和紙
越前和紙
えちぜんわし
福井県越前市で生産される手漉き和紙。千五百年の歴史を持つ日本有数の和紙産地。
History
歴史
越前和紙は福井県越前市で生産される和紙で、その歴史は1500年以上にさかのぼる。伝説によれば、岡太川の上流に現れた女神が紙漉きの技術を伝えたとされ、紙祖神として岡太神社に祀られている。奈良時代には越前の紙が朝廷に献上され、平安時代には「越前奉書」として公用紙に採用された。江戸時代には福井藩の保護のもと日本最大の和紙産地となった。1976年に伝統的工芸品に指定され、現在も日本を代表する和紙産地である。
Technique
技法
越前和紙はコウゾ・ミツマタ・ガンピなどを原料とし、多彩な種類の紙を生産する。原料処理は煮熟・塵取り・叩きの工程を経て、トロロアオイのネリを加えた原料液を簀桁で流し漉きする。越前和紙の特徴は高度な漉き技法の多様性にあり、奉書紙・鳥の子紙・檀紙・局紙など多品種を生産する。特に「漉き込み」や「流し込み」の技法で模様を入れた紙は美術工芸品としても高く評価されている。伝統の技と革新の精神で常に新しい和紙の可能性を追求している。
Process
制作工程
全7工程
- 1
原料選別
コウゾ・ミツマタ・ガンピなどの原料を製品の用途に応じて厳選し、白皮を取り出して下処理する
- 2
煮熟
原料を灰汁やソーダ灰でじっくりと煮て繊維を柔らかくし、リグニンなどの不純物を溶かし出す
- 3
塵取り
煮熟した繊維を清水に晒し、手作業で丹念に塵や樹皮片を取り除いて高品質な繊維を得る
- 4
叩解
清浄な繊維を木槌で叩いてほぐし、奉書紙・鳥の子紙など品種ごとに適した繊維の状態に整える
- 5
流し漉き
トロロアオイのネリを加えた原料液を簀桁で流し漉きし、漉き込みや流し込みの技法で模様を入れる
- 6
圧搾脱水
漉き上がった湿紙を重ねて圧搾機にかけ、余分な水分を均一に押し出して紙の密度を整える
- 7
乾燥仕上げ
脱水した紙を干し板に貼って乾燥させ、多品種にわたる高品質な越前和紙として製品化する
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
岩野 平三郎
伝統工芸士
岩野製紙
福井県越前市の和紙の里に生まれ、十代から越前和紙の紙漉きを始める。特に大判の奉書紙や襖紙の漉き技術に優れ、全国の寺社仏閣や文化財の修復用紙を手がけてきた。六十年以上の経験を持ち、越前和紙協同組合の技術顧問を務めている。
制作哲学
千五百年の歴史を持つ越前和紙の伝統を守ることは、日本の文化そのものを守ること。一枚の紙に全身全霊を込める。
“紙漉きは水の芸術。水の温度、流れの速さ、すべてが紙の表情を決めるのです。
長谷川 美月
若手作家
紙音工房
京都市立芸術大学で工芸を学んだ後、越前和紙の産地に移住して修行を開始。伝統的な漉き技術を基盤に、現代アートとしての和紙表現を追求している。和紙を用いた立体造形作品がパリの展覧会で高い評価を得た。
制作哲学
越前和紙の持つしなやかな強さを活かし、平面を超えた新しい和紙の世界を創造したい。
“越前の水が生み出す紙の肌触りには、どんな高級素材にも負けない品格があります。
FAQ
よくある質問
越前和紙とは何ですか?▼
福井県越前市で生産される手漉き和紙。千五百年の歴史を持つ日本有数の和紙産地。
越前和紙の産地はどこですか?▼
越前和紙は福井県で生産されている和紙です。
越前和紙の技法・特徴は?▼
越前和紙はコウゾ・ミツマタ・ガンピなどを原料とし、多彩な種類の紙を生産する。原料処理は煮熟・塵取り・叩きの工程を経て、トロロアオイのネリを加えた原料液を簀桁で流し漉きする。越前和紙の特徴は高度な漉き技法の多様性にあり、奉書紙・鳥の子紙・檀紙・局紙など多品種を生産する。特に「漉き込み」や「流し込み」の技法で模様を入れた紙は美術工芸品としても高く評価されている。伝統の技と革新の精神で常に新しい和紙の可能性を追求している。
越前和紙はどこで購入・体験できますか?▼
福井県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。福井県の工芸品については福井県の伝統工芸品一覧もご覧ください。