その他の工芸品
東京三味線
とうきょうしゃみせん
東京で生産される三味線。花梨や紅木を用いた精巧な作りの伝統的な和楽器。
History
歴史
東京三味線は東京で製作される三味線で、その起源は16世紀後半に中国から琉球を経て堺・大阪に伝わった三弦に遡る。江戸時代に江戸の芸能文化が花開くとともに三味線の需要が急速に高まり、歌舞伎や浄瑠璃、長唄、端唄、小唄など多彩なジャンルに対応する三味線が作られるようになった。明治以降は花柳界や邦楽の稽古場の需要にも支えられ、東京は三味線製作の一大中心地として確固たる地位を築いた。2009年に伝統的工芸品に指定されている。
Technique
技法
東京三味線の製造は、棹・胴・皮張りの三つの主要工程からなる。棹には紅木、紫檀、花梨などの堅い輸入木材を使用し、天神・中木・下棹の三つの部分に分けて精密に加工して組み上げる。胴は花梨材をくり抜いて四角い箱状に組み、表裏に猫皮や犬皮を張る。皮張りは湿度や温度の管理が極めて重要で、張り具合が音色を大きく決定する。太棹・中棹・細棹の三種があり、演奏する音楽のジャンルに応じて寸法や材質を変える。糸巻きや駒を取り付けて完成する。
Process
制作工程
全7工程
- 1
棹の加工
紅木・紫檀・花梨などの堅い木材を天神・中木・下棹の三つの部分に分けて精密に削り出す
- 2
棹の組立
三分割した棹をほぞ継ぎで正確に組み上げ、分解と再組立が可能な精密な嵌合を実現する
- 3
胴の製作
花梨材を四枚の板に加工してくり抜き、四角い箱状の共鳴胴に組み上げて接合する
- 4
皮張り
湿度と温度を厳密に管理しながら胴の表裏に猫皮や犬皮を張り、音色を決定する重要な工程を行う
- 5
棹胴接合
棹と胴を組み合わせ、太棹・中棹・細棹など演奏ジャンルに応じた寸法で全体を調整する
- 6
糸巻き取付
棹の天神部分に糸巻きを取り付け、回転の滑らかさと固定力を入念に調整する
- 7
張弦・調整
三本の糸を張り、駒を設置して音色と音程を確認しながら最終的な音質調整を行い完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
望月 辰雄
伝統工芸士
望月三味線店
東京都台東区の三味線職人の家に三代目として生まれる。花梨・紅木・紫檀など銘木の特性を知り尽くし、長唄・清元・常磐津など流派ごとの音色の違いを作り分ける技術を持つ。歌舞伎座や国立劇場で使用される三味線を数多く手がけてきた。
制作哲学
三味線は演奏者の分身。棹の太さ、皮の張り、駒の高さ、すべてを奏者の求める音色に合わせて追い込みます。
“木と皮と絹糸、三つの自然素材が奏でる響きに、日本人の感性の原点がある。
吉田 奏
若手作家
吉田邦楽器工房
邦楽演奏家を志していたが、楽器そのものの魅力に引き込まれ三味線製作の道へ転向。東京の老舗工房で8年間修業し、独立。演奏者としての経験を活かした音作りと、若い世代に向けた三味線の普及活動を両立させている。
制作哲学
三味線の「さわり」の響きは世界に類のない音色。その魅力を新しい世代に伝えることが使命です。
“自分が作った三味線が舞台で鳴り響く瞬間、すべての苦労が報われます。
FAQ
よくある質問
東京三味線とは何ですか?▼
東京で生産される三味線。花梨や紅木を用いた精巧な作りの伝統的な和楽器。
東京三味線の産地はどこですか?▼
東京三味線は東京都で生産されているその他の工芸品です。
東京三味線の技法・特徴は?▼
東京三味線の製造は、棹・胴・皮張りの三つの主要工程からなる。棹には紅木、紫檀、花梨などの堅い輸入木材を使用し、天神・中木・下棹の三つの部分に分けて精密に加工して組み上げる。胴は花梨材をくり抜いて四角い箱状に組み、表裏に猫皮や犬皮を張る。皮張りは湿度や温度の管理が極めて重要で、張り具合が音色を大きく決定する。太棹・中棹・細棹の三種があり、演奏する音楽のジャンルに応じて寸法や材質を変える。糸巻きや駒を取り付けて完成する。
東京三味線はどこで購入・体験できますか?▼
東京都の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。東京都の工芸品については東京都の伝統工芸品一覧もご覧ください。