その他の工芸品
八女提灯
やめちょうちん
福岡県八女市で生産される提灯。繊細な八女和紙と竹骨による美しい盆提灯が特徴。
History
歴史
八女提灯は福岡県八女市で生産される提灯で、江戸時代後期の文化年間(1804〜1818年)に荒巻文右衛門が創始したとされる。八女地方は良質な竹と和紙の産地であり、提灯製造に最適な環境が整っていた。盆提灯を中心に発展し、明治以降は技術の改良と生産体制の整備が進んで全国有数の提灯産地となった。特に盆提灯の生産量は日本一を誇り、火袋に描かれる繊細な花鳥画が高く評価されている。2001年に伝統的工芸品に指定されている。
Technique
技法
八女提灯の製造は、まず竹ひごを螺旋状に巻いて火袋の骨組みを作る「一条螺旋式」が大きな特徴である。骨組みに薄い和紙や絹を丁寧に貼り付け、その上に職人が一筆一筆手描きで草花や風景を描いていく。絵付けには日本画の技法が用いられ、ぼかしや濃淡の繊細な表現が灯りを通した際に美しく映える。木製の上輪と下輪を取り付け、脚部や飾り金具を組み合わせて完成させる。薄紙を通した柔らかな光と幻想的な美しさが八女提灯の最大の魅力である。
Process
制作工程
全6工程
- 1
骨組み製作
竹ひごを均一な太さに割いて準備し、一条螺旋式で螺旋状に巻いて火袋の骨組みを丁寧に成形する
- 2
紙貼り
骨組みに薄い和紙や絹を一枚ずつ丁寧に貼り付け、灯りを通した際に美しく透ける火袋を作る
- 3
絵付け
日本画の技法を用いて職人が一筆一筆手描きで草花や風景を描き、ぼかしや濃淡の繊細な表現を施す
- 4
彩色仕上げ
絵付けした火袋の色彩を整え、灯りを通した際に幻想的な美しさを発揮するよう細部の色調を調整する
- 5
輪取付け
木製の上輪と下輪を火袋の上下に丁寧に取り付け、提灯としての構造を安定させる
- 6
金具組立
脚部や飾り金具を取り付けて提灯全体を組み上げ、吊り下げや据え置きの形態に合わせて完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
古賀 政之
伝統工芸士
古賀提灯店
福岡県八女市の提灯職人の家に生まれ、中学卒業と同時に家業に入る。八女提灯の特徴である一条螺旋式の骨巻き技法と繊細な絵付けを極め、盆提灯から祭礼用提灯まで幅広く手がける。全国伝統的工芸品展で内閣総理大臣賞を受賞した実績を持つ。
制作哲学
提灯は闇を照らすだけでなく、人の心にも灯をともす。その想いを一筆一筆に込めています。
“和紙を通した柔らかな光こそが、日本人の心を最も安らげる光だと信じています。
松尾 真由
若手作家
灯真工房
東京の美術大学で日本画を学んだ後、故郷の八女に戻り提灯絵師の道へ。祖父の代から続く工房で伝統技法を習得しながら、インテリア照明としての新しい提灯デザインを模索している。地元の和紙職人との協業にも力を入れている。
制作哲学
提灯の中に灯る光は、手仕事の温もりそのもの。機械には出せない揺らぎのある光を届けたい。
“八女の提灯が、現代の暮らしの中で新しい居場所を見つけられるよう挑戦し続けます。
FAQ
よくある質問
八女提灯とは何ですか?▼
福岡県八女市で生産される提灯。繊細な八女和紙と竹骨による美しい盆提灯が特徴。
八女提灯の産地はどこですか?▼
八女提灯は福岡県で生産されているその他の工芸品です。
八女提灯の技法・特徴は?▼
八女提灯の製造は、まず竹ひごを螺旋状に巻いて火袋の骨組みを作る「一条螺旋式」が大きな特徴である。骨組みに薄い和紙や絹を丁寧に貼り付け、その上に職人が一筆一筆手描きで草花や風景を描いていく。絵付けには日本画の技法が用いられ、ぼかしや濃淡の繊細な表現が灯りを通した際に美しく映える。木製の上輪と下輪を取り付け、脚部や飾り金具を組み合わせて完成させる。薄紙を通した柔らかな光と幻想的な美しさが八女提灯の最大の魅力である。
八女提灯はどこで購入・体験できますか?▼
福岡県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。福岡県の工芸品については福岡県の伝統工芸品一覧もご覧ください。