陶磁器
小石原焼
こいしわらやき
福岡県東峰村で生産される陶器。飛び鉋や刷毛目など独特の装飾技法が特徴。
History
歴史
小石原焼は福岡県朝倉郡東峰村で生産される陶器である。寛文5年(1665年)、筑前福岡藩の三代藩主・黒田光之が伊万里から陶工を招き、小石原の地で窯を開いたのが始まりとされる。当初は磁器を焼いていたが、やがて陶器に転じ、日用雑器を中心に生産するようになった。昭和33年にブリュッセル万国博覧会に出品してグランプリを受賞し、「用の美」として国際的に高い評価を得た。民藝運動の柳宗悦にも高く評価され、昭和50年に伝統的工芸品に指定された。
Technique
技法
小石原焼は地元で産出する鉄分を含んだ陶土を使用し、蹴轆轤で成形する。最大の特徴は多彩な装飾技法にある。「飛び鉋」は轆轤を回しながら鉋の刃を当てて規則的な刻み模様を付ける技法、「刷毛目」は白化粧土を刷毛で塗り付けて回転による模様を生む技法である。ほかにも「櫛描き」「指描き」「打掛け」「流し掛け」など多様な加飾法がある。釉薬は藁灰釉、木灰釉、飴釉などを用い、焼成は登り窯や灯油窯で約1250度から1300度で行う。素朴で力強い「用の美」を体現する焼き物である。
Process
制作工程
全7工程
- 1
土採取
福岡県東峰村で産出する鉄分を含んだ陶土を採取し、水簸や精製を行って成形に適した粘土を作る
- 2
成形
蹴轆轤を用いて器の形を力強く挽き出し、日用雑器としての使いやすさを十分に考慮した形に整える
- 3
加飾
飛び鉋・刷毛目・櫛描き・指描きなどの技法で轆轤を回しながら規則的な装飾模様を付ける
- 4
乾燥
装飾を施した器をゆっくりと丁寧に乾燥させ、飛び鉋や刷毛目の模様を崩さないよう慎重に水分を除去する
- 5
素焼き
乾燥した素地を低温で素焼きし、藁灰釉や木灰釉などの施釉に適した吸水性と適度な強度を持たせる
- 6
施釉
藁灰釉・木灰釉・飴釉などを掛け、打掛けや流し掛けの技法も用いて表情豊かに仕上げる
- 7
焼成
登り窯や灯油窯で約1250度から1300度の高温で焼成し、用の美を体現する器に焼き上げる
Artisans
この工芸を紡ぐ人々
太田 熊吉
伝統工芸士
太田窯
福岡県朝倉郡東峰村に生まれ、小石原焼の窯元として四十年以上にわたり制作を続けている。飛び鉋・刷毛目・櫛目など小石原焼を代表する技法すべてに精通し、民藝の精神を体現する力強い日用雑器を生み出している。民藝運動の流れを汲み「用の美」を追求し続ける姿勢で全国にファンを持つ。
制作哲学
小石原焼は使われてこそ美しい。毎日の暮らしの中で輝く器こそ、民藝の理想である。
“飛び鉋のリズムは、轆轤の回転と鉋の刃先が奏でる音楽です。
梶原 ひなた
若手作家
福岡県出身。大学でプロダクトデザインを学んだ後、小石原焼の伝統文様の美しさに感銘を受け、東峰村に移住して修業を始めた。伝統的な飛び鉋や刷毛目の技法にモダンな配色を組み合わせた作品が、若い世代を中心に人気を集めている。民藝の里の次世代を担う作家として期待されている。
制作哲学
飛び鉋の模様には手仕事の温もりがある。その温もりを現代のテーブルコーディネートに活かしたい。
“鉋が土を弾く瞬間の小気味よさは、一度体験したら忘れられません。
FAQ
よくある質問
小石原焼とは何ですか?▼
福岡県東峰村で生産される陶器。飛び鉋や刷毛目など独特の装飾技法が特徴。
小石原焼の産地はどこですか?▼
小石原焼は福岡県で生産されている陶磁器です。
小石原焼の技法・特徴は?▼
小石原焼は地元で産出する鉄分を含んだ陶土を使用し、蹴轆轤で成形する。最大の特徴は多彩な装飾技法にある。「飛び鉋」は轆轤を回しながら鉋の刃を当てて規則的な刻み模様を付ける技法、「刷毛目」は白化粧土を刷毛で塗り付けて回転による模様を生む技法である。ほかにも「櫛描き」「指描き」「打掛け」「流し掛け」など多様な加飾法がある。釉薬は藁灰釉、木灰釉、飴釉などを用い、焼成は登り窯や灯油窯で約1250度から1300度で行う。素朴で力強い「用の美」を体現する焼き物である。
小石原焼はどこで購入・体験できますか?▼
福岡県の産地工房・直売所や、全国の百貨店・専門店でご購入いただけます。 産地では制作体験ができる工房もあります。福岡県の工芸品については福岡県の伝統工芸品一覧もご覧ください。