その他の工芸品
房州うちわ
ぼうしゅううちわ
千葉県南房総市で生産されるうちわ。丸竹の柄が特徴の伝統的な団扇。
History
歴史
房州うちわは千葉県南房総市や館山市で生産されるうちわで、明治時代に房州産の良質な女竹を活かして製造が始まった。東京のうちわ問屋との取引を通じて産地として発展し、京うちわ・丸亀うちわと並ぶ日本三大うちわの一つに数えられている。大正から昭和初期にかけて生産量が飛躍的に増加し、最盛期には年間数百万本を生産した。房総半島南部の温暖な気候で育つしなやかな女竹が房州うちわの品質を支えており、2003年に伝統的工芸品に指定された。
Technique
技法
房州うちわの最大の特徴は「丸柄」にある。女竹の丸い自然な形状をそのまま柄に活かし、竹の上部を細く割いて骨とする、一本の竹から柄と骨を一体的に作る製法である。竹を48本から64本に細かく割き、扇形に広げて骨組みを作る。骨に和紙を両面から貼り、周囲を和紙で縁取り補強して仕上げる。工程は21工程にも及び、竹の選別から最終仕上げまですべて手作業で行われる。手に馴染む丸柄の握り心地と、しなやかで心地よい風を送る使用感が特徴である。
Process
制作工程
全7工程
- 1
竹の選別
房州産の女竹の中から丸く真直ぐで節間が適切な良質の竹を選別し、うちわに適した材料を確保する
- 2
竹割き
一本の女竹の上部を48本から64本に細かく均一に割き、丸柄から連続する骨を作り出す
- 3
骨広げ
割いた竹骨を扇形に広げ、一本一本の間隔を均等に整えてうちわの骨格構造を形成する
- 4
編み固定
広げた骨を糸で編んで固定し、扇形の骨組みが安定して開いた状態を維持できるようにする
- 5
紙貼り
骨組みの両面に和紙を糊で丁寧に貼り付け、しわやたるみのない均一な張りの面を作る
- 6
縁巻き
うちわの周囲を和紙で縁取って補強し、紙の端が剥がれないよう丁寧に巻いて接着する
- 7
柄仕上げ
丸柄の部分を滑らかに整え、手に馴染む自然な竹の質感を活かした仕上げを施して完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
石井 徳三
伝統工芸士
石井うちわ工房
千葉県南房総市に生まれ、地元の房州うちわ工房で18歳から修業を開始。房州産の女竹を使った丸柄が特徴の房州うちわの全工程を一人で手がけることができる。竹の選別から骨削り、貼り、仕上げまで、21の工程すべてに熟達した名工として知られる。
制作哲学
房州の竹と潮風が育んだうちわは、この土地でしか生まれない。地の素材を活かし切ることが職人の腕の見せどころです。
“竹は生きている素材。一本一本の個性を見極めて、最良のうちわに仕上げるのが私の仕事です。
鈴木 萌恵
若手作家
風の工房
東京出身。千葉の自然に惹かれて南房総に移住し、房州うちわの存在を知る。職人のもとで修業しながら、房州の自然をモチーフにした絵付けのうちわを制作。地域の観光資源としてのうちわの可能性を模索し、体験教室の運営にも携わっている。
制作哲学
房州うちわの素朴な風合いは、この土地の自然そのもの。手に取った人に南房総の風を届けたい。
“うちわ越しに見える景色が、少しだけ涼しく感じられる。それが手仕事の魔法です。
FAQ
よくある質問
房州うちわとは何ですか?▼
千葉県南房総市で生産されるうちわ。丸竹の柄が特徴の伝統的な団扇。
房州うちわの産地はどこですか?▼
房州うちわは千葉県で生産されているその他の工芸品です。
房州うちわの技法・特徴は?▼
房州うちわの最大の特徴は「丸柄」にある。女竹の丸い自然な形状をそのまま柄に活かし、竹の上部を細く割いて骨とする、一本の竹から柄と骨を一体的に作る製法である。竹を48本から64本に細かく割き、扇形に広げて骨組みを作る。骨に和紙を両面から貼り、周囲を和紙で縁取り補強して仕上げる。工程は21工程にも及び、竹の選別から最終仕上げまですべて手作業で行われる。手に馴染む丸柄の握り心地と、しなやかで心地よい風を送る使用感が特徴である。
房州うちわはどこで購入・体験できますか?▼
千葉県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。千葉県の工芸品については千葉県の伝統工芸品一覧もご覧ください。