木工品・竹工品
井波彫刻
いなみちょうこく
富山県南砺市井波で生産される木彫刻。欄間彫刻を中心とした精緻な技術が特徴。
History
歴史
井波彫刻は富山県南砺市井波地区に伝わる木彫刻で、1390年(明徳元年)に瑞泉寺が建立された際、京都から招かれた彫刻師の技術が起源とされる。1763年の大火で焼失した瑞泉寺の再建に際し、京都の御用彫刻師・前川三四郎が派遣され、地元の大工に彫刻技術を伝授したことで本格的に発展した。以降、欄間や獅子頭などの彫刻産地として全国に名を馳せた。1975年に国の伝統的工芸品に指定。現在も約200名の彫刻師が活動する日本最大の木彫刻産地である。
Technique
技法
井波彫刻はクスノキ、ケヤキ、キリなどの木材を用い、200種類以上の鑿と小刀を駆使して制作される。まず図案を木地に写し取り、荒彫りで大まかな形を削り出した後、小彫り・仕上げ彫りへと進む。欄間彫刻では透かし彫り、浮き彫り、丸彫りなどの技法を組み合わせ、花鳥風月や龍虎など躍動感のある立体的な表現を実現する。特に深彫りの技術に優れ、奥行きのある重層的な構図が井波彫刻の真骨頂である。最終工程では木肌を磨き上げ、素材の美しさを引き出す。
Process
制作工程
全6工程
- 1
木材準備
クスノキ・ケヤキ・キリなどの木材を厳選し、作品の用途と大きさに合わせて木地を切り出す
- 2
図案写し
花鳥風月や龍虎など躍動感のある図案を木地の表面に正確に写し取り、彫刻の指針とする
- 3
荒彫り
大きな鑿で図案に沿って大まかな形を削り出し、作品全体の立体的な構図と奥行きを決定する
- 4
小彫り
200種類以上の鑿と小刀を使い分け、細部の形や表情を彫り進めて精緻な造形を表現する
- 5
仕上げ彫り
透かし彫り・浮き彫り・丸彫りの技法を組み合わせ、深彫りで重層的な立体表現を完成させる
- 6
磨き仕上げ
彫り上がった作品の木肌を丁寧に磨き上げ、木材本来の美しさと彫刻の陰影を引き出して完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
南部 泰山
伝統工芸士
南部彫刻工房
富山県南砺市井波に生まれ、瑞泉寺の門前町として栄えた井波で六代にわたり彫刻を手がける家系を継ぐ。欄間彫刻を中心に、寺社建築の装飾彫刻や獅子頭の制作にも優れ、二百本以上のノミを使い分ける技術は圧巻。富山県無形文化財保持者。
制作哲学
一本のノミに魂を込め、木の中に眠る龍や鳳凰を解き放つ。二百五十年の井波彫刻の歴史は、職人の技の結晶である。
“欄間の向こうに風が通り、光が踊る。それこそが井波彫刻の真骨頂です。
前田 壮一郎
若手職人
富山大学芸術文化学部で木材造形を学んだ後、井波彫刻の迫力と繊細さに心を打たれ弟子入り。伝統的な欄間彫刻の技法を修行しながら、現代建築に調和する新しいスタイルの木彫装飾を提案している。井波彫刻の若手職人グループの代表も務める。
制作哲学
井波彫刻の技術を現代建築や空間デザインに活かし、木彫りの新しい可能性を切り拓きたい。
“ノミを振るうたびに飛び散る木屑の中に、井波の職人魂が宿っている気がします。
FAQ
よくある質問
井波彫刻とは何ですか?▼
富山県南砺市井波で生産される木彫刻。欄間彫刻を中心とした精緻な技術が特徴。
井波彫刻の産地はどこですか?▼
井波彫刻は富山県で生産されている木工品・竹工品です。
井波彫刻の技法・特徴は?▼
井波彫刻はクスノキ、ケヤキ、キリなどの木材を用い、200種類以上の鑿と小刀を駆使して制作される。まず図案を木地に写し取り、荒彫りで大まかな形を削り出した後、小彫り・仕上げ彫りへと進む。欄間彫刻では透かし彫り、浮き彫り、丸彫りなどの技法を組み合わせ、花鳥風月や龍虎など躍動感のある立体的な表現を実現する。特に深彫りの技術に優れ、奥行きのある重層的な構図が井波彫刻の真骨頂である。最終工程では木肌を磨き上げ、素材の美しさを引き出す。
井波彫刻はどこで購入・体験できますか?▼
富山県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。富山県の工芸品については富山県の伝統工芸品一覧もご覧ください。