木工品・竹工品
岐阜和傘
ぎふわがさ
岐阜県で生産される和傘。竹と和紙で作られる伝統的な雨傘や日傘。
History
歴史
岐阜和傘は岐阜県岐阜市を中心に製作される和傘で、江戸時代初期に美濃地方の良質な和紙と竹を材料として製造が始まったとされる。長良川流域は和紙の産地であり、竹林にも恵まれた環境が和傘製造に適していた。江戸時代中期には岐阜藩の保護のもと産業として発展し、全国有数の和傘産地となった。最盛期の昭和初期には年間1500万本以上が生産された。1985年に国の伝統的工芸品に指定。番傘、蛇の目傘、日傘など多様な種類の和傘が今も職人の手で作られている。
Technique
技法
岐阜和傘は竹骨、和紙、柿渋、亜麻仁油などの天然素材を用いて製作される。まず真竹を割って傘骨を作り、親骨と小骨を轆轤(ろくろ)に組み付ける。和紙は美濃和紙を使用し、傘骨の上に一枚ずつ糊で貼り合わせる。貼り終えた傘に柿渋や亜麻仁油を塗布して防水性を持たせる。蛇の目傘では二重に紙を張り、装飾的な模様を施す。仕上げに糸飾りや漆塗りを行う。全工程は分業制で行われ、骨師、貼り師、仕上げ師など十数の工程をそれぞれの専門職人が担当する。
Process
制作工程
全7工程
- 1
骨作り
真竹を細く割って傘骨を削り出し、親骨と小骨をそれぞれの規格に合わせて加工する
- 2
轆轤組立
削り上げた傘骨を木製の轆轤(ろくろ)に一本ずつ差し込み、放射状に骨組みを組み立てる
- 3
紙貼り
美濃和紙を傘骨の上に一枚ずつ糊で丁寧に貼り合わせ、骨組み全体を覆っていく
- 4
防水加工
貼り終えた和紙の表面に柿渋や亜麻仁油を塗布し、雨に耐える防水性を持たせる
- 5
乾燥
防水加工した傘を天日または陰干しで十分に乾燥させ、紙と油を安定させる
- 6
糸飾り
傘骨に色糸を掛け渡して装飾的な糸飾りを施し、補強と美観を兼ねた仕上げを行う
- 7
漆仕上げ
柄や轆轤部分に漆を塗り、金具を取り付けて開閉機構を調整し完成させる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
長谷川 忠義
伝統工芸士
長谷川和傘店
1947年岐阜県岐阜市生まれ。和傘職人だった父に幼少期から手ほどきを受け、18歳で本格的に修業を開始。蛇の目傘、番傘、日傘など多様な和傘を手がけ、骨組みから和紙張り、仕上げまでの全工程に精通する。岐阜和傘の技術保存と後継者育成に半世紀以上を捧げてきた。
制作哲学
和傘は竹と和紙と漆が織りなす日本の美の結晶である。一本の傘に百を超える工程があり、その一つひとつに心を込めることが大切だ。
“雨の日に和傘を差すと、雨音が音楽に変わるんです。
田中 美咲
若手作家
美咲和傘工房
1996年岐阜県関市生まれ。京都の大学で日本美術史を学んだ後、地元岐阜に戻り和傘の世界に飛び込む。伝統的な技法を基礎としながら、現代のインテリアや照明器具としての和傘の新たな可能性を追求。海外の展示会にも積極的に出展し、和傘文化の国際的な発信に努めている。
制作哲学
和傘の骨と紙が作り出す光と影の美しさを、もっと多くの人に知ってほしい。
“和傘は閉じていても開いていても美しい、それが日本のデザインの力です。
FAQ
よくある質問
岐阜和傘とは何ですか?▼
岐阜県で生産される和傘。竹と和紙で作られる伝統的な雨傘や日傘。
岐阜和傘の産地はどこですか?▼
岐阜和傘は岐阜県で生産されている木工品・竹工品です。
岐阜和傘の技法・特徴は?▼
岐阜和傘は竹骨、和紙、柿渋、亜麻仁油などの天然素材を用いて製作される。まず真竹を割って傘骨を作り、親骨と小骨を轆轤(ろくろ)に組み付ける。和紙は美濃和紙を使用し、傘骨の上に一枚ずつ糊で貼り合わせる。貼り終えた傘に柿渋や亜麻仁油を塗布して防水性を持たせる。蛇の目傘では二重に紙を張り、装飾的な模様を施す。仕上げに糸飾りや漆塗りを行う。全工程は分業制で行われ、骨師、貼り師、仕上げ師など十数の工程をそれぞれの専門職人が担当する。
岐阜和傘はどこで購入・体験できますか?▼
岐阜県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。岐阜県の工芸品については岐阜県の伝統工芸品一覧もご覧ください。