても高い芸術性を持つに至った。
Technique
技法
山鹿灯籠は木や金属を一切使わず、和紙と糊のみで製作される世界的にも極めて珍しい工芸品である。薄い和紙を幾重にも貼り合わせて強度を持たせ、柱や屋根、障子、格子などの細部を忠実に再現する。設計図をもとに数百もの部材を一つずつ丁寧に切り出し、組み立てていく工程はすべて手作業で行われる。金灯籠は金紙を用いて制作され、灯りを灯すと内側から柔らかく輝く。神殿造りや城郭型の灯籠は完成まで数か月を要することもある。
Process
制作工程
全7工程
- 1
設計
神殿造りや城郭型など再現する建築物の設計図を作成し、数百もの部材の寸法を正確に計算する
- 2
紙準備
薄い和紙を幾重にも丁寧に貼り合わせて強度を持たせ、灯籠の部材に適した厚みと硬さの紙を作る
- 3
部材切出し
設計図をもとに柱・屋根・障子・格子などの細部を一つずつ和紙から精密に切り出していく
- 4
成形加工
切り出した部材を折り曲げたり丸めたりして、建築物の各パーツとしての立体的な形状を作り上げる
- 5
組立て
数百の部材を糊だけで一つずつ正確に接合し、木や金属を一切使わずに建築物の構造を組み上げる
- 6
金紙装飾
金紙を用いて灯籠の外装を装飾し、灯りを灯した際に内側から柔らかく輝く美しい仕上がりにする
- 7
仕上げ検品
全体の形状や各部の接合を入念に確認し、細部の調整を行って和紙のみで構成された灯籠を完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
中島 幸夫
伝統工芸士
中島灯籠工房
熊本県山鹿市生まれ。和紙と糊だけで精巧な建造物を再現する山鹿灯籠の技術に魅せられ、20歳で灯籠師の道へ。金灯籠・宮造り灯籠など、すべての種類の灯籠を制作できる数少ない職人。山鹿灯籠まつりの奉納灯籠を40年以上にわたり手がけている。
制作哲学
和紙と糊だけで建築物を再現する。その制約の中にこそ、山鹿灯籠の無限の可能性があるのです。
“灯籠に灯が入った瞬間、和紙が命を吹き込まれたように輝く。あの光景のために作り続けています。
坂本 遥
若手作家
建築学を学んだ後、山鹿灯籠の精緻な構造美に感銘を受けて灯籠師を志す。建築的な視点から灯籠の構造を研究し、伝統的な宮造りの技法を忠実に習得。新しいモチーフの灯籠制作や、ワークショップを通じた普及活動にも積極的に取り組んでいる。
制作哲学
和紙という儚い素材で永遠の美を追求する。その矛盾こそが山鹿灯籠の魅力だと思います。
“一枚の和紙から立ち上がる建築に、人々が息を呑む瞬間を作りたい。
FAQ
よくある質問
山鹿灯籠とは何ですか?▼
熊本県山鹿市で生産される和紙製の灯籠。木や金具を使わず和紙のみで精巧に作られる。
山鹿灯籠の産地はどこですか?▼
山鹿灯籠は熊本県で生産されているその他の工芸品です。
山鹿灯籠の技法・特徴は?▼
山鹿灯籠は木や金属を一切使わず、和紙と糊のみで製作される世界的にも極めて珍しい工芸品である。薄い和紙を幾重にも貼り合わせて強度を持たせ、柱や屋根、障子、格子などの細部を忠実に再現する。設計図をもとに数百もの部材を一つずつ丁寧に切り出し、組み立てていく工程はすべて手作業で行われる。金灯籠は金紙を用いて制作され、灯りを灯すと内側から柔らかく輝く。神殿造りや城郭型の灯籠は完成まで数か月を要することもある。
山鹿灯籠はどこで購入・体験できますか?▼
熊本県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。熊本県の工芸品については熊本県の伝統工芸品一覧もご覧ください。