備前焼

陶磁器

備前焼

びぜんやき

岡山県 備前市|1982年 伝統的工芸品指定|公式サイト

釉薬を使わず絵付けもしない素朴な焼き物。「投げても割れぬ」と言われるほどの堅牢さが特徴。

Philosophy

哲学

備前焼は、人の手と自然の力が共同で生み出す美の極致です。釉薬を使わず、土と炎だけで勝負するその姿勢は、「素材に逆らわない」という工芸の根本原理を体現しています。窯変によって生まれる景色は、職人の意図を超えた「他力の美」——柳宗悦が最も尊んだ美のかたちです。

窯の中で何が起こるかは、最終的には炎が決める。私たちにできるのは、最善の準備をして、あとは炎に委ねること。

——備前焼職人

History

歴史

平安時代末期に須恵器の流れを汲んで誕生。鎌倉時代には壺や甕などの日用雑器が大量に生産された。桃山時代に茶の湯の隆盛とともに茶陶として高い評価を得るようになった。

Technique

技法

田土と呼ばれる鉄分を多く含む粘土を使用し、釉薬を一切かけずに約1250度の高温で約2週間焼き締める。窯変により胡麻・桟切・緋襷・牡丹餅などの独特の景色が生まれる。

Gallery

ギャラリー

Process

制作工程

8工程

  1. 1

    土採取

    田んぼの地下から鉄分を多く含む田土と呼ばれる粘土を採取し、数年間寝かせて熟成させる

  2. 2

    土練り

    数年間熟成させた田土を水簸して粒度を丁寧に整え、菊練りで気泡を抜いて焼締めに適した均質な粘土に仕上げる

  3. 3

    成形

    轆轤挽きや手捻りで器の形を成形し、釉薬を一切使わない焼締めの焼成を前提とした堅実な造形を行う

  4. 4

    乾燥

    成形した作品を数週間かけてゆっくりと自然乾燥させ、厚い素地の内部まで水分を完全に除去する

  5. 5

    窯詰め

    胡麻や緋襷などの狙いたい窯変効果に応じて藁を巻いたり、窯内の配置を緻密に計画して窯詰めする

  6. 6

    焼成

    約1250度の高温で約二週間にわたり松割木を焚き続け、焼締めによる窯変効果を生む

  7. 7

    徐冷

    焼成終了後に窯の温度を数日間かけてゆっくりと降下させ、急激な温度変化による作品の割れを防止する

  8. 8

    窯出し

    胡麻・桟切・緋襷・牡丹餅などの窯変による多彩な景色を一つずつ確認し、作品を丁寧に選別して仕上げる

Artisans

この工芸を紡ぐ人々

藤原 景雲

伝統工芸士

景雲窯

岡山県備前市伊部に生まれ、備前焼の名門窯元の下で十五歳より修業を開始。釉薬を一切使わず、土と炎だけで生まれる胡麻・桟切り・緋襷などの窯変を自在に操る技術を持つ。備前焼の人間国宝に師事した経験を持ち、国内外の美術展で数多くの賞を受賞している。

制作哲学

備前焼は土と火の芸術である。一千二百度を超える炎の中で土が変容する、その瞬間に立ち会えることが陶芸家の最大の喜びである。

十日間の窯焚きの末に窯を開ける瞬間は、何十年経っても胸が高鳴ります。

小野 彩花

若手作家

岡山県出身。岡山県立大学でデザインを学んだ後、備前焼の無釉の美しさに魅せられて陶芸の道に転向した。伝統的な備前焼の技法を基盤としつつ、女性ならではの繊細な造形と緋襷の表現で独自の世界を切り拓いている。全国の若手陶芸展で入選を重ねている。

制作哲学

釉薬に頼らない備前焼だからこそ、土そのものの美しさと向き合える。素材の力を信じて制作を続けたい。

窯から生まれる色は二つと同じものがない——それが備前焼の最大の魅力です。

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FAQ

よくある質問

備前焼とは何ですか?

釉薬を使わず絵付けもしない素朴な焼き物。「投げても割れぬ」と言われるほどの堅牢さが特徴。

備前焼の産地はどこですか?

備前焼岡山県備前市で生産されている陶磁器です。1982年に経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定されています。

備前焼の技法・特徴は?

田土と呼ばれる鉄分を多く含む粘土を使用し、釉薬を一切かけずに約1250度の高温で約2週間焼き締める。窯変により胡麻・桟切・緋襷・牡丹餅などの独特の景色が生まれる。

備前焼はどこで購入・体験できますか?

岡山県備前市の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。岡山県の工芸品については岡山県の伝統工芸品一覧もご覧ください。