和紙
越中和紙
えっちゅうわし
富山県で生産される手漉き和紙。八尾和紙や五箇山和紙などを含む伝統的な和紙。
History
歴史
越中和紙は富山県で生産される和紙の総称で、八尾・五箇山・蛭谷の三つの産地がある。その歴史は奈良時代にさかのぼり、正倉院には越中国からの紙の献上についての記録が残されている。特に五箇山の和紙は加賀藩の御用紙として保護され、合掌造りの集落で紙漉きが営まれてきた。八尾では型染めの和紙が特産品として発展した。豪雪地帯の厳しい自然環境の中で培われた紙漉きの技術は高く評価され、1988年に伝統的工芸品に指定された。
Technique
技法
越中和紙はコウゾやミツマタを原料とし、伝統的な手漉き技法で製造される。原料を灰汁で煮熟し、清水で洗って塵取りした後、叩いてほぐす。トロロアオイのネリを加えた原料液を簀桁で流し漉きする。産地ごとに特色があり、八尾では型染め和紙の技法が伝わり、色鮮やかな模様紙を生産する。五箇山では純粋なコウゾ紙が漉かれ、素朴で温かみのある風合いが特徴である。蛭谷ではガンピを用いた薄くて光沢のある紙が伝統的に漉かれている。
Process
制作工程
全7工程
- 1
原料処理
コウゾやミツマタの表皮を剥いで白皮を取り出し、灰汁で煮熟して繊維を柔らかくほぐしやすい状態にする
- 2
水洗い
煮熟した繊維を清水で丁寧に洗い流し、灰汁や不純物を完全に除去して繊維を清浄にする
- 3
塵取り
流水中で繊維に混じった細かい塵や樹皮片を手作業で一つずつ丹念に取り除き、紙の品質を高める
- 4
叩解
洗浄した繊維を叩き棒で丹念に叩いてほぐし、紙漉きに適した均一な繊維の状態に仕上げる
- 5
流し漉き
トロロアオイのネリを加えた原料液を簀桁で前後左右に揺りながら漉き、繊維を均一に絡ませる
- 6
型染め加工
産地の特色に応じて型染めや草木染めの技法を施し、八尾では色鮮やかな模様紙を仕上げる
- 7
乾燥仕上げ
圧搾脱水した紙を干し板に貼って天日乾燥させ、素朴で温かみのある風合いの和紙に仕上げる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
西田 源蔵
伝統工芸士
西田和紙漉き場
富山県南砺市に生まれ、五箇山の和紙製造の伝統を受け継ぐ家系の四代目として紙漉きの道に入る。越中和紙の三大産地のひとつである五箇山和紙の技法を守り、特に楮を原料とした厚手の和紙づくりに定評がある。富山県無形文化財保持者に認定されている。
制作哲学
雪深い五箇山の厳しい自然の中で育まれた和紙づくりの精神を、一枚一枚の紙に込めて漉き続ける。
“冬の冷たい水で晒した楮でなければ、この白さと強さは出せません。
北村 茜
若手職人
金沢美術工芸大学を卒業後、越中和紙の魅力に惹かれ富山県八尾町の工房に弟子入り。伝統的な紙漉き技術を学びながら、草木染めを取り入れた色和紙の制作に取り組んでいる。地域のワークショップや学校での和紙体験講座の講師も務めている。
制作哲学
越中和紙の温もりを、現代の生活の中で身近に感じてもらえる作品を作りたい。
“和紙に触れるたびに、この土地の水と風と人の想いが伝わってくる気がします。
FAQ
よくある質問
越中和紙とは何ですか?▼
富山県で生産される手漉き和紙。八尾和紙や五箇山和紙などを含む伝統的な和紙。
越中和紙の産地はどこですか?▼
越中和紙は富山県で生産されている和紙です。
越中和紙の技法・特徴は?▼
越中和紙はコウゾやミツマタを原料とし、伝統的な手漉き技法で製造される。原料を灰汁で煮熟し、清水で洗って塵取りした後、叩いてほぐす。トロロアオイのネリを加えた原料液を簀桁で流し漉きする。産地ごとに特色があり、八尾では型染め和紙の技法が伝わり、色鮮やかな模様紙を生産する。五箇山では純粋なコウゾ紙が漉かれ、素朴で温かみのある風合いが特徴である。蛭谷ではガンピを用いた薄くて光沢のある紙が伝統的に漉かれている。
越中和紙はどこで購入・体験できますか?▼
富山県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。富山県の工芸品については富山県の伝統工芸品一覧もご覧ください。