木工品・竹工品
名古屋桐箪笥
なごやきりたんす
愛知県名古屋市で生産される桐箪笥。精密な木工技術と美しい仕上げが特徴。
History
歴史
名古屋桐箪笥は愛知県名古屋市を中心に製作される桐箪笥で、江戸時代中期の享保年間(1716〜1736年)に尾張藩の城下町で発展したとされる。名古屋は東海道と中山道の結節点として商業が栄え、嫁入り道具としての箪笥需要が高まった。特に名古屋の嫁入り文化は豪華なことで知られ、桐箪笥は婚礼調度品の中心であった。明治以降は産業として確立し、全国への販路が広がった。1981年に国の伝統的工芸品に指定。名古屋の婚礼文化と職人技術が結びついた格調高い箪笥である。
Technique
技法
名古屋桐箪笥は良質な桐材を厳選し、数年間のアク抜き・自然乾燥を経て使用する。板の接合は精密なほぞ組みで行い、釘を使わない伝統工法を守る。引き出しは気密性が高く、一つの引き出しを押すと他の引き出しが空気圧で押し出されるほどの精度で仕上げる。表面は砥の粉と焼蝋による伝統的な仕上げを施し、桐本来の白く美しい肌合いを引き出す。名古屋独自の特徴として、重厚な金具装飾と角金具の意匠に工夫が凝らされ、格調高い仕上がりとなっている。
Process
制作工程
全7工程
- 1
桐材選別
良質な桐材を厳選し、箪笥の各部位に適した木目と材質のものを選び出して使用する材を決める
- 2
アク抜き
桐材を屋外に数年間晒してアク抜きと自然乾燥を行い、変色や狂いのない安定した材に仕上げる
- 3
部材加工
乾燥した桐材を鉋で精密に削り、ほぞ組みの接合部を正確に加工して各部材を所定の寸法に仕上げる
- 4
組立て
釘を使わない伝統工法で精密なほぞ組みにより部材を接合し、気密性の高い箱体を組み上げる
- 5
引出し調整
一つの引き出しを押すと他が空気圧で押し出されるほどの高精度に引き出しを擦り合わせて調整する
- 6
砥の粉仕上げ
砥の粉と焼蝋による伝統的な仕上げを施し、桐本来の白く美しい肌合いを引き出す
- 7
金具装飾
名古屋独自の重厚な金具と角金具を意匠を凝らして取り付け、格調高い箪笥に完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
伊藤 作兵衛
伝統工芸士
伊藤桐箪笥店
愛知県名古屋市に生まれ、尾張の桐箪笥づくりを継承する工房の五代目。名古屋桐箪笥の特徴である総桐造りと精密な金具装飾の技に優れ、婚礼家具を中心に四十五年以上の制作歴を持つ。経済産業大臣指定伝統工芸士として技術の保存に努めている。
制作哲学
名古屋桐箪笥は尾張の美意識の象徴。精緻な仕事と華やかな金具で、持つ人に誇りと喜びを届ける。
“桐箪笥の抽斗がすっと開き、ぴたりと閉まる。その一分の狂いもない仕事が職人の命です。
水野 真由
若手職人
桐工房 真
名古屋芸術大学でインテリアデザインを学んだ後、名古屋桐箪笥の優れた調湿機能と美しさに着目し、職人の道へ進む。伝統的な箪笥づくりの技法を習得しながら、現代住宅に調和するモダンな桐家具のデザインを手がけている。
制作哲学
桐の機能美を現代デザインで包み、新しい世代に桐箪笥の価値を届けたい。
“桐は軽くて強く、火にも水にも強い。この素材の可能性をもっと多くの人に知ってほしいのです。
FAQ
よくある質問
名古屋桐箪笥とは何ですか?▼
愛知県名古屋市で生産される桐箪笥。精密な木工技術と美しい仕上げが特徴。
名古屋桐箪笥の産地はどこですか?▼
名古屋桐箪笥は愛知県で生産されている木工品・竹工品です。
名古屋桐箪笥の技法・特徴は?▼
名古屋桐箪笥は良質な桐材を厳選し、数年間のアク抜き・自然乾燥を経て使用する。板の接合は精密なほぞ組みで行い、釘を使わない伝統工法を守る。引き出しは気密性が高く、一つの引き出しを押すと他の引き出しが空気圧で押し出されるほどの精度で仕上げる。表面は砥の粉と焼蝋による伝統的な仕上げを施し、桐本来の白く美しい肌合いを引き出す。名古屋独自の特徴として、重厚な金具装飾と角金具の意匠に工夫が凝らされ、格調高い仕上がりとなっている。
名古屋桐箪笥はどこで購入・体験できますか?▼
愛知県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。愛知県の工芸品については愛知県の伝統工芸品一覧もご覧ください。