陶磁器
砥部焼
とべやき
愛媛県砥部町で生産される磁器。白磁に藍色の染付模様が特徴。
History
歴史
砥部焼は愛媛県伊予郡砥部町を中心に生産される磁器である。宝暦年間(1751年〜)に大洲藩が磁器の生産を奨励し、安永4年(1775年)に杉野丈助が砥石くずを原料にした磁器の焼成に成功したのが始まりとされる。砥部は古くから砥石の産地であり、その屑を活用した磁器生産は藩の殖産興業政策の一環であった。江戸後期から明治にかけて発展し、厚手で丈夫な日用食器の産地として知られるようになった。昭和51年に伝統的工芸品に指定され、現在は約100の窯元が活動している。
Technique
技法
砥部焼は砥部産の陶石を主原料とし、やや青みを帯びた白磁が特徴である。成形は轆轤挽きを基本とし、厚手でぽってりとした手触りの器に仕上げる。この厚みが丈夫さの秘訣で、日常使いに適した堅牢な食器となる。絵付けは呉須による手描きの染付が主流で、唐草文様が代表的なモチーフである。藍色一色で描かれる素朴な絵付けが白磁に映え、清潔感のある仕上がりとなる。素焼きは約900度、本焼きは約1300度で焼成する。近年は赤絵や色釉を用いた新しい表現にも取り組んでいる。
Process
制作工程
全7工程
- 1
原料精製
砥部の山から産出する陶石を採取して細かく砕き、水簸と精製を繰り返してやや青みを帯びた磁器土を作る
- 2
成形
轆轤挽きを基本にして厚手でぽってりとした手触りの器に成形し、日常使いに耐える堅牢な食器を作る
- 3
削り
適度に乾燥した素地をカンナで丁寧に削り、高台や口縁を整えて砥部焼らしい均一な厚みに仕上げる
- 4
素焼き
十分に乾燥させた素地を約900度で素焼きし、呉須の絵付けに適した吸水性を持たせる
- 5
絵付け
呉須を用いて唐草文様などの伝統的な意匠を手描きし、藍色一色で白磁に映える素朴な文様を施す
- 6
施釉
絵付けした素地に透明釉を均一にむらなく掛け、焼成後に白磁と藍色文様の美しい対比を生む準備をする
- 7
本焼き
約1300度の高温で本焼きし、青みがかった白磁に藍色の文様が映える堅牢な器に仕上げる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
白石 青磁
伝統工芸士
白石窯
愛媛県砥部町に生まれ、砥部焼の白磁に藍色の染付を施す伝統技法を四十五年にわたり守り続けてきた。厚手で丈夫な砥部焼の特徴を活かしながら、唐草紋や太陽紋などの伝統文様を一筆一筆手描きで絵付けしている。愛媛県の無形文化財技術保持者に認定されている。
制作哲学
砥部焼の厚みと重みは、使う人に安心感を与える。日々の食卓で長く愛される器を作ることが私の信条である。
“砥部焼の白地に藍が映える瞬間、四国の青い空を思い出します。
梅野 七海
若手作家
梅野陶房
愛媛県出身。松山の大学でデザインを学んだ後、砥部焼の窯元に就職し絵付けの技術を身につけた。伝統的な唐草紋をアレンジした現代的な絵付けが若い女性を中心に人気を集めている。砥部焼の丈夫さを活かした子ども向け食器の制作にも力を入れている。
制作哲学
砥部焼は割れにくく日常使いに最適な器。だからこそ、毎日使いたくなるデザインを追求したい。
“子どもたちが私の作った器で食事をしてくれることが、何よりの喜びです。
FAQ
よくある質問
砥部焼とは何ですか?▼
愛媛県砥部町で生産される磁器。白磁に藍色の染付模様が特徴。
砥部焼の産地はどこですか?▼
砥部焼は愛媛県で生産されている陶磁器です。
砥部焼の技法・特徴は?▼
砥部焼は砥部産の陶石を主原料とし、やや青みを帯びた白磁が特徴である。成形は轆轤挽きを基本とし、厚手でぽってりとした手触りの器に仕上げる。この厚みが丈夫さの秘訣で、日常使いに適した堅牢な食器となる。絵付けは呉須による手描きの染付が主流で、唐草文様が代表的なモチーフである。藍色一色で描かれる素朴な絵付けが白磁に映え、清潔感のある仕上がりとなる。素焼きは約900度、本焼きは約1300度で焼成する。近年は赤絵や色釉を用いた新しい表現にも取り組んでいる。
砥部焼はどこで購入・体験できますか?▼
愛媛県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。愛媛県の工芸品については愛媛県の伝統工芸品一覧もご覧ください。