木工品・竹工品
紀州へら竿
きしゅうへらざお
和歌山県橋本市で生産されるへらぶな釣り用の竹竿。高い弾力性と感度が特徴。
History
歴史
紀州へら竿は和歌山県橋本市を中心に製作されるヘラブナ釣り専用の竹竿で、昭和初期に大阪の竿師であった竹田源蔵が橋本に移住し、製竿を始めたのが起源とされる。橋本市周辺は高野山麓に位置し、良質な竹材が豊富に得られた。戦後のヘラブナ釣りブームとともに需要が急増し、多くの竿師が技を競った。名竿師の系譜が脈々と受け継がれ、産地として確立された。1994年に国の伝統的工芸品に指定。ヘラブナ釣りの最高峰の道具として、釣り人から絶大な支持を受けている。
Technique
技法
紀州へら竿は高野竹、真竹、矢竹の三種の竹を主材料とし、それぞれの特性を活かして穂先、穂持ち、手元などに使い分ける。製作は原竹の選別から始まり、数年間の自然乾燥を経て火入れ・矯め直しを行う。竹の節を削り合わせ、印籠継ぎや並継ぎで三本から五本に継ぎ合わせる。漆を十数回塗り重ねて強度と防水性を高め、絹糸の飾り巻きを施す。竿の調子(しなり具合)は竿師の設計思想が反映される最も重要な要素で、竹の肉厚や節の位置を見極めながら削り込んで理想の調子を追求する。
Process
制作工程
全7工程
- 1
原竹選別
高野竹、真竹、矢竹の三種の竹から穂先・穂持ち・手元に適した材を選び採取する
- 2
自然乾燥
採取した竹を風通しの良い場所で数年間自然乾燥させ、竹の水分を抜いて安定した材にする
- 3
火入れ
炭火で竹を炙って油抜きを行いながら曲がりを矯正し、真っ直ぐで強靭な竿材に仕上げる
- 4
削り込み
竹の肉厚や節の位置を見極めながら刃物で丁寧に削り、理想の調子(しなり具合)を追求する
- 5
継ぎ合わせ
三本から五本の竹を印籠継ぎや並継ぎで精密に接合し、一本の竿として組み上げる
- 6
漆塗り
生漆を十数回塗り重ねては研ぎ出す工程を繰り返し、強度と防水性を高める
- 7
飾り巻き
継ぎ目や要所に絹糸の飾り巻きを施し、漆で固めて実用性と美しい外観を完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
山田 竿匠
伝統工芸士
竿匠工房
1943年和歌山県橋本市生まれ。本名・山田政雄。紀州へら竿の名人と謳われた師匠のもとで10年間の厳しい修業を経て独立。高野竹と矢竹を主材料とし、ヘラブナ釣りに最適化された調子の竿を作り続けて50年以上。紀州へら竿の最高峰と評され、全国のヘラ師から絶大な信頼を得ている。
制作哲学
竿は釣り人の魂の延長。魚の引きを手元に正確に伝え、釣り人と魚の真剣勝負を支える竿でなければならない。
“竹を選ぶとき、三年後のしなりまで見通す。それが竿師の目です。
松下 翔太
若手竿師
1991年和歌山県九度山町生まれ。子どもの頃から父に連れられてヘラブナ釣りに親しみ、紀州へら竿の美しさと性能に魅了される。地元の高校卒業後、へら竿製作の道に進み、現在は火入れ、矯め、塗りなどの全工程を一人でこなす。若手竿師の技術コンクールで最優秀賞を受賞。
制作哲学
伝統の技法を忠実に守りながら、現代のヘラブナ釣りのスタイルに合った竿を追求する。
“自分の竿で大物を釣り上げたというお客様の声が、何よりの励みです。
FAQ
よくある質問
紀州へら竿とは何ですか?▼
和歌山県橋本市で生産されるへらぶな釣り用の竹竿。高い弾力性と感度が特徴。
紀州へら竿の産地はどこですか?▼
紀州へら竿は和歌山県で生産されている木工品・竹工品です。
紀州へら竿の技法・特徴は?▼
紀州へら竿は高野竹、真竹、矢竹の三種の竹を主材料とし、それぞれの特性を活かして穂先、穂持ち、手元などに使い分ける。製作は原竹の選別から始まり、数年間の自然乾燥を経て火入れ・矯め直しを行う。竹の節を削り合わせ、印籠継ぎや並継ぎで三本から五本に継ぎ合わせる。漆を十数回塗り重ねて強度と防水性を高め、絹糸の飾り巻きを施す。竿の調子(しなり具合)は竿師の設計思想が反映される最も重要な要素で、竹の肉厚や節の位置を見極めながら削り込んで理想の調子を追求する。
紀州へら竿はどこで購入・体験できますか?▼
和歌山県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。和歌山県の工芸品については和歌山県の伝統工芸品一覧もご覧ください。