和紙
石州和紙
せきしゅうわし
島根県で生産される手漉き和紙。楮を原料とした強靭さが特徴でユネスコ無形文化遺産に登録。
History
歴史
石州和紙は島根県浜田市で生産される和紙で、その歴史は奈良時代の正倉院文書に石見国の紙が記録されていることから、千年以上の長い歴史を持つ。江戸時代には石見銀山の帳簿用紙として重用され、大阪の商人にも広く取引された。石州和紙の特徴はその強靭さにあり、「日本一丈夫な和紙」と称される。2009年にはユネスコ無形文化遺産に登録された。1969年に国の重要無形文化財に指定され、伝統的工芸品にも指定されている。
Technique
技法
石州和紙は地元で栽培されたコウゾ・ミツマタ・ガンピを原料とし、伝統的な手漉きの技法で製造される。原料を木灰の灰汁で煮熟するのが大きな特徴で、ソーダ灰に比べて繊維への損傷が少なく、より強靭な紙が得られる。煮熟後の塵取りは手作業で丹念に行い、叩いてほぐした繊維にトロロアオイのネリを加えて流し漉きする。石州和紙の強さの秘密は原料処理の丁寧さと地元の良質な水にあり、和紙の中でも最高クラスの強度と耐久性を誇る。
Process
制作工程
全7工程
- 1
原料栽培
地元で栽培したコウゾ・ミツマタ・ガンピを収穫し、表皮を剥いで白皮を取り出す準備を行う
- 2
煮熟
木灰の灰汁で原料を煮熟し、繊維への損傷を最小限に抑えながら不純物を溶かし出して強靭な繊維を得る
- 3
塵取り
煮熟した繊維を清水に晒し、手作業で丹念に塵や樹皮の残片を一つずつ取り除いて繊維を清浄にする
- 4
叩解
洗浄した繊維を木槌や叩き棒で丁寧に叩いてほぐし、繊維を適度な長さと柔軟性に整える
- 5
流し漉き
トロロアオイのネリを加えた原料液を簀桁に流し入れ、前後左右に揺り動かして繊維を均一に絡ませる
- 6
圧搾脱水
漉き上がった湿紙を重ねて圧搾機にかけ、余分な水分をゆっくりと押し出して紙の密度を整える
- 7
乾燥仕上げ
脱水した紙を一枚ずつ干し板に貼り付けて天日乾燥させ、最高クラスの強度と耐久性を持つ和紙に仕上げる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
久保田 正義
伝統工芸士
久保田和紙工房
島根県浜田市に生まれ、祖父の代から続く石州和紙の工房で幼少期より紙漉きを学ぶ。高校卒業後、人間国宝の故・安部榮四郎氏の薫陶を受けた師匠のもとで10年間修行を積んだ。現在は石州和紙の伝統技法を守りながら、文化財修復用の和紙の製造にも携わっている。
制作哲学
楮の繊維一本一本に命が宿る。水と手の対話を通じて、千年先まで残る紙を漉くことが私の使命です。
“和紙は生きている。漉いた瞬間から呼吸を始め、時とともに美しさを増していく。
藤原 彩乃
若手作家
東京藝術大学で日本画を専攻した後、石州和紙の美しさに魅了され島根県へ移住。地元の工房で5年間修行し、現在は独立して創作活動を行っている。和紙を素材としたアート作品を国内外の展覧会に出品し、注目を集めている。
制作哲学
伝統の技を受け継ぎながら、和紙の新しい表現の可能性を追求したい。
“石州和紙の強さと柔らかさは、この土地の自然そのものを映しています。
FAQ
よくある質問
石州和紙とは何ですか?▼
島根県で生産される手漉き和紙。楮を原料とした強靭さが特徴でユネスコ無形文化遺産に登録。
石州和紙の産地はどこですか?▼
石州和紙は島根県で生産されている和紙です。
石州和紙の技法・特徴は?▼
石州和紙は地元で栽培されたコウゾ・ミツマタ・ガンピを原料とし、伝統的な手漉きの技法で製造される。原料を木灰の灰汁で煮熟するのが大きな特徴で、ソーダ灰に比べて繊維への損傷が少なく、より強靭な紙が得られる。煮熟後の塵取りは手作業で丹念に行い、叩いてほぐした繊維にトロロアオイのネリを加えて流し漉きする。石州和紙の強さの秘密は原料処理の丁寧さと地元の良質な水にあり、和紙の中でも最高クラスの強度と耐久性を誇る。
石州和紙はどこで購入・体験できますか?▼
島根県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。島根県の工芸品については島根県の伝統工芸品一覧もご覧ください。