その他の工芸品
京うちわ
きょううちわ
京都で生産されるうちわ。挿し柄の技法による優美な形状と装飾が特徴。
History
歴史
京うちわは京都で作られる伝統的なうちわで、その起源は南北朝時代の14世紀にまで遡る。朝鮮半島から伝来した団扇が宮廷文化の中で発展し、貴族の間で風雅な道具として用いられた。江戸時代には「都うちわ」として全国に知られ、優美な絵柄と繊細な造りで珍重された。京うちわの最大の特徴は差し柄構造で、うちわ面と柄を別々に作って後から差し込む手法が確立された。1977年に経済産業大臣指定の伝統的工芸品となり、現在も京都の職人が技を受け継いでいる。
Technique
技法
京うちわは「差し柄」と呼ばれる独自の構造が最大の特徴で、骨組みと柄を別々に製作し、最後に柄を差し込んで完成させる。骨には真竹を細く割いたものを使用し、放射状に広げた骨に薄い和紙を丁寧に貼る。和紙には日本画や木版画の技法で四季の花鳥風月が描かれ、絵画としての芸術性も高い。骨の数は50本から100本にも及び、繊細で透かし模様のような美しさを持つ。仕上げには漆塗りの柄を差し込み、格調高い工芸品として完成する。
Process
制作工程
全7工程
- 1
骨の準備
真竹を細く均一に割いて50本から100本の骨を作り、放射状に広げて繊細な骨組みの基礎を準備する
- 2
骨組み成形
割いた竹骨を扇形に広げて固定し、透かし模様のような美しい骨組みの構造体を丁寧に成形する
- 3
紙貼り
骨組みに薄い和紙を表裏から丁寧に貼り付け、繊細な骨の構造を活かしつつ紙面を整える
- 4
絵付け
日本画や木版画の技法を用いて和紙の表面に四季の花鳥風月を描き、絵画としての芸術性を高める
- 5
縁取り
うちわの外周を和紙で丁寧に縁取りし、紙と骨の接合部を補強して形状を安定させる
- 6
差し柄
漆塗りの柄を骨組みの下部に差し込んで接合する京うちわ独自の「差し柄」技法で組み立てる
- 7
仕上げ
全体のバランスを確認し、柄と骨組みの接合を整え、格調高い工芸品としての最終仕上げを行う
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
中村 源蔵
伝統工芸士
中村扇舗
京都市内の老舗うちわ店に生まれ、幼少期から職人の仕事を間近で見て育つ。京うちわの特徴である「挿し柄」の技法を極め、宮中献上品の制作も手がけてきた。60年以上の経験を持つ京うちわ界の重鎮である。
制作哲学
京うちわは実用を超えた美の結晶。挿し柄の繊細さに、京の雅を凝縮させることが私の仕事です。
“うちわ一本に京都千年の美意識が宿っている、そう思って作り続けています。
小林 紗弥
若手作家
京都の美術工芸大学で日本画を専攻した後、京うちわの絵付け職人に転身。伝統的な花鳥風月の図案に加え、現代アートの感性を取り入れた新しい京うちわを提案している。海外の展示会にも積極的に出展し、京うちわの国際的な認知向上に貢献している。
制作哲学
伝統と革新は対立するものではない。古の技法を深く理解してこそ、新しい表現が生まれる。
“京うちわの透かしの向こうに、見る人それぞれの京都を感じてほしい。
FAQ
よくある質問
京うちわとは何ですか?▼
京都で生産されるうちわ。挿し柄の技法による優美な形状と装飾が特徴。
京うちわの産地はどこですか?▼
京うちわは京都府で生産されているその他の工芸品です。
京うちわの技法・特徴は?▼
京うちわは「差し柄」と呼ばれる独自の構造が最大の特徴で、骨組みと柄を別々に製作し、最後に柄を差し込んで完成させる。骨には真竹を細く割いたものを使用し、放射状に広げた骨に薄い和紙を丁寧に貼る。和紙には日本画や木版画の技法で四季の花鳥風月が描かれ、絵画としての芸術性も高い。骨の数は50本から100本にも及び、繊細で透かし模様のような美しさを持つ。仕上げには漆塗りの柄を差し込み、格調高い工芸品として完成する。
京うちわはどこで購入・体験できますか?▼
京都府の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。京都府の工芸品については京都府の伝統工芸品一覧もご覧ください。